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第一章

召喚師についてのアレコレ

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今現在、俺は自分の部屋にあるベッドの上にて悶々と眠れぬ時間を過ごしている。

いきなり王子様と決闘をする事になったり、実母が判明したり、自身のスキルを告げられたりと、今日は色々と濃い1日だった。

そういえば、母さんに本当は何千歳?って聞いてぶっ飛ばされた。

やはりどの世界でも、女性に年の話をするのはタブーのようだ。てか、「何百歳なら兎も角、なに最初から何千歳とか聞いてくるのだこの馬鹿息子!!」って詰られた。父さんも呆れ顔だったな。

しかし…俺のスキルって『魅了』だったのか…。

師匠…いや、母いわく、俺が誰かれ構わずタラシこんでいるのは、多分その魅了の力が上手く制御出来ず、駄々もれしている状態だからだろうとの事だ。

魔力の方もしかりで、このスキルを制御さえ出来れば、普通に力を行使出来るようになるかもしれないとの事。もっとも、あくまで仮定だけれど。

え?なに?それじゃあそのスキルを制御出来たら俺、普通の男子として普通の恋愛とか出来るの?って母さんと父さんに聞いたら、何故か目を逸らされた。ついでに義父にもだ。
「……可能性は限りなく低いな……」

「魅了が落ち着いても、父親譲りの美貌があるからなぁ……」

なんて、憐れみと同情のこもった眼差しで言われてしまった。うん、分かってたけど地味に凹む。

「そういえば、ゲームやアニメでは魅了の力って神様系や悪魔系のキャラがよく使っていたよな」

いわゆる、神々の魅了……とかなんとか。

対極で魔の魅了ってのもあったな。確かにどのキャラも、相手を自由にタラシこんでいたっけ。そんな力が俺にあったとは……。

でもこの世界における魅了の魔力って、人間に対しては「なんかあの人、やたらとモテるね」程度にしか効かないのだそうだ。

成程……。だから今迄読んだ漫画や小説みたいに、禁忌魔法指定されていないのか。

まあでも人間以外にはとてもよく効く超希少なスキルである事には変わりなく、召喚士にとって喉から手が出る程欲しいスキルなんだって。

しかもそのスキルの大小によって、呼び出す魔物や召喚獣のランクが決まるそうで、過去には一国を滅ぼすレベルの魔獣を使役した召喚士もいたんだって。

それは誰かと言えば、母さんやその仲間達が倒した魔族だったそうだ。
そんな力が俺にあるなんて…。なんかカッコよくね?俺。まさにリアルRPG。

でも実はこの力って、最も自滅率の高いスキルでもあるらしい。

そうだよな。確かに自分がそういう力を持っていると知らず、誰かれ構わず相手を惹き付けていれば、それを利用しようとする者や力づくで我が物にしようとする輩が絶対現れるだろう。

仮に自分で気付けたとしても、制御する術を見つけなければ、より悲惨な事になってしまう。誰もが俺のように、力のある人が守ってくれる環境にいる訳ではないのだ。

俺の元いた世界でも、傾国の美女だ、カリスマだって歴史上の人物が色々いたけど、大体が若くして亡くなっていたり、栄華を誇っても最終的には悲惨な死を遂げている。

……ひょっとしたら彼らにも、魅了と同等のスキルがあったのかもしれないな。
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