集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き

文字の大きさ
上 下
23 / 171
獣人村編

23話 昴の大冒険(2)

しおりを挟む
 お小遣い銀貨1枚を貰った昴11才(彼女募集中)は、木剣を持って街に繰り出した。

 この街に来て1ヶ月。昴には2人の友達が出来た。1人は猫族の男の子で名前はムスカ。2才年上で俊敏そうな体躯をしている。もう1人は人族の男の子で名前はタルタル。揚げ物に合いそうな名前だが見た目は細っそりしている。歳は昴と同い歳だ。

 3人はよく一緒になって空き地でチャンバラごっこをしている。(今日も空き地だ)

「昴、これ見ろよ。本物の剣だぜ!」

 ムスカは手にショートソードを持っていた。

「この間13才になったから冒険者になったんだ!この剣はオヤジが買ってくれたんだぜ」

 ムスカは得意気な顔をしてその剣を鞘に入ったまま振り回した。

「「お~、すげ~、本物の剣だ!」」

 昴もタルタルも目を輝かせてその剣を見た。

「まだ見習いだから討伐は無理だけどな!」

「俺も早く冒険者になりたいな~」

「角ウサギぐらいなら倒せるのにな。昴もあれだけ木剣が振れるなら弱い魔物なら倒せるんじゃないか?」

「もちろんゴブリンだって大丈夫だ!」

 実際、昴は剣聖スキルを持っているので実践経験はまだ無いが、オークを倒す位の力量は持っている。それに光魔法もある。本格的に訓練すれば、すぐに中級冒険者レベルになれるだろう。

「タルタルは冒険者にならないのか?」

「僕は戦いは好きじゃないし料理してる方がいいよ」

 タルタルの家は結構人気の定食屋だ。人気メニューは唐揚げ定食だ。(名付けに他意は無い筈だ)

 3人でワイワイやっていると向こうから誰かがやってくる。背は菜々と同じぐらいで髪は黄色のロング。目はクリクリとした空色の可愛く大きな瞳だ。
 笑うと大きな瞳がタレ目になる。またそれが可愛い。白のワンピースを着ていて、スカートの後ろからは細長い黄色の尻尾がユラユラしている。

 この女の子はムスカの妹でプリシラ。昴と同い歳だ。

「お兄ちゃん、もうすぐお昼ご飯の時間だよ」

「あ!昴くんとタルタルくん、こんにちわ」

「プリシラちゃん、一緒に遊ぶ?」

「今日も空き地で遊んでたんだね!私も一緒に遊びたいけど棒を振り回すのは無理だから…」

 ちょっと悲しそうな顔をするプリシラ。

「じゃあ今度買い物でも行こうか?何か買ってあげるよ!」

「昴くんほんと?嬉しいな!」

「う、うん。プリシラちゃんの好きな所に行こう」

 昴は顔を真っ赤にしながら、プリシラちゃんをデートに誘うのであった。

 昴11才(彼女募集中)の大冒険は始まらず、ラブロマンスが始まったのであった!
しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。 降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。 森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。 その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。 協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜

ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった! 謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。 教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。 勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。 元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。 力を持っていても順応できるかは話が別だった。 クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。 ※ご注意※ 初投稿、試作、マイペース進行となります。 作品名は今後改題する可能性があります。 世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。 旅に出るまで(序章)がすごく長いです。 他サイトでも同作を投稿しています。 更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

流石に異世界でもこのチートはやばくない?

裏おきな
ファンタジー
片桐蓮《かたぎりれん》40歳独身駄目サラリーマンが趣味のリサイクルとレストアの資材集めに解体業者の資材置き場に行ったらまさかの異世界転移してしまった!そこに現れたのが守護神獣になっていた昔飼っていた犬のラクス。 異世界転移で手に入れた無限鍛冶 のチート能力で異世界を生きて行く事になった! この作品は約1年半前に初めて「なろう」で書いた物を加筆修正して上げていきます。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?

夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。 気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。 落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。 彼らはこの世界の神。 キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。 ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。 「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...