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サルバルート王国とアズール家族
第28話 SIDE : ミスカ
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私はミスカ。今は二人の子供と不浄の森で暮らしているの。この森で人が暮らすのはとても厳しいけれど、私は裏切りの炎狼族と呼ばれる種族の為、そして夫は私を助けた為にサルバドール王国に追われる身。だから人が来ないこの不浄の森に定住したの。
そして息子のタルクも私の血を濃く受け継いで、炎狼族の証となるオレンジ色の髪。それは迫害を受ける可能性を秘めていた。そして実際にタルクが四歳の時に初めて行った街で迫害にあったの。そのあと私と夫は子供達を街に連れて行った事を後悔したわ。
それからはこの不浄の森で静かに幸せに暮らしていたの。でも一年ほど前に狩りで夫を亡くし、一ヶ月前に私は狩りで怪我をして動けなくなった。そしてやっと治ったと思ったら病気になってしまったの。それも治る見込みが無い程の重病に。そんな私は神様を恨んだわ。
「私がなにか悪い行いをしたのでしょうか。物語になるくらい遥か昔に炎狼族が起こした事で私の村は襲われ多くの仲間が殺された。
それでも争いする事なく不浄の森という生きて行く事に厳しい場所で静かに暮らしていた。それなのになんで夫は亡くなり私は治る見込みの無い病気になるの?私達の愛する子供達はまだ幼いの。
もしここで私が死んでしまったら子供達はどうなるの!!この場所で二人の子供だけで生きて行くのは不可能なの!!
神様、お願いだから私にもう少しだけ時間をください。せめて二人が私が居なくても生きて行けるようになるまで‥‥‥‥お願い‥‥‥」
いつも明るく笑ってるミーナ。ちょっとだけお茶目なところがあるけれど、とても優しくて心の芯がしっかりした強い子。それは夫ダルタンから受け継いだのね。
とても賢くて優しいタルク。早産だったあなたは小さくてお乳もあまり飲まなかったの。それがこんな立派に大きくなって‥‥‥
「神様知ってる?ミーナとタルクは私と亡くなった夫の大事な大事な宝物なの。その二人を神様はどうするつもりなの?」
私は絶望という波に全てを奪われるのか‥‥‥‥
_______________
これが、ついこの間までの私。
今の私は病気も治り、美味しくて珍しい食べ物を食べる事ができ、外で元気に走り回るミーナとタルクを見守る事も出来るの。これは全て神様のお陰。それなのに私はその神様を恨んでしまったわ。これからは何かあろうと神様を信じて生きていくと誓います。
あなたが送ってくれる物が私達家族を助けてくれた。あなたからの言葉が私達家族を幸せにしてくれる。
あそこを見てください。私の愛する子供達があんなに楽しそうに外を走り回っています。その姿を私はこれからもずっと見ることが出来るのです。
神様、本当にありがとうございます。
そして息子のタルクも私の血を濃く受け継いで、炎狼族の証となるオレンジ色の髪。それは迫害を受ける可能性を秘めていた。そして実際にタルクが四歳の時に初めて行った街で迫害にあったの。そのあと私と夫は子供達を街に連れて行った事を後悔したわ。
それからはこの不浄の森で静かに幸せに暮らしていたの。でも一年ほど前に狩りで夫を亡くし、一ヶ月前に私は狩りで怪我をして動けなくなった。そしてやっと治ったと思ったら病気になってしまったの。それも治る見込みが無い程の重病に。そんな私は神様を恨んだわ。
「私がなにか悪い行いをしたのでしょうか。物語になるくらい遥か昔に炎狼族が起こした事で私の村は襲われ多くの仲間が殺された。
それでも争いする事なく不浄の森という生きて行く事に厳しい場所で静かに暮らしていた。それなのになんで夫は亡くなり私は治る見込みの無い病気になるの?私達の愛する子供達はまだ幼いの。
もしここで私が死んでしまったら子供達はどうなるの!!この場所で二人の子供だけで生きて行くのは不可能なの!!
神様、お願いだから私にもう少しだけ時間をください。せめて二人が私が居なくても生きて行けるようになるまで‥‥‥‥お願い‥‥‥」
いつも明るく笑ってるミーナ。ちょっとだけお茶目なところがあるけれど、とても優しくて心の芯がしっかりした強い子。それは夫ダルタンから受け継いだのね。
とても賢くて優しいタルク。早産だったあなたは小さくてお乳もあまり飲まなかったの。それがこんな立派に大きくなって‥‥‥
「神様知ってる?ミーナとタルクは私と亡くなった夫の大事な大事な宝物なの。その二人を神様はどうするつもりなの?」
私は絶望という波に全てを奪われるのか‥‥‥‥
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これが、ついこの間までの私。
今の私は病気も治り、美味しくて珍しい食べ物を食べる事ができ、外で元気に走り回るミーナとタルクを見守る事も出来るの。これは全て神様のお陰。それなのに私はその神様を恨んでしまったわ。これからは何かあろうと神様を信じて生きていくと誓います。
あなたが送ってくれる物が私達家族を助けてくれた。あなたからの言葉が私達家族を幸せにしてくれる。
あそこを見てください。私の愛する子供達があんなに楽しそうに外を走り回っています。その姿を私はこれからもずっと見ることが出来るのです。
神様、本当にありがとうございます。
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