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023 レベル上げの成果
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「はあああああああ! 《クラッシュ》ッ!」
「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」
耳をつんざくような悲鳴を上げて、絶命したハーピーは地面へ落ちる前に光の粒子と化した。
経験値とともに【ハーピーの羽根】を入手する。同じものは二十個目で、換金するだけのなんの素材にもならないアイテムだ。自動的にアイテムストレージに収納される。
背後からパチパチパチと手を叩く音が聞こえた。
「<ハリザラ山>のモンスターじゃ、もうタイガくんの相手にならないわねっ」
俺は剣を収めながら、声の主――ヒナに振り返る。
「ああ。この短期間でここまでレベルを上げられたのもヒナとシマンのおかげだよ」
俺が始めて<ハリザラ山>に足を踏み入れてから、早いもので現実時間で一週間、<DO>内時間ではほぼ一ヶ月が過ぎていた。
ハーピーを《クラッシュ》二回で倒せる俺のレベルはすでに29だ。一度の《クラッシュ》でハーピー相手に900以上のダメージを出せる。
メインジョブの【戦士】ももうすぐレベル30になる。そうなればクラス2ジョブだって取得できる。
クラス2ジョブの【重戦士】になればスキル《ヘビィクラッシュ》を習得できる。これは《クラッシュ》の上位互換で攻撃力補正が+500も付く。単純計算だが、ハーピーに1,400ものダメージを与えることが可能だ。
モンスターから入手した素材もアイテムストレージを圧迫してきたし、一度<パームの町>まで戻って整理を兼ねて換金するのもいいだろう。
攻略サイトには<ハリザラ山>の山賊について、新たな追記はなかった。やはり序盤のハオリオ地方に起こった取るに足らない出来事だと思われているのだろう。
「掲示板にはそれらしい話題が出ていたわ。でもそんなに重要視されていないみたい」
「ああ、俺も見たよ」
俺のように最近<DO>を始めたプレイヤーにとっては迷惑この上ないこの山賊騒ぎだが、そういう初心者のために高レベルのプレイヤーが護衛するという動きも出始めている。
最初は善意でサポートしていたようだが、これは金になると考えた一部のプレイヤーは、お金やアイテムを報酬として要求することで護衛を引き受けるという新しい商売を始めていた。
「ヒナ、俺のわがままに付き合わせてしまって本当にごめん」
「え? 急にどうしたの?」
俺の言葉が意外だったのか、ヒナは目を白黒させていた。
「先へ進もうと思えば他のプレイヤーみたいに護衛を雇えばいいだけなのに、俺が山賊を倒すことにこだわってレベル上げにも付き合ってもらっているし……」
「なんだ、そんなこと気にしていたの?」
「だって、ヒナは一刻も早くお兄さんの手がかりとなる<ウルカタイの迷宮>に向かいたいはずなのに……。俺を置いて先へ進むことだってできたはずじゃないか」
「ねぇ、タイガくんは私と一緒に<ウルカタイの迷宮>に行くって言ってくれたわよね?」
「……うん」
「<ハリザラ山>を他の人に手伝ってもらって越えたとしても、この先のコンリス地方できっとつまずくと思うの。タイガくんもそれがわかっているから、ここでレベル上げしてるんでしょ? だったら、私はタイガくんを待つわ。そして一緒に<ハリザラ山>を越えましょ、ね?」
「ヒナ……うん、そうだな。一緒に山を越えよう!」
「ええ!」
ヒナはこう言ってくれるが、だからといって甘えるわけにはいかない。俺は一日でも早くレベルを上げて先へ進もうという決意を新たにした。
それにしてもこの一週間。一度も山賊に遭遇していない。休憩地点にいる人たちに話を訊くと、出没頻度は減ったがまだ目撃情報はあるらしい。
俺とは単にログインしている時間帯が合わないからなのか? 俺がログインしている時間は、平日は学校があるので午後七時から九時はヒナと、一時間休憩して午後十時から深夜零時まではシマンとプレイするという具合だ。土日は午前九時から午後九時まで、途中に休憩を挟みながら、ヒナかシマンの時間が合うほうとプレイする。
山賊がそれ以外の時間にログインしているとすると平日の日中か……もしくは深夜から早朝にかけてだろう。学生には厳しい時間帯なので、社会人かフリーターか……という山賊のリアルまで想像してみる。
「あ、今のでまたレベル上がった」
「ホント!? レベル30じゃない! やったわね!」
ヒナが軽く跳び上がって自分のことのように喜んでくれるので、俺は照れ隠しで平静を装いながらメニュー画面を操作する。
「ほら、今こんな感じ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
タイガ
人間
レベル:30
職業: 戦士
職業レベル:70
HP(生命力):2,838
MP(魔力):319
SP(技力):135
STR(筋力):225
VIT(体力):94
INT(知力):71
MND(精神力):30
DEX(器用度):90
AGI(敏捷度):60
LUK(幸運度):91
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あと1レベル上がればHPも3,000を越えそうね」
ヒナが俺のステータスを覗きながら計算してくれる。
「って言っても、まだヒナのHPの半分にも見たないんだよな。それにHP3,000ぐらいじゃまだ不安だよ。山賊の攻撃で即死しないか気が気でないし……」
「それなら一度<パームの町>に戻って装備を一新しない? 【戦士】のジョブもカンストしたみたいだし、教会で転職しましょ」
【戦士】はレベル30、【騎士】と【薬師】はレベル20で、全部合わせると70になっていた。
「そうだな。でもこの一週間はクエストをしていないから、お金がないんだよな。アイテムストレージに入っているアイテムを売っても、大した額にはならないだろうし」
「そっかぁ……、レベル上げに専念していたものね。だからって私がお金を貸すと言っても断るでしょ?」
「そりゃな。レベル上げに付き合ってもらってるだけでも感謝してるんだ。その上、お金まで借りるなんてできないよ。それに人のお金で買った装備ってなんだかな……」
やっぱり装備は自分のお金で買いたい。だから、一週間前シマンが山賊を倒したときに武器を拾うこともしなかった。シマンも俺と同じことを考えていたようで、あえて拾うことを提案しなかったらしい。
ちなみにあの山賊の装備していた武器は【菫の剣】というドロップ品だったそうだ。
死体となった山賊の蘇生時間である四分間は、装備品はその場に残り誰でも拾うことは可能だ。だが死体の消失とともに、装備品もなくなる。プレイヤーは町にリスポーンするが、手放した装備品は永久に戻らない。
そのためパーティーや仲間内で誰かが死亡した際は代わりに拾ってやり、リスポーン後に手渡してやるという手段があるという。
俺たちはひとまず<ハリザラ山>を下りて、<パームの町>まで戻った。
教会で新しいジョブを取得したあと、店を回ってアイテムストレージの肥やしとなっている不要な素材をまとめて売り払った。しめて1,800G。【ポーション】三つ買って少しお釣りがくる金額だ。当然、武器や防具を買うには全然足りない。
どうしたものかとヒナと並んで歩きながら考えていると、
「考えていたんだけれど、だったらお金をかけずに武器を調達しましょ」
不意に腕を掴まれた。
俺は驚いてヒナのほうに顔を向けた。
「え、そんな方法があるのか? まさか、盗むとかじゃないよな?」
「もぅ! なんでそうなるのよ」
さっき教会でみたジョブに【盗賊】というのがあって、《盗む》スキルがあったのだ。それを思い出していた。
「じゃあ、どんなことをするんだ?」
「ふふっ、ドロップアイテムよ。モンスターを倒して非売品の武器を狙うのよ」
「あ!」
そういや前に言ってたな……ヒナの【精霊の剣】はドロップ品だと。
こうして俺はヒナと一緒に、特定のモンスターが低確率でドロップする装備品を求めて場所を移動するのだった。
「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」
耳をつんざくような悲鳴を上げて、絶命したハーピーは地面へ落ちる前に光の粒子と化した。
経験値とともに【ハーピーの羽根】を入手する。同じものは二十個目で、換金するだけのなんの素材にもならないアイテムだ。自動的にアイテムストレージに収納される。
背後からパチパチパチと手を叩く音が聞こえた。
「<ハリザラ山>のモンスターじゃ、もうタイガくんの相手にならないわねっ」
俺は剣を収めながら、声の主――ヒナに振り返る。
「ああ。この短期間でここまでレベルを上げられたのもヒナとシマンのおかげだよ」
俺が始めて<ハリザラ山>に足を踏み入れてから、早いもので現実時間で一週間、<DO>内時間ではほぼ一ヶ月が過ぎていた。
ハーピーを《クラッシュ》二回で倒せる俺のレベルはすでに29だ。一度の《クラッシュ》でハーピー相手に900以上のダメージを出せる。
メインジョブの【戦士】ももうすぐレベル30になる。そうなればクラス2ジョブだって取得できる。
クラス2ジョブの【重戦士】になればスキル《ヘビィクラッシュ》を習得できる。これは《クラッシュ》の上位互換で攻撃力補正が+500も付く。単純計算だが、ハーピーに1,400ものダメージを与えることが可能だ。
モンスターから入手した素材もアイテムストレージを圧迫してきたし、一度<パームの町>まで戻って整理を兼ねて換金するのもいいだろう。
攻略サイトには<ハリザラ山>の山賊について、新たな追記はなかった。やはり序盤のハオリオ地方に起こった取るに足らない出来事だと思われているのだろう。
「掲示板にはそれらしい話題が出ていたわ。でもそんなに重要視されていないみたい」
「ああ、俺も見たよ」
俺のように最近<DO>を始めたプレイヤーにとっては迷惑この上ないこの山賊騒ぎだが、そういう初心者のために高レベルのプレイヤーが護衛するという動きも出始めている。
最初は善意でサポートしていたようだが、これは金になると考えた一部のプレイヤーは、お金やアイテムを報酬として要求することで護衛を引き受けるという新しい商売を始めていた。
「ヒナ、俺のわがままに付き合わせてしまって本当にごめん」
「え? 急にどうしたの?」
俺の言葉が意外だったのか、ヒナは目を白黒させていた。
「先へ進もうと思えば他のプレイヤーみたいに護衛を雇えばいいだけなのに、俺が山賊を倒すことにこだわってレベル上げにも付き合ってもらっているし……」
「なんだ、そんなこと気にしていたの?」
「だって、ヒナは一刻も早くお兄さんの手がかりとなる<ウルカタイの迷宮>に向かいたいはずなのに……。俺を置いて先へ進むことだってできたはずじゃないか」
「ねぇ、タイガくんは私と一緒に<ウルカタイの迷宮>に行くって言ってくれたわよね?」
「……うん」
「<ハリザラ山>を他の人に手伝ってもらって越えたとしても、この先のコンリス地方できっとつまずくと思うの。タイガくんもそれがわかっているから、ここでレベル上げしてるんでしょ? だったら、私はタイガくんを待つわ。そして一緒に<ハリザラ山>を越えましょ、ね?」
「ヒナ……うん、そうだな。一緒に山を越えよう!」
「ええ!」
ヒナはこう言ってくれるが、だからといって甘えるわけにはいかない。俺は一日でも早くレベルを上げて先へ進もうという決意を新たにした。
それにしてもこの一週間。一度も山賊に遭遇していない。休憩地点にいる人たちに話を訊くと、出没頻度は減ったがまだ目撃情報はあるらしい。
俺とは単にログインしている時間帯が合わないからなのか? 俺がログインしている時間は、平日は学校があるので午後七時から九時はヒナと、一時間休憩して午後十時から深夜零時まではシマンとプレイするという具合だ。土日は午前九時から午後九時まで、途中に休憩を挟みながら、ヒナかシマンの時間が合うほうとプレイする。
山賊がそれ以外の時間にログインしているとすると平日の日中か……もしくは深夜から早朝にかけてだろう。学生には厳しい時間帯なので、社会人かフリーターか……という山賊のリアルまで想像してみる。
「あ、今のでまたレベル上がった」
「ホント!? レベル30じゃない! やったわね!」
ヒナが軽く跳び上がって自分のことのように喜んでくれるので、俺は照れ隠しで平静を装いながらメニュー画面を操作する。
「ほら、今こんな感じ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
タイガ
人間
レベル:30
職業: 戦士
職業レベル:70
HP(生命力):2,838
MP(魔力):319
SP(技力):135
STR(筋力):225
VIT(体力):94
INT(知力):71
MND(精神力):30
DEX(器用度):90
AGI(敏捷度):60
LUK(幸運度):91
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あと1レベル上がればHPも3,000を越えそうね」
ヒナが俺のステータスを覗きながら計算してくれる。
「って言っても、まだヒナのHPの半分にも見たないんだよな。それにHP3,000ぐらいじゃまだ不安だよ。山賊の攻撃で即死しないか気が気でないし……」
「それなら一度<パームの町>に戻って装備を一新しない? 【戦士】のジョブもカンストしたみたいだし、教会で転職しましょ」
【戦士】はレベル30、【騎士】と【薬師】はレベル20で、全部合わせると70になっていた。
「そうだな。でもこの一週間はクエストをしていないから、お金がないんだよな。アイテムストレージに入っているアイテムを売っても、大した額にはならないだろうし」
「そっかぁ……、レベル上げに専念していたものね。だからって私がお金を貸すと言っても断るでしょ?」
「そりゃな。レベル上げに付き合ってもらってるだけでも感謝してるんだ。その上、お金まで借りるなんてできないよ。それに人のお金で買った装備ってなんだかな……」
やっぱり装備は自分のお金で買いたい。だから、一週間前シマンが山賊を倒したときに武器を拾うこともしなかった。シマンも俺と同じことを考えていたようで、あえて拾うことを提案しなかったらしい。
ちなみにあの山賊の装備していた武器は【菫の剣】というドロップ品だったそうだ。
死体となった山賊の蘇生時間である四分間は、装備品はその場に残り誰でも拾うことは可能だ。だが死体の消失とともに、装備品もなくなる。プレイヤーは町にリスポーンするが、手放した装備品は永久に戻らない。
そのためパーティーや仲間内で誰かが死亡した際は代わりに拾ってやり、リスポーン後に手渡してやるという手段があるという。
俺たちはひとまず<ハリザラ山>を下りて、<パームの町>まで戻った。
教会で新しいジョブを取得したあと、店を回ってアイテムストレージの肥やしとなっている不要な素材をまとめて売り払った。しめて1,800G。【ポーション】三つ買って少しお釣りがくる金額だ。当然、武器や防具を買うには全然足りない。
どうしたものかとヒナと並んで歩きながら考えていると、
「考えていたんだけれど、だったらお金をかけずに武器を調達しましょ」
不意に腕を掴まれた。
俺は驚いてヒナのほうに顔を向けた。
「え、そんな方法があるのか? まさか、盗むとかじゃないよな?」
「もぅ! なんでそうなるのよ」
さっき教会でみたジョブに【盗賊】というのがあって、《盗む》スキルがあったのだ。それを思い出していた。
「じゃあ、どんなことをするんだ?」
「ふふっ、ドロップアイテムよ。モンスターを倒して非売品の武器を狙うのよ」
「あ!」
そういや前に言ってたな……ヒナの【精霊の剣】はドロップ品だと。
こうして俺はヒナと一緒に、特定のモンスターが低確率でドロップする装備品を求めて場所を移動するのだった。
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