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2.魔法学院2年生
(32).ノアと国王陛下
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その頃、ノアはノアスフォード領と王都を行き来していた。父ハロルドに定期報告に来ていたのだが、そのまま国王陛下のもとに届けて欲しいと書類を託された。
(俺、伝書フクロウじゃないんだけど…)
と、不満に思いながらも、きっとこの書類はソフィア関連のものだろう急ぎとのことなので仕方ない。
普段はハロルドが転移して渡すのだが、領内の問題も解決しておらず疲労困憊な中、魔力を使わせるのは気が引けた。ノアも自分1人なら転移が使えるのでおつかいとしてはお安いご用だ。
王宮の窓から覗いて陛下を見つけ、部屋に入らせてもらうと、預かった書類を渡す。内容を確認していた陛下はひと言
「なるほど。」
と、つぶやいた。
「君が、番人ノア。ソフィア嬢の師匠であり、友人とな。どうだ、わしとお茶でもせんか?」
ニコニコと笑って誘ってくる裏には何があるのだろうか…フワッと飛び立つ間にいつもの青年姿へと変身する。
「お茶の相手が出来るほどお喋りな方ではないんだが?」
そう言いながらソファーに座ると、陛下はメイドを呼びお茶を入れさせた。
向かい合ってお茶をすすりあう2人。
陛下の方が先に話し出した。
「君はハロルドにも信頼されておるのだなあ。まさかヤツがあんなに父親らしくなるなんて思ってもみなかった。クロエがいなくなってどうなることかと思っていたが、ソフィア嬢は真っ直ぐで良い娘だ。」
懐かしむような表情で語り出した陛下に驚いたが、ソフィーが褒められたことは素直に嬉しい。
「母親がいなくても大丈夫なんだと、アルフレッドが努力していた。ハロルドはそれに感化されたんだろうな。」
「君が支えになっていたのだろう?ソフィア嬢が1人にならないよう、常に側にいたのだと聞いている。」
「友人として契約したからな。ソフィーの相棒は俺だ。まぁ、今となっちゃ周りがいっぱい過ぎて賑やかだけどなぁ。」
「精霊王が味方のご令嬢なんてそうそう居ないよ?無敵過ぎる。」
友人同士で話しているような感覚。
国王陛下相手にこれで良いのだろうか…ふと、真面目な顔つきで聞いてくる。
「君から見て、私の息子たちはソフィア嬢の相手としては不足かなあ?」
つぶやくようにボソっと言う様子を見てノアは、ああ、親として心配なんだな、国王も1人の人間、親なんだよな、と納得してしまった。
「選ぶのはソフィーだからな…2人とも魔力は高いし、王子としてしっかりしてると思うぞ?でも、ま、相手はソフィーだからな。」
ニヤリと笑うノアの表情は、完全にイタズラ顔である。
「自分のことになると、ポンコツと言うか鈍感というか…相当頑張ってアピールしないと気付かずスルーしそうなタイプだから。」
「⁈ははっ。ポンコツとな。しっかりしてそうに見えて、抜けてるのか。息子たちがどう攻略するのか、こりゃ楽しみだ。」
ほがらかに笑い合う2人はハロルドの意図に気づいていた。
ソフィアと関わっていくにはノアや精霊王たち周りから攻めていくのが手っ取り早い。親として王子たちを心配する陛下にソフィアを心配するハロルドやノア。仲良くなって得はあれど損はない。有事の際にはこの繋がりが活きてくるハズだ。
計算高いハロルドの事だ。書類の中にはノアと話をするようアドバイスでも入れていたのだろう。
(実際【コンダルク】の中ではいつも陛下と関わりがあったしな。気さくで人情強いこの男が、自分は存外気に入っているんだろう。)
このお茶の時間も好きなんだよな、と、そう感じていた。
(俺、伝書フクロウじゃないんだけど…)
と、不満に思いながらも、きっとこの書類はソフィア関連のものだろう急ぎとのことなので仕方ない。
普段はハロルドが転移して渡すのだが、領内の問題も解決しておらず疲労困憊な中、魔力を使わせるのは気が引けた。ノアも自分1人なら転移が使えるのでおつかいとしてはお安いご用だ。
王宮の窓から覗いて陛下を見つけ、部屋に入らせてもらうと、預かった書類を渡す。内容を確認していた陛下はひと言
「なるほど。」
と、つぶやいた。
「君が、番人ノア。ソフィア嬢の師匠であり、友人とな。どうだ、わしとお茶でもせんか?」
ニコニコと笑って誘ってくる裏には何があるのだろうか…フワッと飛び立つ間にいつもの青年姿へと変身する。
「お茶の相手が出来るほどお喋りな方ではないんだが?」
そう言いながらソファーに座ると、陛下はメイドを呼びお茶を入れさせた。
向かい合ってお茶をすすりあう2人。
陛下の方が先に話し出した。
「君はハロルドにも信頼されておるのだなあ。まさかヤツがあんなに父親らしくなるなんて思ってもみなかった。クロエがいなくなってどうなることかと思っていたが、ソフィア嬢は真っ直ぐで良い娘だ。」
懐かしむような表情で語り出した陛下に驚いたが、ソフィーが褒められたことは素直に嬉しい。
「母親がいなくても大丈夫なんだと、アルフレッドが努力していた。ハロルドはそれに感化されたんだろうな。」
「君が支えになっていたのだろう?ソフィア嬢が1人にならないよう、常に側にいたのだと聞いている。」
「友人として契約したからな。ソフィーの相棒は俺だ。まぁ、今となっちゃ周りがいっぱい過ぎて賑やかだけどなぁ。」
「精霊王が味方のご令嬢なんてそうそう居ないよ?無敵過ぎる。」
友人同士で話しているような感覚。
国王陛下相手にこれで良いのだろうか…ふと、真面目な顔つきで聞いてくる。
「君から見て、私の息子たちはソフィア嬢の相手としては不足かなあ?」
つぶやくようにボソっと言う様子を見てノアは、ああ、親として心配なんだな、国王も1人の人間、親なんだよな、と納得してしまった。
「選ぶのはソフィーだからな…2人とも魔力は高いし、王子としてしっかりしてると思うぞ?でも、ま、相手はソフィーだからな。」
ニヤリと笑うノアの表情は、完全にイタズラ顔である。
「自分のことになると、ポンコツと言うか鈍感というか…相当頑張ってアピールしないと気付かずスルーしそうなタイプだから。」
「⁈ははっ。ポンコツとな。しっかりしてそうに見えて、抜けてるのか。息子たちがどう攻略するのか、こりゃ楽しみだ。」
ほがらかに笑い合う2人はハロルドの意図に気づいていた。
ソフィアと関わっていくにはノアや精霊王たち周りから攻めていくのが手っ取り早い。親として王子たちを心配する陛下にソフィアを心配するハロルドやノア。仲良くなって得はあれど損はない。有事の際にはこの繋がりが活きてくるハズだ。
計算高いハロルドの事だ。書類の中にはノアと話をするようアドバイスでも入れていたのだろう。
(実際【コンダルク】の中ではいつも陛下と関わりがあったしな。気さくで人情強いこの男が、自分は存外気に入っているんだろう。)
このお茶の時間も好きなんだよな、と、そう感じていた。
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