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新たな旅 ー王都ー
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イオリがゼンとソルを連れて酒場にやってくると人だかりが出来ていた。
見るとナギのライアーの音色に合わせニナとパティとスコルが踊っていた。
「何してんだ?」
そんなイオリの元にやってきたヒューゴは苦笑するように説明をした。
「実は・・・。」
_______
ミラの言葉通り子供達を連れて酒場に来たヒューゴに声をかける2人組がいた。
「お前・・・。ヒューゴだよな?」
「・・・あぁ。」
王都で仕事を受けていたヒューゴだ。
こうなる予想はしていた。
自分は良いとしてイオリや子供達に迷惑をかけるのは避けたいと思っていたが、そう甘くはないらしい。
「奴隷落ちしたって聞いたけど、ご主人様はどうした?
もしかして子供なのか?」
「キャハハ。子守とは本当に落ちぶれたもんだな。Aランク目前の注目株が一気に奴隷とはな!」
ギルドであるし子供達がいる為に争う訳にはいかない。
「ハァーっ」と息を吐くヒューゴだったが、奴隷の立場など今は、どうでも良いと思えた。
主人に恵まれ、笑顔の妹の成長を見守る事ができる。
自身はAランクに昇格し、新しく家族になった子供達は本当の弟や妹のようだった。
何を卑下する事があるのだろう。
数ヶ月前の己に比べると今は天国ではないか・・・・。
逃げずに前を向き冒険者達に答えようとした時だった。
「イオリはねー。今、ギルマスとサブマスとお話してるよ。
ヒューゴのご主人様でしょ?イオリの事だよ。」
「まだイオリとお話しあるから、何か食べて来いってサブマスが言ってた。」
双子が無邪気に男達に話しかけた。
「あっ?
お前らの主人がギルマスと?」
「なんでだよ?もしかして、冒険者が主人か?」
男達は慌てたように双子に確認した。
「「うん。今ね、あそこでお話してるー。」」
双子が指差す先がSランク冒険者のカウンター裏である事に気づかない男達ではない。
青ざめた顔をして持っていたコップをカタカタと震わせた。
「も・・・もしかして、Sランクなのか?」
「そうだよ。ちなみに、ヒューゴと僕とパティはAランク。」
男の耳元でスコルはささやきパティは親指を立てた。
「Aランク!!ヒューゴ!お前・・・昇格したのか?」
目を向いて驚く男達はヒューゴに問いかけた。
「・・・あぁ。」
こんな展開は予想していなかったヒューゴも戸惑いながら答えると男達は続けた。
「何を狩った?」
「あ?」
「何を狩って、Aランクに昇格した?!」
「俺と双子でヒュドラをやった・・・。」
目を合わさずに答えるヒューゴに男の1人が近寄り肩をバシバシと叩き始めた。
「お前!!やるな!!ヒュドラってマジかよ!
餓鬼共もマジか!?」
「ガキじゃないよ!スコルとパティ!」
「そうだよ!ナギだってCランクなんだから!ライアーだって上手なんだよ!」
ガキ呼ばわれされ、ご立腹な双子は抗議と共になぜかナギも売り込んでいた。
「ら・・・なんだ?」
「ライアー!楽器だよ!」
スコルは自慢するようにナギを押し出した。
恥ずかしそうにモジモジしたナギが小さな声で「聞く?」と言えば
「おう!聞かせろ!」
「おう、やれやれ!!」
と男達はノリノリになったのであった。
ナギの演奏と子供達や男達の楽しそうな声に誘われて今や人だかりが出来上がっていた。
___________
「ってわけで、俺にイチャモンつけに来た奴らが何故か子供達に懐柔された・・・。」
「プププっ。なんですか?それ!」
笑うイオリに苦笑するヒューゴはなんとも言えない顔をした。
大人が集う、冒険者ギルド。
命をかけて金を稼ぐ彼らの中には心が荒む者もいるだろう。
しかし今、目の前で繰り広げられる子供達が繰り出す暖かな音や空気に癒されている冒険者達がいるのも、また確かな事であった。
「「「「あっ!イオリ!!」」」」
王都、冒険者ギルドに子供達の笑い声が響いた。
見るとナギのライアーの音色に合わせニナとパティとスコルが踊っていた。
「何してんだ?」
そんなイオリの元にやってきたヒューゴは苦笑するように説明をした。
「実は・・・。」
_______
ミラの言葉通り子供達を連れて酒場に来たヒューゴに声をかける2人組がいた。
「お前・・・。ヒューゴだよな?」
「・・・あぁ。」
王都で仕事を受けていたヒューゴだ。
こうなる予想はしていた。
自分は良いとしてイオリや子供達に迷惑をかけるのは避けたいと思っていたが、そう甘くはないらしい。
「奴隷落ちしたって聞いたけど、ご主人様はどうした?
もしかして子供なのか?」
「キャハハ。子守とは本当に落ちぶれたもんだな。Aランク目前の注目株が一気に奴隷とはな!」
ギルドであるし子供達がいる為に争う訳にはいかない。
「ハァーっ」と息を吐くヒューゴだったが、奴隷の立場など今は、どうでも良いと思えた。
主人に恵まれ、笑顔の妹の成長を見守る事ができる。
自身はAランクに昇格し、新しく家族になった子供達は本当の弟や妹のようだった。
何を卑下する事があるのだろう。
数ヶ月前の己に比べると今は天国ではないか・・・・。
逃げずに前を向き冒険者達に答えようとした時だった。
「イオリはねー。今、ギルマスとサブマスとお話してるよ。
ヒューゴのご主人様でしょ?イオリの事だよ。」
「まだイオリとお話しあるから、何か食べて来いってサブマスが言ってた。」
双子が無邪気に男達に話しかけた。
「あっ?
お前らの主人がギルマスと?」
「なんでだよ?もしかして、冒険者が主人か?」
男達は慌てたように双子に確認した。
「「うん。今ね、あそこでお話してるー。」」
双子が指差す先がSランク冒険者のカウンター裏である事に気づかない男達ではない。
青ざめた顔をして持っていたコップをカタカタと震わせた。
「も・・・もしかして、Sランクなのか?」
「そうだよ。ちなみに、ヒューゴと僕とパティはAランク。」
男の耳元でスコルはささやきパティは親指を立てた。
「Aランク!!ヒューゴ!お前・・・昇格したのか?」
目を向いて驚く男達はヒューゴに問いかけた。
「・・・あぁ。」
こんな展開は予想していなかったヒューゴも戸惑いながら答えると男達は続けた。
「何を狩った?」
「あ?」
「何を狩って、Aランクに昇格した?!」
「俺と双子でヒュドラをやった・・・。」
目を合わさずに答えるヒューゴに男の1人が近寄り肩をバシバシと叩き始めた。
「お前!!やるな!!ヒュドラってマジかよ!
餓鬼共もマジか!?」
「ガキじゃないよ!スコルとパティ!」
「そうだよ!ナギだってCランクなんだから!ライアーだって上手なんだよ!」
ガキ呼ばわれされ、ご立腹な双子は抗議と共になぜかナギも売り込んでいた。
「ら・・・なんだ?」
「ライアー!楽器だよ!」
スコルは自慢するようにナギを押し出した。
恥ずかしそうにモジモジしたナギが小さな声で「聞く?」と言えば
「おう!聞かせろ!」
「おう、やれやれ!!」
と男達はノリノリになったのであった。
ナギの演奏と子供達や男達の楽しそうな声に誘われて今や人だかりが出来上がっていた。
___________
「ってわけで、俺にイチャモンつけに来た奴らが何故か子供達に懐柔された・・・。」
「プププっ。なんですか?それ!」
笑うイオリに苦笑するヒューゴはなんとも言えない顔をした。
大人が集う、冒険者ギルド。
命をかけて金を稼ぐ彼らの中には心が荒む者もいるだろう。
しかし今、目の前で繰り広げられる子供達が繰り出す暖かな音や空気に癒されている冒険者達がいるのも、また確かな事であった。
「「「「あっ!イオリ!!」」」」
王都、冒険者ギルドに子供達の笑い声が響いた。
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