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第2章 来訪者・桜の話
第3話 来訪者・桜
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落ち着きを取り戻した桜は、またポツリポツリと語り始めた。
桜「私は、あの人と離婚を決意して、あの子を引き取る事になりました。あの人にはあの子は必要ないと言われたので。」
幸は桜の一言一言を、優しい眼差しで聞き続けた。
桜「あの人と別れてから、生活が苦しくなって、あの子にもろくに食べさせてあげることが出来ませんでした。」
桜はそう言うと、また1口ハーブティーを飲んだ。
桜「私はあの子に酷いことをしました。本当は優しくしてあげたかったけど、私にはそんな余裕がなくて、段々とあの子を憎むようになってしまいました。」
幸は相変わらず猫を撫でながら、黙って話を聞いていた。
桜「本当は思ってなかったのに、あの子に酷いことを言いました。・・・産まなきゃ良かった・・・って。」
桜はそう言うとまた目に涙を浮かべ始めた。
桜「そしたら・・・あの子は・・・自分で・・・包丁で・・・首を・・・っ」
そこまで言うと、桜は泣き始めてしまった。
桜「あぁ、なんで・・・雪・・・私は・・・ママは貴女に死んで欲しい訳じゃなかったのに・・・っ」
コップをテーブルに戻し、桜は顔を覆い隠すようにし、振り絞るかのような声で叫んだ。
桜「私は・・・っ私・・・はっ・・・母親失格です・・・。あの子を・・・雪を追い詰めて・・・。仕事から帰ったら・・・、あの子が・・・雪が・・・倒れて・・・っっ」
そこまで言うと、桜はわっと泣き始めてしまった。
幸はその様子を見ながら、桜が落ち着くまで待った。
桜「私は、あの人と離婚を決意して、あの子を引き取る事になりました。あの人にはあの子は必要ないと言われたので。」
幸は桜の一言一言を、優しい眼差しで聞き続けた。
桜「あの人と別れてから、生活が苦しくなって、あの子にもろくに食べさせてあげることが出来ませんでした。」
桜はそう言うと、また1口ハーブティーを飲んだ。
桜「私はあの子に酷いことをしました。本当は優しくしてあげたかったけど、私にはそんな余裕がなくて、段々とあの子を憎むようになってしまいました。」
幸は相変わらず猫を撫でながら、黙って話を聞いていた。
桜「本当は思ってなかったのに、あの子に酷いことを言いました。・・・産まなきゃ良かった・・・って。」
桜はそう言うとまた目に涙を浮かべ始めた。
桜「そしたら・・・あの子は・・・自分で・・・包丁で・・・首を・・・っ」
そこまで言うと、桜は泣き始めてしまった。
桜「あぁ、なんで・・・雪・・・私は・・・ママは貴女に死んで欲しい訳じゃなかったのに・・・っ」
コップをテーブルに戻し、桜は顔を覆い隠すようにし、振り絞るかのような声で叫んだ。
桜「私は・・・っ私・・・はっ・・・母親失格です・・・。あの子を・・・雪を追い詰めて・・・。仕事から帰ったら・・・、あの子が・・・雪が・・・倒れて・・・っっ」
そこまで言うと、桜はわっと泣き始めてしまった。
幸はその様子を見ながら、桜が落ち着くまで待った。
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