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1-24乙女ゲームの悪役令嬢になりましたが、最大の敵は兄ではないかと疑いたくなりました。

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生徒会室で受けたダメージが大きすぎて、クローディアはもう今日はジークとお近づきになろうという気力を失っていた。

なので、今日の目標を「ジークさんとお近づきになろうぜ大作戦」から「私は兄と違ってまともだということを知ってもらおうキャンペーン」に移行することにする。


「あのつかぬことをお伺いしますが、この兄が副会長なんて大層な役職を全うできているのでしょうか?」


早々に「兄の行動は、私もおかしいと思ってたんですよ」と遠回しに主張し、クローディアはジークの反応を伺った。


「大丈夫、心配しないで。キースは優秀だからね。
君に関わることでなければ、どこに出しても恥ずかしくない人材だよ」


(あ、これもう駄目なやつじゃない?)


ジークからの返答に、クローディアはヒクヒクと口元をひきつらせてしまった。

せっかくここにくる前に笑顔の練習をしてきたというのに、すでにもう笑顔すら保てない精神状況に追い込まれている。

そもそもこの兄が一緒の部屋にいる限り、間違ってもジークとの恋愛イベントが発生する隙がないように思えて仕方がない。

それどころか、イベント発生のためのフラグすら回収できないのではないかと思われた。


「おい、さっきから聞いてれば。ジーク、お前俺に対してそんなこと思ってたのか」


「まぁね。そりゃ、毎日毎日仕事しながら耳にタコができるぐらいクローディアの自慢話を聞かされたらね」
 

「……生徒会長、本当にすみません」


深々と、それはもう深々とクローディアは頭を下げた。

好感度がどうこうというのは、もう二の次だ。

ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。

兄がこれだけ迷惑をかけているというのに、クローディアが私情を持ち込んでもいいのだろうか?

(今はやっぱり、様子を見たおいた方がいいかもね)

頭を下げながら、クローディアは小さくため息を付いた。
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