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気になるあいつ
気になるあいつ。でも嫌い8
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睨み合いが続く。
ふっ。と、拓人が目を逸らした。
「わかったよ。今日の所は布団で寝るよ。」
内心本当に焦った。このままなし崩しにされるんじゃ無いかと。その位に拓人の瞳が真剣で、どろどろに思考を飛ばされそうになる。
これがΩの性…。きっとαに求められれば誰でも良いのかもしれない。
ようやく落ち着きを戻し、お互いの寝る所に収まっても落ち着かない。
「あおい。」
「‥何?」
布団に入って、そんなに時間も経っていないし、お互い意識して眠れないのもあるから、拓人が俺を呼んでも無視するわけにもいかない。
「ふふっ。俺達さ。出会った頃よりは仲良くなったよね。」
懐かしそうに目を細めながら俺を見つめる。
「ん。そうだな。」
あの時の拓人は、運命の番だ、なんだのと今よりも攻めて来ていて怖かったな。
少しずつ距離を、俺との接し方を変えて来てくれた。少しずつ、拓人が俺の中に大きく存在していき、今では友人ポジションだ。きっと、拓人にとっては足りないにしても俺はこの距離が凄く心地良い。
「あおい、好きだよ。」
不意に聞こえた告白。それはいつも聞くものと少し違う気がして、でも答えられる気がしない。
「俺は‥。」
少し震えて戸惑う声になってしまった。
「答えは無理しないで良いよ。俺が言いたかっただけだから。おやすみ。」
そう言って拓人は、身体ごと反対に向いて本格的に寝に入った。
「ごめん‥。おやすみ。」
少ししてから俺も意識を手離し、いつの間にか眠っていた。
一人で寝るよりも何故かよく寝れているような気がする。
夢を見た気もするし、何も見なかった気もする。
そうして夜は更けていった。
ふっ。と、拓人が目を逸らした。
「わかったよ。今日の所は布団で寝るよ。」
内心本当に焦った。このままなし崩しにされるんじゃ無いかと。その位に拓人の瞳が真剣で、どろどろに思考を飛ばされそうになる。
これがΩの性…。きっとαに求められれば誰でも良いのかもしれない。
ようやく落ち着きを戻し、お互いの寝る所に収まっても落ち着かない。
「あおい。」
「‥何?」
布団に入って、そんなに時間も経っていないし、お互い意識して眠れないのもあるから、拓人が俺を呼んでも無視するわけにもいかない。
「ふふっ。俺達さ。出会った頃よりは仲良くなったよね。」
懐かしそうに目を細めながら俺を見つめる。
「ん。そうだな。」
あの時の拓人は、運命の番だ、なんだのと今よりも攻めて来ていて怖かったな。
少しずつ距離を、俺との接し方を変えて来てくれた。少しずつ、拓人が俺の中に大きく存在していき、今では友人ポジションだ。きっと、拓人にとっては足りないにしても俺はこの距離が凄く心地良い。
「あおい、好きだよ。」
不意に聞こえた告白。それはいつも聞くものと少し違う気がして、でも答えられる気がしない。
「俺は‥。」
少し震えて戸惑う声になってしまった。
「答えは無理しないで良いよ。俺が言いたかっただけだから。おやすみ。」
そう言って拓人は、身体ごと反対に向いて本格的に寝に入った。
「ごめん‥。おやすみ。」
少ししてから俺も意識を手離し、いつの間にか眠っていた。
一人で寝るよりも何故かよく寝れているような気がする。
夢を見た気もするし、何も見なかった気もする。
そうして夜は更けていった。
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