愛人を娶りたいならどうぞご自由に

産まれてすぐ婚約は結ばれた。

互いの母親が親友で、子同士を結婚させたいと産み落とされる前に結んだ婚約。

兄妹のように共に過ごしたせいで、恋するような感情は湧かなかったけれど、家族愛ならあったつもりだった。
母親の望む政略結婚ではあったけれど、お互いに尊重しあえる夫婦になれると思っていたのはヴィビラーシエだけだったようだ。


好きになった娘が出来た。
だから彼女を第二夫人として迎え入れたいと、婚約者は言い始めた。

たしかに、この国では家を守るため第二夫人までなら婚姻を法的に認められている。
しかし実際、第二夫人を持っているのは彼の父親世代までの事だ。
ここ二十年で状況は変わった。

今は第二夫人を持っている家など全く無い。それは王族も然り。

「そうですか。
ならば、その娘を妻に娶って私との婚約は解消してくださって結構です」

婚約解消、または破棄は傷物だなんて、このご時世でなにをおっしゃっているのやら。




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