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第1章 「俺の【四大元素】編」(俺が中一で妹が小三編)

第3話 俺の妹がランドセルを背負ってお見舞いにきてくれたんだ

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 目が覚めると、俺は病院のベッドの上にいた。
 別段、身体の痛みや気だるさはない。
 俺はどうして病院にいるんだ……?

 ここは個室だろうか。部屋の中には、俺の寝ているベッドがひとつだけ。
 点滴のチューブが俺の腕に刺さっている。
 どういうことだろう?

 思い出そうとしたが急にまぶたが重くなり、俺はそのまま意識を手放した。


    ◇ ◇ ◇


「お兄ちゃん。ねぇ、お兄ちゃん。起きてー」
「んん……。あと五分……あと五分だけ寝かせて……」
「ねぇ、お兄ちゃんってばぁ! お母さん、お兄ちゃん起きないから帰ろう」
「うーん。そうね……せっかく菜月がお見舞いに来たいって言うから、一緒に来たのにね」


 俺はベッドから、勢いよく上半身を起こした。そして大きく口を開けると、

「ふあ~っ。あーよく寝た。寝過ぎて目が冴えるなあ!」

 わざとらしく欠伸をして見せた。
 そこには「お兄ちゃん、おはよぉ!」と嬉しそうにはしゃぐ菜月と、ジト目で俺を睨む母さんがいた。
 菜月は俺のベッドに上半身を乗り出しながら、「んふふー」と笑っている。
 母さんはケーキを買ってきたらしく、箱から取り出したケーキをひとつずつ皿に移し替えていた。

「はい、隼人。どれが食べたい?」
「あ、私これぇ! ふわっふわのチーズケーキがいいっ!」
「菜月。今日は先にお兄ちゃんが選んでからよ。さ、隼人どれにするの?」
「う、うん。わかった……」
「え……と。そうだな俺は……」

 ケーキは三つある。ひとつは定番のショートケーキ、そしてモンブランと菜月が狙ってるチーズケーキだ。しかもあの箱は駅のショッピングモールにある人気店のやつだ。家で食べたことはないが、友達の家に遊びに行った時に出されたことがある。
 俺も菜月と同じく、前に一度食べたことのあるチーズケーキが食べたかった。
 だが俺の目の前では、しょんぼりした菜月が下唇を突き出して、下を向いていた。あ、拗ねてる……。

「菜月、チーズケーキ食べろよ。俺は別のやつでいいから」
「……いい。お兄ちゃんが好きなの選んでいいよ……」

 俺がチーズケーキを勧めるが、菜月は頭を横に振った。
 泣きそうになってるじゃないか……。仕方ないな。

「じゃあ、俺と半分こしよう」
「えっ!? ……いいの?」

 菜月が顔を上げて、嬉しそうに笑顔を作る。
 拗ねた菜月も可愛いが、妹を無駄に泣かせたくはない。まあ、あの店のケーキだから、チーズケーキ以外もきっと美味しいのだろう。俺はモンブランにでもするか。

「わーい! じゃあさ、チーズケーキとショートケーキを半分こにしよっ?」
「え……」

 もう一個のほうも勝手に決められた。でもいいんだ……菜月のこんなに嬉しそうな顔が見れたんだもの。
 母さんがケーキを切り分けてくれて、俺と菜月はチーズケーキとショートケーキを半分ずつ食べた。もちろんショートケーキの苺は、菜月に取られた。そんな兄妹のやり取りを、母さんはモンブランを食べながら微笑ましく眺めていた。

 あと俺がどうして病院に入院する羽目になったかだけど……。
 俺は何らかの事件に巻き込まれて大怪我をしたらしい。
 深夜に救急車で搬送された俺は、緊急手術を受けたようだ。胸にはその痛ましい傷跡が残っている。
 手術は無事に成功したが、それから二日間俺は目が覚めなかったそうだ。
 その間に俺と同じ中学の女子が、見舞いに来てくれたと母さんが言っていた。母さん曰く、黒髪の美少女らしいのだが……。その際【椎名】と名乗ったそうだ。
 うーん。俺のクラスにも同じ学年にも、【椎名】って名字のやつはいない。【椎名】と訊いてまず浮かぶ顔がある。俺の中学でサッカー部のマネージャーをしている二年生だ。つまり俺より一学年上の先輩だ。ちなみに、すっごく可愛いのだ。男子からとてつもなく人気がある。
 その椎名先輩とは同じ部活とは言え、あまりしゃべったことはない。学年が違うから話しかけにくいってのもあるだろう。たまに椎名先輩が話しかけてくれて、俺が相槌を打つだけとか、挨拶ぐらいしかない。
 そんな椎名先輩が俺の見舞いに? ……いやいや、それはないな。第一俺はサッカー部を辞めたんだ。俺とはもう接点はないぞ。
 夏休みが終わって学校が始まったら、サッカー部のやつにでも訊いてみるか。やっぱ直接確認するのはなあ……。

「あのっ、椎名先輩!」
「えっ! どうしたの櫛木くん?」
「俺が入院してる時にお見舞いに来てくれたのって……もしかして椎名先輩ですか?」
 ドクン、ドクン、ドクン……俺の心臓の鼓動が早くなる。
「……えっ? 櫛木くん入院してたのっ!? ごめんなさいっ! 今初めて知ったわ!」
 あう……。

 なんて展開は勘弁してくれ。

 それと記憶が定かじゃないんだけど、あの夜俺は殺人現場を目撃してしまったのだ。
 これってかなり危険じゃないのか?
 もしあの犯人が捕まってなかったら、俺が口封じに狙われる可能性も無きにしも非ずだ。その辺は大丈夫なのだろうか?
 警察が何度も訪ねて来て色々訊かれたが、事件の参考になる話が訊けなかったからなのか警察は落胆したように肩を落として帰っていった。

 俺の記憶がどうも曖昧で、医者が言うには外因的なショックで、一時的に記憶を喪失しているらしい。まあ、時間が経って落ち着いたら記憶も戻るって言うし大丈夫だろう。


 それより俺が気にしなければならないのは、今日で入院して六日目だという衝撃の事実だ。
 菜月と遊ぶ機会を六度も潰してしまっていたのだ。俺の悲しみは計り知れない。
 だって夏休みは、菜月と市民プールに遊びに行く約束をしていたのだ。例え菜月が約束を忘れても、俺は忘れない。それに、まだチャンスはある。退院して夏休みの後半には、きっと間に合うはずだ。約束は守るためにあるのだから。
 と思っていたら、今日は菜月がランドセルを背負って姿を見せた。

「えへへ。お兄ちゃん、怪我は大丈夫?」
「おー来てくれたのか。少し痛むけど、抜糸もまだだからな」
「ばっし……って何?」
「そうか小学生にはまだ難しいか。あのな、俺の傷を針で縫ったんだよ」
「ええーっ! 痛くないの? 菜月だったらすぐに泣いちゃうよぅ!」
「はは……。多分、麻酔……注射で眠らされていたと思うから、全然痛くなかったよ」
「そうなんだー」

 菜月は俺の話を興味深そうに訊いていた。可愛い奴だ。
 俺の入院している病院は、家の近くで菜月の通う小学校から歩いても五分ほどの距離だ。
 夏休み中なのに、菜月が何故ランドセルかと言うと、今日はここで宿題をして帰るらしい。ランドセルには筆記用具と算数のドリルが入っていた。
 ふふ、お前だって本当は俺と遊びたいのだろう。仕方ない今日は宿題を見てやるか。
 菜月は夏休みの宿題を計画的に進めるタイプで、宿題のドリルの総ページ数を土日を除く平日の日数分で割ったパージ数を一日ずつ着実に取り組んでいるようだ。もちろん、そういう割り算は菜月にはまだ無理だから、母さんが計算したのだけど。
 俺はと言うと、夏休み初日にちゃんと宿題を日割りしてある。……しただけだが文句あるか? 初日はやる気に満ちあふれていた。その心意気だけは評価して欲しい。その満足感で夜まで寝てしまったのだが……。
 例年のパターンでいくと、俺は夏休みの最終日に慌てて宿題をするタイプではなく、夏休みが明けて始業式が終わってからクラスメイトに写させてもらうタイプである。
 そんなことを考えつつ、菜月の宿題を見てやる。今日は算数のドリルか。

「お兄ちゃん。ここ教えてー」
「ん、どれだ? ドリル貸してみろ。うん、1200-800か」
「わかる?」
「菜月。お兄ちゃんを馬鹿だと思ってるだろ……。12-8はわかるか?」
「4でしょ?」
「おっ。計算早いな。やるなー!」
「えへへー」
「もう答えを出したようなもんだぞ。後ろに00をつけてみな」
「400?」
「正解だ。できたじゃん!」

 俺は菜月を褒めながら教えていった。ほとんどの問題は自分で解けるみたいで、時折俺がヒントを出すだけで宿題を進めていった。
 いつの間にか無言で黙々とドリルと睨めっこする菜月。
 俺は左手にある窓から、外の景色をぼーっと眺めていた。窓の向こうには駅と、ショッピングモールの入った建物やビルが建ち並んでいた。
 少し前から、菜月が「んーっ!」と唸っている。さて、難しい問題でもあったかな? 俺はあえて、菜月が教えを乞うまで口を出さずにいようと思った。
 そろそろ、助け船を出してやるか。一分ほど時間をおいて、俺は菜月に振り返った。

「どれ、ドリルを見せ…………え!?」
「んーっ! むふーっ!」

 俺は目を疑った。
 菜月は目をきつく閉じて、両手をがっしりと胸の前で組んでいた。
 そして、算数ドリルのページが勝手にめくれたのを見たのだ。

 エアコンの風か……?
 夏真っ盛りなので、窓を閉めてエアコンをつけているとは言え、その程度の風でドリルのページがめくれるのか?
 俺が菜月とドリルを凝視していると、

「あ、行き過ぎちゃった。ひとつ前のページ! んーっ!」

 菜月が片目を薄く開いてページを確認し、またぎゅっと目を瞑って唸りだした。
 すると、今度はさっきとは逆の方向へページがめくれた。
 なん……だと!? 菜月の意思でページをめくっているのか……?
 これはまるで、【四大元素】(俺命名)じゃないかっ!? そして【風】の力だ。菜月は【風】の使い手であったか!

「な、菜月……。お前、それは【四大元素】じゃないか! お前も使えたのか……?」
「えっ? もしかして、お兄ちゃんが前に言ってた【四大元素】ってこれのことだったの?」
「うん」

 俺は真顔でうなずいた。

「何なの? この【四大元素】って? お前もって……お兄ちゃんも使えるの?」
「うん」

 菜月は目を大きく見開いて驚いている。

「菜月。【四大元素】のことは二人だけの秘密だ。わかったな?」

 その日、俺と菜月は秘密を共有した。
 妹と秘密を共有する。なんて素晴らしい響きなんだ。俺は内心そう思った。
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