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初めての旅
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「お話してもいい?」
スコルがイオリの裾を引っ張ってコソコソと聞いてきた。
「良いよ。何が聞きたいの?」
「このお店は何屋さんなの?」
アーベルはニコニコと微笑むとブルーノに顔を向けた。
ブルーノは一礼してから説明した。
「グラトニー商会は全ての物を扱います。
塩や野菜などの食べ物、布や糸などの裁縫類、服や宝石などの装飾品、土地の売買から人材の育成まで多岐に渡ります。
他の店と違うのは棚などに商品を置いておらず全てを注文して頂いてから、ご自宅などにお持ちするという点でございます。
貴族の方からの注文や業者の大量買などもございますので、下のソファーエリアでご注文を聞きカウンターで支払い後に送り場所を指定して頂くという流れでございます。」
「なるほど・・・。手広いのですね。
スコル分かったかい?」
「うん!何もないからビックリした。」
グラトニー商会の面々は朗らかに笑った。
「それでイオリさん。
ホワイトキャビンの事ですけどね。
砂糖と乳製品の製造と販路も確保できまして、牧場での建設が終わり次第開始したいと思います。
他に何かございますか?」
バートは伺うように聞いた。
「ホワイトキャビンについては、バートさんにお任せしているんで、別にないですけど・・・。
あっ!ポーションの飴はどうしていますか?」
ハンスは机から資料を探しバートに渡した。
「はい。教会のエドバルド様から3人ほど薬にくわしい者を紹介していただきまして、話を進めています。
同時に公爵家の方でもハーブの勉強をされてる方々いるそうで合わせでハーブ飴も試みようと思っています。」
「うん。良いですね。
できれば、安価で一般市民が手に取りやすい方法にして下さい。」
「それならば、薬屋としての店舗を持ちましょう。
砂糖が流通し始めたら、すぐにお菓子をメインとしたお店も始めようと思います。」
「うん!良いですね。
俺たちが帰るまでに色々と始まっているでしょうか?」
バートは何度も頷きハンスと確認し始めた。
「そう思います。
そういえば、どちらに行かれるんですか?」
「アンティティラとグダスクへ。
アンティティラでは料理に必要な魔道具を探しに行きます。
冷たいデザートやヨーグルトを安定して作るのに試したいんですよ。」
「!!!
それは素晴らしい!見つけたら是非一報下さい。
アンティティラでもグラトニー商会の支部があります。」
興奮気味のバートにイオリは苦笑した。
「分かりました。一度伺います。
ダグスクでは食材が欲しいんです。
俺が求めるものがあるかは分かりませんが・・・。
それと子供達に一度海を見せたくって。」
「なるほど。食材・・・。
ダグスクにもグラトニー商会があるので訪ねてください。
すぐに国中のグラトニーと連絡が取れるので、何かあれば力になります。」
バートが言うとアーベルだけでなくブルーノとハンスも頷いた。
「ありがとうございます。心強いです。」
イオリはグラトニー商会の幅広さに驚きながらも何も分からない旅に安心の一つを見つけた気がした。
「時にイオリ君・・・。」
アーベルが口にした先に新たな出会いがあるとはイオリは思いもせずに話に耳を向けた。
「私からの頼みがあるんだ。いや、冒険者としての依頼じゃない。
1人の男を助けて欲しい。」
「どういう事です?」
アーベルは溜息を吐いた。
「以前、懇意にしていた冒険者がいてね。
諸事情で実家に帰ると言って連絡が途絶えんたんだ。
心配になって調べてみれば奴隷落ちをしていた・・・。驚いたよ。
何度も助けようとしたが拒否されてしまってね。
とても心苦しい。
その男が今言っていた、アンティティラにいるんだ。」
「その人の事情をお聞かせ願いますか?」
イオリの言葉にアーベルは元よりバート達も苦渋の顔をしていた。
「元はBランク冒険者で王都でも有望な男だった・・・。」
スコルがイオリの裾を引っ張ってコソコソと聞いてきた。
「良いよ。何が聞きたいの?」
「このお店は何屋さんなの?」
アーベルはニコニコと微笑むとブルーノに顔を向けた。
ブルーノは一礼してから説明した。
「グラトニー商会は全ての物を扱います。
塩や野菜などの食べ物、布や糸などの裁縫類、服や宝石などの装飾品、土地の売買から人材の育成まで多岐に渡ります。
他の店と違うのは棚などに商品を置いておらず全てを注文して頂いてから、ご自宅などにお持ちするという点でございます。
貴族の方からの注文や業者の大量買などもございますので、下のソファーエリアでご注文を聞きカウンターで支払い後に送り場所を指定して頂くという流れでございます。」
「なるほど・・・。手広いのですね。
スコル分かったかい?」
「うん!何もないからビックリした。」
グラトニー商会の面々は朗らかに笑った。
「それでイオリさん。
ホワイトキャビンの事ですけどね。
砂糖と乳製品の製造と販路も確保できまして、牧場での建設が終わり次第開始したいと思います。
他に何かございますか?」
バートは伺うように聞いた。
「ホワイトキャビンについては、バートさんにお任せしているんで、別にないですけど・・・。
あっ!ポーションの飴はどうしていますか?」
ハンスは机から資料を探しバートに渡した。
「はい。教会のエドバルド様から3人ほど薬にくわしい者を紹介していただきまして、話を進めています。
同時に公爵家の方でもハーブの勉強をされてる方々いるそうで合わせでハーブ飴も試みようと思っています。」
「うん。良いですね。
できれば、安価で一般市民が手に取りやすい方法にして下さい。」
「それならば、薬屋としての店舗を持ちましょう。
砂糖が流通し始めたら、すぐにお菓子をメインとしたお店も始めようと思います。」
「うん!良いですね。
俺たちが帰るまでに色々と始まっているでしょうか?」
バートは何度も頷きハンスと確認し始めた。
「そう思います。
そういえば、どちらに行かれるんですか?」
「アンティティラとグダスクへ。
アンティティラでは料理に必要な魔道具を探しに行きます。
冷たいデザートやヨーグルトを安定して作るのに試したいんですよ。」
「!!!
それは素晴らしい!見つけたら是非一報下さい。
アンティティラでもグラトニー商会の支部があります。」
興奮気味のバートにイオリは苦笑した。
「分かりました。一度伺います。
ダグスクでは食材が欲しいんです。
俺が求めるものがあるかは分かりませんが・・・。
それと子供達に一度海を見せたくって。」
「なるほど。食材・・・。
ダグスクにもグラトニー商会があるので訪ねてください。
すぐに国中のグラトニーと連絡が取れるので、何かあれば力になります。」
バートが言うとアーベルだけでなくブルーノとハンスも頷いた。
「ありがとうございます。心強いです。」
イオリはグラトニー商会の幅広さに驚きながらも何も分からない旅に安心の一つを見つけた気がした。
「時にイオリ君・・・。」
アーベルが口にした先に新たな出会いがあるとはイオリは思いもせずに話に耳を向けた。
「私からの頼みがあるんだ。いや、冒険者としての依頼じゃない。
1人の男を助けて欲しい。」
「どういう事です?」
アーベルは溜息を吐いた。
「以前、懇意にしていた冒険者がいてね。
諸事情で実家に帰ると言って連絡が途絶えんたんだ。
心配になって調べてみれば奴隷落ちをしていた・・・。驚いたよ。
何度も助けようとしたが拒否されてしまってね。
とても心苦しい。
その男が今言っていた、アンティティラにいるんだ。」
「その人の事情をお聞かせ願いますか?」
イオリの言葉にアーベルは元よりバート達も苦渋の顔をしていた。
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