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第四章
そういえば
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「ふぅ….」
自室にと与えられた、客間と思しき豪華な部屋からバルコニーに出てみる。ちなみに温泉に入る前に着ていた服だけど。
「い、いえ!いいですからっ!」
「そう仰らず。直ぐ綺麗にして参りますので」
と、半ば強引に将軍が下着も含めて一式持って行ってしまったのだ。代わりにパジャマ...何だろうか。入る前に手渡されてた、上からすぽっと着る肌触りの良い服を着ている。
通気性も良く、肌触りも凄く良いんだけど。下着とか履いてないから、何となくスースーするというか落ち着かない。
無論、今は誰も居ないので仮面も着けていない。風呂の時の仕返しか、今現在はベルに命令されたフゥが結界をはって部屋の外に待機している。最初は「マスターと離れたくない」とメチャクチャごねていたのだが…。
『うるせぇ!テメェは散々ユキヤの裸を堪能しただろうが!さっさと行けこのゴミムシが!』
『うきゃーっ!」
ベルはシャーッと威嚇音付きで怒鳴りつけ、尻尾で容赦無くフゥを外に弾き飛ばしたのだった。やり過ぎだと嗜めたが、これでも手加減してると聞く耳持たず。
何だか、到着した当初よりもベル(蛇)の力が増してる気がする。フゥも突っかかる頻度が減ってるような…。まぁそれは良いとして。
『俺の生まれ住んだ国とこの国って、気候が全然違うなぁ…』
この国...カルカンヌ王国は、地球でいえば南米のブラジルみたいな湿度の高い亜熱帯国らしい。
けれど日中はとても暑いが、夜になるとグッと気温が下がるのは砂漠広がる中東のそれだ。
ここら辺、異世界だからなのかなぁ。それとも、人為的に起こされている異常気象が原因なのだろうか。
吹き抜ける夜風が心地よい。ただ、その風にねっとりとした...死の匂いともいえるモノが混じっている。
本来ならば、緑豊かな土地だろうに…。俺は目の前の半分枯れた大地から目を逸らすように、星空を見上げた。
「おお…!気持ち悪くなるぐらいの星の数だな!」
もう、どこに天の川があるのか分からないぐらいにぎゅうぎゅうに詰まった星空だ(天の川があるかは別として)フェレーラも星空は綺麗だったけど、こんな凄い数の星は見られない。あ、流れ星。折角だから祈っておこう。
父さん達、母さん、テオ、皆が元気で笑ってくれていますように。
「そういえば、カルカンヌ王国がどこら辺の位置にあるのか、ザビア将軍に大まかに教えて貰ったんだよな」
この世界には、大陸はざっと分けて5つある。そして、世界の均衡を保つと言われる聖樹ユグドラシルを頂く聖地、ユグドルを中心に東の大陸、西の大陸、南の大陸、北の大陸と言われている。
俺の故郷であるフェレーラ王国は、西の大陸の中心に位置する大国だ。
対してカルカンヌ王国は、南の大陸の東寄りに位置する小国の一つらしい。
最も小国とは言っても毎年安定した作物を収穫出来るし、何よりも防衛の要であるグリフォンの存在があったから、他の国のように「連合国」と言う名の大国の属国にならずに済んでいるそうだが。
聞けば、カルカンヌ王国の上質な砂糖は貴族御用達の上級品に指定されているので、大陸全ての主要国から商人が買い付けに来るのだとか。という事は、フェレーラ国にも輸出しているのかもしれないな。
一通り夜空と夜風を堪能したのち、室内に戻ってソファーに腰掛ける。そして用意されていた水差しを手に取り、グラスに水を注いで一息に飲み干した。
『ユキヤ』
「んっ?」
相変わらず首にゆるやかに巻きついているベルが、タイミング良く俺の唇にコツンと口をつけて来る。
俺の血や料理を口にしているんだから、魔力に飢えている訳ではないと思うんだけど。まあ、単にキスしたいだけなんだろうな。
自室にと与えられた、客間と思しき豪華な部屋からバルコニーに出てみる。ちなみに温泉に入る前に着ていた服だけど。
「い、いえ!いいですからっ!」
「そう仰らず。直ぐ綺麗にして参りますので」
と、半ば強引に将軍が下着も含めて一式持って行ってしまったのだ。代わりにパジャマ...何だろうか。入る前に手渡されてた、上からすぽっと着る肌触りの良い服を着ている。
通気性も良く、肌触りも凄く良いんだけど。下着とか履いてないから、何となくスースーするというか落ち着かない。
無論、今は誰も居ないので仮面も着けていない。風呂の時の仕返しか、今現在はベルに命令されたフゥが結界をはって部屋の外に待機している。最初は「マスターと離れたくない」とメチャクチャごねていたのだが…。
『うるせぇ!テメェは散々ユキヤの裸を堪能しただろうが!さっさと行けこのゴミムシが!』
『うきゃーっ!」
ベルはシャーッと威嚇音付きで怒鳴りつけ、尻尾で容赦無くフゥを外に弾き飛ばしたのだった。やり過ぎだと嗜めたが、これでも手加減してると聞く耳持たず。
何だか、到着した当初よりもベル(蛇)の力が増してる気がする。フゥも突っかかる頻度が減ってるような…。まぁそれは良いとして。
『俺の生まれ住んだ国とこの国って、気候が全然違うなぁ…』
この国...カルカンヌ王国は、地球でいえば南米のブラジルみたいな湿度の高い亜熱帯国らしい。
けれど日中はとても暑いが、夜になるとグッと気温が下がるのは砂漠広がる中東のそれだ。
ここら辺、異世界だからなのかなぁ。それとも、人為的に起こされている異常気象が原因なのだろうか。
吹き抜ける夜風が心地よい。ただ、その風にねっとりとした...死の匂いともいえるモノが混じっている。
本来ならば、緑豊かな土地だろうに…。俺は目の前の半分枯れた大地から目を逸らすように、星空を見上げた。
「おお…!気持ち悪くなるぐらいの星の数だな!」
もう、どこに天の川があるのか分からないぐらいにぎゅうぎゅうに詰まった星空だ(天の川があるかは別として)フェレーラも星空は綺麗だったけど、こんな凄い数の星は見られない。あ、流れ星。折角だから祈っておこう。
父さん達、母さん、テオ、皆が元気で笑ってくれていますように。
「そういえば、カルカンヌ王国がどこら辺の位置にあるのか、ザビア将軍に大まかに教えて貰ったんだよな」
この世界には、大陸はざっと分けて5つある。そして、世界の均衡を保つと言われる聖樹ユグドラシルを頂く聖地、ユグドルを中心に東の大陸、西の大陸、南の大陸、北の大陸と言われている。
俺の故郷であるフェレーラ王国は、西の大陸の中心に位置する大国だ。
対してカルカンヌ王国は、南の大陸の東寄りに位置する小国の一つらしい。
最も小国とは言っても毎年安定した作物を収穫出来るし、何よりも防衛の要であるグリフォンの存在があったから、他の国のように「連合国」と言う名の大国の属国にならずに済んでいるそうだが。
聞けば、カルカンヌ王国の上質な砂糖は貴族御用達の上級品に指定されているので、大陸全ての主要国から商人が買い付けに来るのだとか。という事は、フェレーラ国にも輸出しているのかもしれないな。
一通り夜空と夜風を堪能したのち、室内に戻ってソファーに腰掛ける。そして用意されていた水差しを手に取り、グラスに水を注いで一息に飲み干した。
『ユキヤ』
「んっ?」
相変わらず首にゆるやかに巻きついているベルが、タイミング良く俺の唇にコツンと口をつけて来る。
俺の血や料理を口にしているんだから、魔力に飢えている訳ではないと思うんだけど。まあ、単にキスしたいだけなんだろうな。
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