おとぎばなしに出てくる真っ赤なドラゴンさんに突撃インタビューしちゃいます！

3真っ赤なドラゴンの秘密 旅の準備

「……さてと、私はどこに行けばいいんだ？」


　編集長に言いたいことはとりあえず横において、私はドラゴン音声ほんやく機といっしょに渡されたメモに手をのばした。

メモにはドラゴンの住みかの情報がかかれており、簡単な地図も描かれていた。

地図には山道を三日くらい登るというメモが走り書きされている。

確かに、編集長が三日かけて山道を登る姿は想像できない。

ただの坂道や階段ですら「よっこいせ」とかけ声をかけているくらいだ。


「とにかく、旅の準備をして出かけますか」


取材するまでの道のりは大変そうではあるが、そこでドラゴンに会って話ができるというのならば喜んで行こう。

うきうきとした気分で手元を片づけ、私はさっそく旅の準備のために席を立った。

ドラゴンに会えたら何を聞こうか。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

　「ドラゴン」

この単語から、想像できるのは大きな体、かたいウロコ、立派な翼だろうか。

体の色は赤、緑それとも黒か。

火は吹くのか。

ドラゴンに取材をするために準備をしていた私は、準備の手はそのままに、自分の考えるドラゴン像というものを思い浮かべていた。

なにせドラゴンはおとぎ話でしか出会ったことのない生き物だ。

取材をすると決まった段階で下調べを事前にするのだけれど、他の生き物と違ってなかなか情報という情報が集まらない。


「うーん、これは一度博士を訪ねてみた方がいいいのか」


もし万が一山で迷ってしまった場合に備えた非常食用のおやつ（缶入りのようかん）をリュックサックにつめ込みながら、私はうなった。

博士というのは、よくお世話になってる生き物のことにとてもとても詳しい人物のことだ。

大きな研究室の中で、たくさんの生き物を育てているのだが、ちょっと変わり者。

今までにも何度もお世話になっている、生き物博士だ。


「おみやげに博士の好きなおまんじゅうを買って、後はトマトとレタスとキュウリがあれば大丈夫かな。
あ、リンゴとミカンも買っていくか」


博士と生き物たちへの差し入れを指折り数えつつ、今からの行動をシュミレーションする。


おみやげを買って、
博士の研究室によって、
ドラゴンへの取材へ向かう。


「忘れ物はないな。よし、行くぞ……っと」


かけ声を自分にかけつつ大きなリュックサックを背負い、まず私は博士たちへの差し入れの買い出しに向かった。