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第1章 「俺の【四大元素】編」(俺が中一で妹が小三編)
第31話 先輩は俺の好みに応えてくれる
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瀬戸は身体を抱えてその場にへたり込んでいた。肩が小刻みに震えている。
「おい! 道を開けてくれ!」
陸上部の顧問が、数人の男子陸上部員に怪我をした女子を保健室に連れて行くように指示した。
しばらくすると騒ぎは収まり、他の部員たちはそれぞれ練習を再開しようとする。しかし、そこかしこから俺たちのほうを見て「何で小学生が!?」「櫛木の妹だって」「可愛いいじゃん」などと聞こえてくる。
「隼人くん、陸上部の練習が終わるまで待ちましょ。彼女と話がしたいの」
「そうですね」
俺たちは椎名先輩の提案通りに陸上部の練習が終わるまで待つことにして、一旦校門付近まで移動した。
先輩は蘭子さんに電話をかけている。
現在の状況を報告しているようだ。
午後十六時。サッカー部以外の部活動は終了し、部員たちは校庭から去って行く。
部員たちが向かうのは部室棟と呼ばれる、校庭のはじにある体育会系の部室が集まっている場所だ。
陸上部が着替えのため部室に引き上げたのを確認して、俺たちは校門を離れて部室棟に向かう。
廊下にはやはり人影はなく、俺たちの靴音が地面を擦り鳴らす鳴らす音だけが聞こえている。
「先輩、瀬戸と何を話すんです?」
「相手の出方によるわ。熊田先生の件もあるし」
「そうですね。さっきの電話はもしかして?」
「ええ、蘭子さんに状況報告して応援の依頼を頼んだわ。星川さんが来てくれるそうよ」
ここで星川さんか。どんな人か気になるな。まあ、ここへ来てくれるそうだから、少し楽しみだ。
椎名先輩が俺の顔を覗いて、少しムッとした風に口を膨らませる。
「先に忠告しておくけれど、鼻の下を伸ばさないでね」
「はい?」
「にゃははは。カナちゃんはムチムチ女子高生」
「ムチムチっ!?」
マイちゃんが言うカナちゃんとは星川さんのことだろう。
そうか女子高生なのか……ムチムチなのか……おおいに楽しみだ。
だけど椎名先輩の視線が痛くて、妄想が捗らないな。
俺たちは校庭を横切って、部室棟まで来た。
すると、急に菜月が俺の手を握ってきた。
何やらもじもじしているが……。
「ん? どうした、菜月?」
「お兄ちゃん……。トイレ行きたくなっちゃった」
おぅ。そこまで気が回らなかった。ごめんよ菜月。
俺がどうしようか迷っていると、マイちゃんが菜月の腕を取った。
「私トイレの場所知ってるよー。なっちゃん一緒に行こー」
「う、うん」
「マイ本当にわかってるの?」
「うん。さっき校舎の中に入った時に見たもん」
「そう。わかったわ。終わったら寄り道しないで、戻ってくるのよ?」
「むふー」
マイちゃんは菜月の手を取って、校舎に向かって走っていった。
俺たちは途中で帰宅する野球部の集団とすれ違った。
特に声もかけられることもなく通り過ぎるて、陸上部の女子部室前まで来た。
今中にいるのは瀬戸だけだろう。他の女子部員は保健室から出てきていないはずだ。
椎名先輩がノックしようとした時、立てつけの悪い軋んだ音がしてドアが開いた。出てきたのは瀬戸だ。
「……何か用?」
瀬戸は不愛想に言った。
「瀬戸さんだよね? ちょっと話があるんだけどいいかな?」
「二年生? あたしは話なんてないので」
瀬戸は椎名先輩が上級生だと知っているようだ。
俺が言うのも何だが、これだけの美少女なら全校生徒誰でも知ってるよな。
そうして瀬戸は先輩の横を通り過ぎてから俺に気づく。
「よぉ。ちょっとだけでいいんだ。話を聞いてくれないか?」
俺は片手を上げて、瀬戸の進行方向に割って入った。瀬戸が露骨に嫌そうな顔をした。
なんて嫌な顔をするんだ。クラスの中でも嫌われてはいないと思っていたが……。もちろん、親しくもない。たまに挨拶する程度だ。
だけど、ちょっと寂しい。
「櫛木くん? なんで……あなた帰宅部でしょ?」
「そうなんだけど。これもバイトの一環でさ」
俺は肩をすくめて言った。
「はあ? 意味がわからないんだけど。私急いでるから帰るね」
瀬戸はさらに不機嫌になって、俺を避けて帰ろうとした。
どうするんですか先輩! これ以上は引き止められませんよー、と目で合図を送ると、椎名先輩は意図に気がついたのか無言で大きく頷いた。
「瀬戸さん、話があるの。さっきの女子部員の怪我のことだよ」
瀬戸の足が止まった。
肩を震わせているように見える。
「な、何? 私何も知らないから……」
ったく、わかりやすいぜ瀬戸。明らかに動揺してるな。
「瀬戸さん、お願い。話を聞いて」
椎名先輩が瀬戸に駆け寄った。
「うるさいっ! 私は何も知らないったら!」
しゅっ、空気を凪ぐような音。その瞬間突風が吹いた。
俺は目を瞑ってしまった。
「――――つっ!」
再び目を開くと、椎名先輩が左手で右腕を押さえている。その表情は片目を瞑り、痛みに耐えているように見える。
「先輩! 大丈夫ですか!?」
俺は椎名先輩に近づいた。
「大丈夫だよ。少し切れただけだから」
椎名先輩の右腕に五センチほどの切り傷ができていた。さっきの女子陸上部員と同じだ。
「血が出てるじゃないですか!? 大丈夫じゃないでしょう!」
「ううん、大丈夫だよ。それより瀬戸さんが……」
瀬戸を見ると悲壮な面持ちで後ずさりしている。
「ち、違う! 違うの! 私じゃない! 私じゃ……!」
完全に混乱しているようだ。
瀬戸を落ち着かせようと、俺は冷静に語気を荒げずに話しかける。
「瀬戸。俺たちはおまえに危害を加えに来たんじゃない。これはただの突風だ。おまえのせいなんかじゃない」
「そうよ瀬戸さん。わたしは平気だから、ね?」
しかし、それは逆効果だった。
「ああああああああああああああああああっ!!」
瀬戸は天を仰いで叫んだ。
俺の頬を撫でるように生暖かい一陣の風が吹き抜けた。その風は俺の背後で周囲の風と合わさって、次第に大きくなっていく。
俺たちがいる、この直径五メートルにも満たない範囲だけが、周りと違う風の流れをしている。それはまるで台風の暴風域に入ったかのように荒々しさを増していった。
俺は両腕で顔を覆い【四大元素】で風を軽減しながら、その隙間から瀬戸の様子を窺う。
椎名先輩も同様の防御姿勢を取っている。
瀬戸は叫び続けるだけで、もはや会話すらできない。
「あっ……!?」
風に飛ばされないように、腰を落として重心を下に移していた俺の身体が、あまりの強風を叩きつけられて少し浮きそうになる。
甘く見ていたようだ。
それなら俺の【四大元素】の出力を調整するだけだ。
相手と同じ出力に調整することで、俺は事なきを得た。
しかし椎名先輩はどうだろう? 内心焦りながら先輩の方を見た。
瀬戸から近い位置にいた先輩の周りは、こちら程風は強くはないらしく、風でめくり上がりそうなスカートを右手でしっかり押さえながら、左手を頭上に上げた。そして、そのまま瀬戸の首筋に手刀を振り下ろした。
瀬戸はその場に倒れ、荒れ狂う暴風はぴたっと止んだ。
先輩は小さくため息を零すと、倒れた瀬戸を抱き起そうとするが、小柄な彼女が、自分よりも大きい瀬戸を持ち上げることはできない。
俺は二人に駆け寄って手を貸そうとした。
「隼人くん、私じゃ無理だから、瀬戸さんをおぶってあげて。ええと、そうね。部室棟の裏、学校の一番はじっこね。そこまで運んであげて。あそこなら、人目につかないし」
「…………は、はい」
「隼人くん?」
俺の返事に間が空いたので、椎名先輩が疑惑の目で睨んでくる。
気づかれてはいないはずだ。
そう思い込みながら、俺は「わかりました。瀬戸を運びます」と淡々と答える。
俺は校庭のほうをちらりと見て、練習中のサッカー部や帰宅途中の野球部がこちらには気づいていないのを確認すると、瀬戸を背負って部室棟の裏まで運んだ。
部室棟の裏側。壁との間にはニメートルほどの隙間がある。
誰も通らない場所だ。授業中にヤンキーがタバコを吸いに来るぐらいだろう。それも冬休み中の今となっては誰も来るわけがない。
俺は壁に瀬戸をもたれかけさせると、ただならぬ視線を背中に感じて恐る恐る振り返った。
そこには顔を紅潮させた椎名先輩がいた。
「隼人くん、……み、見てなかったわよね?」
「いやぁ、先輩の手際の良さホント見事でしたよ。手刀一発で気絶させるんだもん。流石C級ですねー」
「そうじゃなくてっ、風……凄かったでしょ? ……だから」
そうか、そういうことか。いや、わかってましたよ最初から。
俺が【四大元素】で風に耐えてた時に、腕の隙間から見えた光景のことだと。
あの時、確かに見てしまっていたのだ。一瞬めくり上がったスカートの中を。まぁ、たまたま視界に入っただけだ。
それにしても嬉しかったですよ。まさか俺の好みの色を覚えててくれてたなんて、
「黒の……」
俺は最後の一言を口に出してしまっていた。
同時に電光石火の平手が飛んできた。
パァンッ!
乾いた音が部室棟裏の人気の無い空間に響き渡った。
「おい! 道を開けてくれ!」
陸上部の顧問が、数人の男子陸上部員に怪我をした女子を保健室に連れて行くように指示した。
しばらくすると騒ぎは収まり、他の部員たちはそれぞれ練習を再開しようとする。しかし、そこかしこから俺たちのほうを見て「何で小学生が!?」「櫛木の妹だって」「可愛いいじゃん」などと聞こえてくる。
「隼人くん、陸上部の練習が終わるまで待ちましょ。彼女と話がしたいの」
「そうですね」
俺たちは椎名先輩の提案通りに陸上部の練習が終わるまで待つことにして、一旦校門付近まで移動した。
先輩は蘭子さんに電話をかけている。
現在の状況を報告しているようだ。
午後十六時。サッカー部以外の部活動は終了し、部員たちは校庭から去って行く。
部員たちが向かうのは部室棟と呼ばれる、校庭のはじにある体育会系の部室が集まっている場所だ。
陸上部が着替えのため部室に引き上げたのを確認して、俺たちは校門を離れて部室棟に向かう。
廊下にはやはり人影はなく、俺たちの靴音が地面を擦り鳴らす鳴らす音だけが聞こえている。
「先輩、瀬戸と何を話すんです?」
「相手の出方によるわ。熊田先生の件もあるし」
「そうですね。さっきの電話はもしかして?」
「ええ、蘭子さんに状況報告して応援の依頼を頼んだわ。星川さんが来てくれるそうよ」
ここで星川さんか。どんな人か気になるな。まあ、ここへ来てくれるそうだから、少し楽しみだ。
椎名先輩が俺の顔を覗いて、少しムッとした風に口を膨らませる。
「先に忠告しておくけれど、鼻の下を伸ばさないでね」
「はい?」
「にゃははは。カナちゃんはムチムチ女子高生」
「ムチムチっ!?」
マイちゃんが言うカナちゃんとは星川さんのことだろう。
そうか女子高生なのか……ムチムチなのか……おおいに楽しみだ。
だけど椎名先輩の視線が痛くて、妄想が捗らないな。
俺たちは校庭を横切って、部室棟まで来た。
すると、急に菜月が俺の手を握ってきた。
何やらもじもじしているが……。
「ん? どうした、菜月?」
「お兄ちゃん……。トイレ行きたくなっちゃった」
おぅ。そこまで気が回らなかった。ごめんよ菜月。
俺がどうしようか迷っていると、マイちゃんが菜月の腕を取った。
「私トイレの場所知ってるよー。なっちゃん一緒に行こー」
「う、うん」
「マイ本当にわかってるの?」
「うん。さっき校舎の中に入った時に見たもん」
「そう。わかったわ。終わったら寄り道しないで、戻ってくるのよ?」
「むふー」
マイちゃんは菜月の手を取って、校舎に向かって走っていった。
俺たちは途中で帰宅する野球部の集団とすれ違った。
特に声もかけられることもなく通り過ぎるて、陸上部の女子部室前まで来た。
今中にいるのは瀬戸だけだろう。他の女子部員は保健室から出てきていないはずだ。
椎名先輩がノックしようとした時、立てつけの悪い軋んだ音がしてドアが開いた。出てきたのは瀬戸だ。
「……何か用?」
瀬戸は不愛想に言った。
「瀬戸さんだよね? ちょっと話があるんだけどいいかな?」
「二年生? あたしは話なんてないので」
瀬戸は椎名先輩が上級生だと知っているようだ。
俺が言うのも何だが、これだけの美少女なら全校生徒誰でも知ってるよな。
そうして瀬戸は先輩の横を通り過ぎてから俺に気づく。
「よぉ。ちょっとだけでいいんだ。話を聞いてくれないか?」
俺は片手を上げて、瀬戸の進行方向に割って入った。瀬戸が露骨に嫌そうな顔をした。
なんて嫌な顔をするんだ。クラスの中でも嫌われてはいないと思っていたが……。もちろん、親しくもない。たまに挨拶する程度だ。
だけど、ちょっと寂しい。
「櫛木くん? なんで……あなた帰宅部でしょ?」
「そうなんだけど。これもバイトの一環でさ」
俺は肩をすくめて言った。
「はあ? 意味がわからないんだけど。私急いでるから帰るね」
瀬戸はさらに不機嫌になって、俺を避けて帰ろうとした。
どうするんですか先輩! これ以上は引き止められませんよー、と目で合図を送ると、椎名先輩は意図に気がついたのか無言で大きく頷いた。
「瀬戸さん、話があるの。さっきの女子部員の怪我のことだよ」
瀬戸の足が止まった。
肩を震わせているように見える。
「な、何? 私何も知らないから……」
ったく、わかりやすいぜ瀬戸。明らかに動揺してるな。
「瀬戸さん、お願い。話を聞いて」
椎名先輩が瀬戸に駆け寄った。
「うるさいっ! 私は何も知らないったら!」
しゅっ、空気を凪ぐような音。その瞬間突風が吹いた。
俺は目を瞑ってしまった。
「――――つっ!」
再び目を開くと、椎名先輩が左手で右腕を押さえている。その表情は片目を瞑り、痛みに耐えているように見える。
「先輩! 大丈夫ですか!?」
俺は椎名先輩に近づいた。
「大丈夫だよ。少し切れただけだから」
椎名先輩の右腕に五センチほどの切り傷ができていた。さっきの女子陸上部員と同じだ。
「血が出てるじゃないですか!? 大丈夫じゃないでしょう!」
「ううん、大丈夫だよ。それより瀬戸さんが……」
瀬戸を見ると悲壮な面持ちで後ずさりしている。
「ち、違う! 違うの! 私じゃない! 私じゃ……!」
完全に混乱しているようだ。
瀬戸を落ち着かせようと、俺は冷静に語気を荒げずに話しかける。
「瀬戸。俺たちはおまえに危害を加えに来たんじゃない。これはただの突風だ。おまえのせいなんかじゃない」
「そうよ瀬戸さん。わたしは平気だから、ね?」
しかし、それは逆効果だった。
「ああああああああああああああああああっ!!」
瀬戸は天を仰いで叫んだ。
俺の頬を撫でるように生暖かい一陣の風が吹き抜けた。その風は俺の背後で周囲の風と合わさって、次第に大きくなっていく。
俺たちがいる、この直径五メートルにも満たない範囲だけが、周りと違う風の流れをしている。それはまるで台風の暴風域に入ったかのように荒々しさを増していった。
俺は両腕で顔を覆い【四大元素】で風を軽減しながら、その隙間から瀬戸の様子を窺う。
椎名先輩も同様の防御姿勢を取っている。
瀬戸は叫び続けるだけで、もはや会話すらできない。
「あっ……!?」
風に飛ばされないように、腰を落として重心を下に移していた俺の身体が、あまりの強風を叩きつけられて少し浮きそうになる。
甘く見ていたようだ。
それなら俺の【四大元素】の出力を調整するだけだ。
相手と同じ出力に調整することで、俺は事なきを得た。
しかし椎名先輩はどうだろう? 内心焦りながら先輩の方を見た。
瀬戸から近い位置にいた先輩の周りは、こちら程風は強くはないらしく、風でめくり上がりそうなスカートを右手でしっかり押さえながら、左手を頭上に上げた。そして、そのまま瀬戸の首筋に手刀を振り下ろした。
瀬戸はその場に倒れ、荒れ狂う暴風はぴたっと止んだ。
先輩は小さくため息を零すと、倒れた瀬戸を抱き起そうとするが、小柄な彼女が、自分よりも大きい瀬戸を持ち上げることはできない。
俺は二人に駆け寄って手を貸そうとした。
「隼人くん、私じゃ無理だから、瀬戸さんをおぶってあげて。ええと、そうね。部室棟の裏、学校の一番はじっこね。そこまで運んであげて。あそこなら、人目につかないし」
「…………は、はい」
「隼人くん?」
俺の返事に間が空いたので、椎名先輩が疑惑の目で睨んでくる。
気づかれてはいないはずだ。
そう思い込みながら、俺は「わかりました。瀬戸を運びます」と淡々と答える。
俺は校庭のほうをちらりと見て、練習中のサッカー部や帰宅途中の野球部がこちらには気づいていないのを確認すると、瀬戸を背負って部室棟の裏まで運んだ。
部室棟の裏側。壁との間にはニメートルほどの隙間がある。
誰も通らない場所だ。授業中にヤンキーがタバコを吸いに来るぐらいだろう。それも冬休み中の今となっては誰も来るわけがない。
俺は壁に瀬戸をもたれかけさせると、ただならぬ視線を背中に感じて恐る恐る振り返った。
そこには顔を紅潮させた椎名先輩がいた。
「隼人くん、……み、見てなかったわよね?」
「いやぁ、先輩の手際の良さホント見事でしたよ。手刀一発で気絶させるんだもん。流石C級ですねー」
「そうじゃなくてっ、風……凄かったでしょ? ……だから」
そうか、そういうことか。いや、わかってましたよ最初から。
俺が【四大元素】で風に耐えてた時に、腕の隙間から見えた光景のことだと。
あの時、確かに見てしまっていたのだ。一瞬めくり上がったスカートの中を。まぁ、たまたま視界に入っただけだ。
それにしても嬉しかったですよ。まさか俺の好みの色を覚えててくれてたなんて、
「黒の……」
俺は最後の一言を口に出してしまっていた。
同時に電光石火の平手が飛んできた。
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