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十二 アルト
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どうでもよさげに兄は思いつくまま口にした。
「勇者を祀り上げたい」
「男尊女卑が強い」
「勇者が権力者」
「勇者の自尊心が強い」
「勇者が女たらし」
「勇者ががめつい」
どんどん適当な悪口になっていっている気がする。
「そんなことより、なんか…他に隠したいことがあるんじゃないのか」
兄は侍従からひと粒の魔石を渡されそれをじっと観察している。
純度の高い石だ。
「魔石大国の情報は殆ど入ってこない。どの国も条約を結んでいないからだ。それでもいくつかきこえてくる噂はあった。
王太子が交代したこと。
婚約者がいたが解消されたこと。
何故かはわからなかったけれど、もし王太子が勇者に選ばれたことで地位を退けられたのなら、」
「勇者ってのは死ぬ運命にあるのかもしれないね」
「勇者を祀り上げたい」
「男尊女卑が強い」
「勇者が権力者」
「勇者の自尊心が強い」
「勇者が女たらし」
「勇者ががめつい」
どんどん適当な悪口になっていっている気がする。
「そんなことより、なんか…他に隠したいことがあるんじゃないのか」
兄は侍従からひと粒の魔石を渡されそれをじっと観察している。
純度の高い石だ。
「魔石大国の情報は殆ど入ってこない。どの国も条約を結んでいないからだ。それでもいくつかきこえてくる噂はあった。
王太子が交代したこと。
婚約者がいたが解消されたこと。
何故かはわからなかったけれど、もし王太子が勇者に選ばれたことで地位を退けられたのなら、」
「勇者ってのは死ぬ運命にあるのかもしれないね」
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