気付いたら異世界でしたってそんな漫画みたいな（1話から修正中）

嵐の予感

魔族との攻防11

門は、俺には地獄の門ヘルズ・ゲートに見えて来る。
その扉が、ギィっと音を出しながら、開いていく。
一陣の風が舞う。
ドキドキ
鼓動が大きくなっていく。震えが止まらない。
扉からは何故か、白い煙みたいなのが立ち上がり、そこから人影が現れた。
てか、なんか冷蔵庫の中の様な冷気が流れてきた。

（さっむ！）

震えている原因はこれか！寒さからだった。
鳥魔人は、体毛が羽で覆われていて暖かそうだ。

（鳥さんに包まれたい‥。）

視線に気付かれて不快な顔をされた。

「‥。」

もくもくな煙スモークが消えてきたら、一人の青年が立っていた。

「魔王様」

鳥魔人が恭しく首を垂れた後、そしてご主人様大好きなペットの様に、青年を眩しそうに見つめる。

「はっ！？えっ？？！」

鳥魔人は、青年に魔王と言った。
青年はどう見ても人間に見えた。頭部の角を見るまでは‥。

「ツノ生えてる‥。」

思わず凝視してしまう。
青年魔王と目が合う。と、同時に魔王がコッチに向かってきた。

「？！」

カツコツ‥。目の前まで来て立ち止まった。
観察されている。

「お前が他世界から来た転移者か？」

転移者、異世界の住人から他世界とか言われるとは思わなかった。てか、魔王も俺の事知ってるんだよな。俺、答えたらどうなるのだろう。思わず身構えてしまう。

「答えろ。」

威圧的に見て来る。応えない訳にはいかないか‥。俺は意を決した。

「ああ。そうだ。」

そう応えて身構える。だってやっぱり怖い。
魔王からの威圧感で俺の身体が勝手に震え出す。
震え止まんない。落ち着かせようと深呼吸をするが、ガタガタと震えが治らない。
そのうちにいつの間にか、魔王が俺に手を伸ばしてきた。

「っ、！」

肩に手を置かれている俺の状況は何だろうか。