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初めての旅 〜ダグスク〜
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朝起きると、イオリは潮風が鼻くすぐった。
「あぁ、海だ・・・。」
窓を開けてベランダに出ると優しい風が吹いていた。
昨夜はカールに別宅に案内してもらい、体を癒した。
この別宅は元々、三代前のダグスク公爵夫婦が息子に爵位を譲り屋敷を出て市民と同じくゆっくりと過ごす為に造られたらしい。
とは言え公爵家、市民と同じと言えど立派な邸宅だった。
御二人が亡くなってからは、客人の宿泊場所として保存されていて望めばメイドなどを付けてくれると言っていたが
丁重にお断りをした。
『おはようー。』
のんびりと起きてきたゼンがまだ眠そうにイオリの側にやってきた。
頭の上にはご機嫌なソルがピョンピョンと跳ねている。
「おはよう。気持ちの良い朝だよ。」
『本当だー。』
手摺りに前脚をかけて覗くゼンの背をイオリは摩った。
「さてさて。
子供達の様子を見に行こうか?」
部屋の数があるこの別宅で昨夜はちょっとした問題が起こった。
いつも一緒に寝ていたイオリ達だが今回のベットは一緒に寝るには小さかった。
別れて寝ることになったのだが、ヒューゴが奴隷の自分達に部屋があるなんてと固辞したのだ。
それにはイオリではなく、双子とナギが《まだ、奴隷と言うか!》と睨む様に怒り、折れたヒューゴがニナと2人で一室を使い、双子とナギが大きなベットに3人で眠り、そばにアウラが見守った。
そしてイオリはゼンとソルと共に眺めの良い今の部屋を使うことになったのである。
イオリは、身支度をすると子供達の部屋をノックした。
開けるとドアまでアウラが迎えに出てくれていて、鼻を擦りながらイオリ達に挨拶をする。
ノックの音に気づいたのはナギで、眠る双子の間で眠い目を擦っていた。
イオリが近づき抱き上げると一緒にカーテンを開いた。
「うわぁぁぁ。朝の海はキラキラしてるね。」
ナギの嬉しそうな声にスコルが目覚め、パティを起こしていた。
「みんな、おはよう。」
イオリの声に双子はニコッと笑うと、思い思いに抱きついてきた。
「俺は朝ごはんの準備をしてくるよ。身支度したらおいで。」
ナギを下ろすとスコルに任せた。
「「「はーい。」」」
イオリとゼンがキッチンに入ってすぐにヒューゴとニナがやってきた。
「おはよう。」
「おはよう。今、子供達が着替えているんです。
見てやって下さい。
ニナの髪はパティがやってくれるよ。」
ニナの頭を撫でると、嬉しそうにニナは頷いた。
「わかった。今日は朝食はなんだ?子供達を急がせる呪文を教えてくれ。」
「ハハハ。今日は余った材料とパンケーキを焼きます。
ギルドとグラトニーが終わったら買い出しもしたいですね。」
「確かにな。パンケーキだな?あいつらすぐに来るぞ。」
ヒューゴに言われイオリは急いで準備に取り掛かった。
結局、子供達がキッチンに飛び込んでくるまでに間に合わずスコルを始めとして手伝ってもらった。
朝食は外のガーデンテーブルで頂く事にした。
みんなで食べていると、カールが庭に顔を出し微笑んでいた。
「何か御用はありますか?」
「お気遣い、ありがとうございます。
今日はギルドとグラトニー商会に顔を出してから、食料調達をしてきます。
戻ってきたら、一度お屋敷に顔を出します。」
「承知いたしました。主人に伝えましょう。
その時間の食品でしたら商店で売られていますが、ダグスクに滞在中は是非とも朝市にお越しください。
毎日、朝一に獲れた新鮮な魚や野菜が並びます。」
「!!!!
なんて素晴らしいんだ!
うーん。今日は無理そうですね。
明日にでも行ってみます。」
「喜んでいただけて良かったです。
海沿いのエリアに朝の時間だけ開いています。
グラトニー商会さんで聞けば分かるでしょう。」
「ありがとうございます!」
ニヤニヤが止まらないイオリを見て、その他の家族達は顔を突き合わせた。
「出たな・・・。」
「「うん。出た出た。」」
「明日だって」
『絶対に長いよ。』
「ヒィン!」
でも・・・。
「「「「『絶対に美味いものが食べれる!』」」」」
ニナもニコニコしながらパンケーキを千切りソルに食べさせていた。
「あぁ、海だ・・・。」
窓を開けてベランダに出ると優しい風が吹いていた。
昨夜はカールに別宅に案内してもらい、体を癒した。
この別宅は元々、三代前のダグスク公爵夫婦が息子に爵位を譲り屋敷を出て市民と同じくゆっくりと過ごす為に造られたらしい。
とは言え公爵家、市民と同じと言えど立派な邸宅だった。
御二人が亡くなってからは、客人の宿泊場所として保存されていて望めばメイドなどを付けてくれると言っていたが
丁重にお断りをした。
『おはようー。』
のんびりと起きてきたゼンがまだ眠そうにイオリの側にやってきた。
頭の上にはご機嫌なソルがピョンピョンと跳ねている。
「おはよう。気持ちの良い朝だよ。」
『本当だー。』
手摺りに前脚をかけて覗くゼンの背をイオリは摩った。
「さてさて。
子供達の様子を見に行こうか?」
部屋の数があるこの別宅で昨夜はちょっとした問題が起こった。
いつも一緒に寝ていたイオリ達だが今回のベットは一緒に寝るには小さかった。
別れて寝ることになったのだが、ヒューゴが奴隷の自分達に部屋があるなんてと固辞したのだ。
それにはイオリではなく、双子とナギが《まだ、奴隷と言うか!》と睨む様に怒り、折れたヒューゴがニナと2人で一室を使い、双子とナギが大きなベットに3人で眠り、そばにアウラが見守った。
そしてイオリはゼンとソルと共に眺めの良い今の部屋を使うことになったのである。
イオリは、身支度をすると子供達の部屋をノックした。
開けるとドアまでアウラが迎えに出てくれていて、鼻を擦りながらイオリ達に挨拶をする。
ノックの音に気づいたのはナギで、眠る双子の間で眠い目を擦っていた。
イオリが近づき抱き上げると一緒にカーテンを開いた。
「うわぁぁぁ。朝の海はキラキラしてるね。」
ナギの嬉しそうな声にスコルが目覚め、パティを起こしていた。
「みんな、おはよう。」
イオリの声に双子はニコッと笑うと、思い思いに抱きついてきた。
「俺は朝ごはんの準備をしてくるよ。身支度したらおいで。」
ナギを下ろすとスコルに任せた。
「「「はーい。」」」
イオリとゼンがキッチンに入ってすぐにヒューゴとニナがやってきた。
「おはよう。」
「おはよう。今、子供達が着替えているんです。
見てやって下さい。
ニナの髪はパティがやってくれるよ。」
ニナの頭を撫でると、嬉しそうにニナは頷いた。
「わかった。今日は朝食はなんだ?子供達を急がせる呪文を教えてくれ。」
「ハハハ。今日は余った材料とパンケーキを焼きます。
ギルドとグラトニーが終わったら買い出しもしたいですね。」
「確かにな。パンケーキだな?あいつらすぐに来るぞ。」
ヒューゴに言われイオリは急いで準備に取り掛かった。
結局、子供達がキッチンに飛び込んでくるまでに間に合わずスコルを始めとして手伝ってもらった。
朝食は外のガーデンテーブルで頂く事にした。
みんなで食べていると、カールが庭に顔を出し微笑んでいた。
「何か御用はありますか?」
「お気遣い、ありがとうございます。
今日はギルドとグラトニー商会に顔を出してから、食料調達をしてきます。
戻ってきたら、一度お屋敷に顔を出します。」
「承知いたしました。主人に伝えましょう。
その時間の食品でしたら商店で売られていますが、ダグスクに滞在中は是非とも朝市にお越しください。
毎日、朝一に獲れた新鮮な魚や野菜が並びます。」
「!!!!
なんて素晴らしいんだ!
うーん。今日は無理そうですね。
明日にでも行ってみます。」
「喜んでいただけて良かったです。
海沿いのエリアに朝の時間だけ開いています。
グラトニー商会さんで聞けば分かるでしょう。」
「ありがとうございます!」
ニヤニヤが止まらないイオリを見て、その他の家族達は顔を突き合わせた。
「出たな・・・。」
「「うん。出た出た。」」
「明日だって」
『絶対に長いよ。』
「ヒィン!」
でも・・・。
「「「「『絶対に美味いものが食べれる!』」」」」
ニナもニコニコしながらパンケーキを千切りソルに食べさせていた。
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