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英傑の記憶②〜帰還〜
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「やっと、我が祖先の名が出てきたな・・・。」
話を聞いていたフロドゥール国国王レイド・フロドゥールに龍の姫巫女リリィは、クスクスと笑った。
「人、1人の歴史って長いのよ。
それが何人もいて混ざり合って歴史ってのは紡がれていくんでしょうね。」
リリィは侍女であるジュディが淹れ直してくれた紅茶で喉を潤した。
彼女をしても、これほど長い間1人で語るのは初めてだ。
しかし、彼等には自分達の祖先の事を知って貰いたいと思っているし、彼等だって知りたがっている。
「ロンサンティエではフランコ・トワに限らず龍との関係を空想も交えて神話の様に神々しく語られている。
しかし、リリィの話で1人の男の人生であるのだと理解するよ。
フランコ・トワ・・・彼は苦しみ悲しみ喜びを感じる実際に生きた男だったのだな。」
ロンサンティエ帝国の皇帝ファヴィリエ・ルカの言葉にリリィは満足そうに頷いた。
「そう。
彼は、必死に生きたの。
生き残る為に“龍王”からの試練を受けた。
もしかしたら、最初から“龍王”が彼を呼び寄せていたのかもしれないわね。」
「波も穏やかな快晴の日に海に入ったにも関わらず、突如嵐になった。
そして、フランコ・トワが海に消えて再び天気が回復した・・・確かにな。」
ディミトリオ・ハクヤも自分が体験した不思議な事と繋ぎ合わせて、フランコ・トワの身に起きた不思議な出来事を推測したリリィの考えに納得した。
「我が祖先が盗賊に捕まっていたとはな・・・。」
「情けないと思った?」
レイド・フロドゥールの呟きにリリィは揶揄う様な視線を向けた。
「・・・我が国でも可の方は神話の如く語り継がれている。
だから、少し驚いただけだ。」
ロンサンティエ帝国の初代王が海で溺れた漁師なら、フロドゥール国の初代王は盗賊の捕虜になっていた村人だった。
華々しい歴史の事実など所詮、こんなものだ。
「彼等の苦労の上に今があるの。
そしてこれまで繋いできた者達がいて、良くも悪くも結果が今よ。
自分達の地位は貴方達が成し遂げたものではない。
誰かしらの苦労と努力それが実り、初めて貴方達の時代が生まれた。」
過去に生きた人がいた。
それを忘れないで。
リリィの言葉は、すんなりと国の為政者達の胸に響いた。
「話を続けましょう。
盗賊の牢屋で彼等は初めて出会った。
“龍王島”から帰還したフランコ・トワが現れた事にジョルジュは信じられなかったでしょうね。
そうでなくとも、彼の置かれた状況は猜疑心を養う上で環境が整いすぎているんだもの。」
ジョルジュ・・・のちのジョルジュ・フロドゥールと名乗る事になる男にも守ものがあった。
山合いの村。
それこそが、彼の故郷であり村人こそ彼が守ろうとすうる者達だった。
話を聞いていたフロドゥール国国王レイド・フロドゥールに龍の姫巫女リリィは、クスクスと笑った。
「人、1人の歴史って長いのよ。
それが何人もいて混ざり合って歴史ってのは紡がれていくんでしょうね。」
リリィは侍女であるジュディが淹れ直してくれた紅茶で喉を潤した。
彼女をしても、これほど長い間1人で語るのは初めてだ。
しかし、彼等には自分達の祖先の事を知って貰いたいと思っているし、彼等だって知りたがっている。
「ロンサンティエではフランコ・トワに限らず龍との関係を空想も交えて神話の様に神々しく語られている。
しかし、リリィの話で1人の男の人生であるのだと理解するよ。
フランコ・トワ・・・彼は苦しみ悲しみ喜びを感じる実際に生きた男だったのだな。」
ロンサンティエ帝国の皇帝ファヴィリエ・ルカの言葉にリリィは満足そうに頷いた。
「そう。
彼は、必死に生きたの。
生き残る為に“龍王”からの試練を受けた。
もしかしたら、最初から“龍王”が彼を呼び寄せていたのかもしれないわね。」
「波も穏やかな快晴の日に海に入ったにも関わらず、突如嵐になった。
そして、フランコ・トワが海に消えて再び天気が回復した・・・確かにな。」
ディミトリオ・ハクヤも自分が体験した不思議な事と繋ぎ合わせて、フランコ・トワの身に起きた不思議な出来事を推測したリリィの考えに納得した。
「我が祖先が盗賊に捕まっていたとはな・・・。」
「情けないと思った?」
レイド・フロドゥールの呟きにリリィは揶揄う様な視線を向けた。
「・・・我が国でも可の方は神話の如く語り継がれている。
だから、少し驚いただけだ。」
ロンサンティエ帝国の初代王が海で溺れた漁師なら、フロドゥール国の初代王は盗賊の捕虜になっていた村人だった。
華々しい歴史の事実など所詮、こんなものだ。
「彼等の苦労の上に今があるの。
そしてこれまで繋いできた者達がいて、良くも悪くも結果が今よ。
自分達の地位は貴方達が成し遂げたものではない。
誰かしらの苦労と努力それが実り、初めて貴方達の時代が生まれた。」
過去に生きた人がいた。
それを忘れないで。
リリィの言葉は、すんなりと国の為政者達の胸に響いた。
「話を続けましょう。
盗賊の牢屋で彼等は初めて出会った。
“龍王島”から帰還したフランコ・トワが現れた事にジョルジュは信じられなかったでしょうね。
そうでなくとも、彼の置かれた状況は猜疑心を養う上で環境が整いすぎているんだもの。」
ジョルジュ・・・のちのジョルジュ・フロドゥールと名乗る事になる男にも守ものがあった。
山合いの村。
それこそが、彼の故郷であり村人こそ彼が守ろうとすうる者達だった。
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