8 / 14
八
しおりを挟む
「お嬢様はお戻りではありません。旦那様と奥様もです。…いなくなられたのですか?っすぐに治安局に通報を…!!」
レイアの実家に行った男は、今にも飛び出しそうな家令をを慌てて留めた。
「きっと入れ違いになっただけだ」
家令の声にレイアの屋敷の召使達が奥から不安そうに顔を覗かせる。
青白い顔色の数々にここには戻っていないのだと悟った。
事を大事にしたくはない。
大丈夫だ、と言い残してレイアの実家を後にした。
居ないだろうと思いつつ、男の実家に行ってみれば、出来上がった父がレイアの父と肩を組んで酒を飲みかわしていた。
母達も楽しそうに談笑している。
和気あいあいとしたこの四人に、レイアは何処かなど聞けるわけもない。
「おー?花婿殿ぉどぉしたぁー大事な花嫁を置いてけぼりにしてないだろうなぁーははは」
「そんなことは、してません」
「そうかそうか!後は子か。楽しみだなぁ」
曖昧に笑って彼らから離れた。
家の者に来客はレイラの両親だけだと聞かされた。
どこに行ったのか。
早足で屋敷を離れていく姿を、両親たちは冷めた目で窓から見ていたことなど、その時は気づいていなかった。
レイアの実家に行った男は、今にも飛び出しそうな家令をを慌てて留めた。
「きっと入れ違いになっただけだ」
家令の声にレイアの屋敷の召使達が奥から不安そうに顔を覗かせる。
青白い顔色の数々にここには戻っていないのだと悟った。
事を大事にしたくはない。
大丈夫だ、と言い残してレイアの実家を後にした。
居ないだろうと思いつつ、男の実家に行ってみれば、出来上がった父がレイアの父と肩を組んで酒を飲みかわしていた。
母達も楽しそうに談笑している。
和気あいあいとしたこの四人に、レイアは何処かなど聞けるわけもない。
「おー?花婿殿ぉどぉしたぁー大事な花嫁を置いてけぼりにしてないだろうなぁーははは」
「そんなことは、してません」
「そうかそうか!後は子か。楽しみだなぁ」
曖昧に笑って彼らから離れた。
家の者に来客はレイラの両親だけだと聞かされた。
どこに行ったのか。
早足で屋敷を離れていく姿を、両親たちは冷めた目で窓から見ていたことなど、その時は気づいていなかった。
134
お気に入りに追加
806
あなたにおすすめの小説
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
【本編完結】独りよがりの初恋でした
須木 水夏
恋愛
好きだった人。ずっと好きだった人。その人のそばに居たくて、そばに居るために頑張ってた。
それが全く意味の無いことだなんて、知らなかったから。
アンティーヌは図書館の本棚の影で聞いてしまう。大好きな人が他の人に囁く愛の言葉を。
#ほろ苦い初恋
#それぞれにハッピーエンド
特にざまぁなどはありません。
小さく淡い恋の、始まりと終わりを描きました。完結いたします。
【完結】不倫をしていると勘違いして離婚を要求されたので従いました〜慰謝料をアテにして生活しようとしているようですが、慰謝料請求しますよ〜
よどら文鳥
恋愛
※当作品は全話執筆済み&予約投稿完了しています。
夫婦円満でもない生活が続いていた中、旦那のレントがいきなり離婚しろと告げてきた。
不倫行為が原因だと言ってくるが、私(シャーリー)には覚えもない。
どうやら騎士団長との会話で勘違いをしているようだ。
だが、不倫を理由に多額の金が目当てなようだし、私のことは全く愛してくれていないようなので、離婚はしてもいいと思っていた。
離婚だけして慰謝料はなしという方向に持って行こうかと思ったが、レントは金にうるさく慰謝料を請求しようとしてきている。
当然、慰謝料を払うつもりはない。
あまりにもうるさいので、むしろ、今までの暴言に関して慰謝料請求してしまいますよ?
好きだと言ってくれたのに私は可愛くないんだそうです【完結】
須木 水夏
恋愛
大好きな幼なじみ兼婚約者の伯爵令息、ロミオは、メアリーナではない人と恋をする。
メアリーナの初恋は、叶うこと無く終わってしまった。傷ついたメアリーナはロメオとの婚約を解消し距離を置くが、彼の事で心に傷を負い忘れられずにいた。どうにかして彼を忘れる為にメアが頼ったのは、友人達に誘われた夜会。最初は遊びでも良いのじゃないの、と焚き付けられて。
(そうね、新しい恋を見つけましょう。その方が手っ取り早いわ。)
※ご都合主義です。変な法律出てきます。ふわっとしてます。
※ヒーローは変わってます。
※主人公は無意識でざまぁする系です。
※誤字脱字すみません。
婚約者の心変わり? 〜愛する人ができて幸せになれると思っていました〜
冬野月子
恋愛
侯爵令嬢ルイーズは、婚約者であるジュノー大公国の太子アレクサンドが最近とある子爵令嬢と親しくしていることに悩んでいた。
そんなある時、ルイーズの乗った馬車が襲われてしまう。
死を覚悟した前に現れたのは婚約者とよく似た男で、彼に拐われたルイーズは……
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
〖完結〗愛しているから、あなたを愛していないフリをします。
藍川みいな
恋愛
ずっと大好きだった幼なじみの侯爵令息、ウォルシュ様。そんなウォルシュ様から、結婚をして欲しいと言われました。
但し、条件付きで。
「子を産めれば誰でもよかったのだが、やっぱり俺の事を分かってくれている君に頼みたい。愛のない結婚をしてくれ。」
彼は、私の気持ちを知りません。もしも、私が彼を愛している事を知られてしまったら捨てられてしまう。
だから、私は全力であなたを愛していないフリをします。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全7話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる