詩集『刺繡』

新帯 繭

文字の大きさ
上 下
85 / 92

カゲロウの命

しおりを挟む
短命は嘆くもの
ずっとそう思って生きてきた
それは悲しい事実なのだと、
固定概念で知った気になっていた。
生きるということは重労働だ
つまりは誰かのために生きている
それは全ての人が、誰かのために
人知れず役立ち、支え合って存在する

生きるとは、心の生業
何かしら思うから、共感を求め
それのために、働くのだ。
誰かに認めてもらうために、
ただそれだけに生きている。
誰かを認めるために、命を燃やす。
支えるために、その難行を果たすため
不可抗力により、未練を残す。
その未練がまた、命を蠟燭のように
生きとし生けるものに、不平等に
不公平に、寿命を延ばし続ける。

命とは、奇跡でしかない
生きていることは、当たり前ではない
終わりは突然すぎて、生を不平等に壊す。
死神は、現れないが見つめている。
ずっと見守って、統制している。
死の悲しさは、変わりはしない。
ただ当事者の気持ちは、突然知るのだ。

それまでの一生というものを、
誰かのために無理やりではなく、
自分のために、好きなように
自由に楽しんで、穏やかに
肯定的に生きられたら、
人の道を踏み外さず、程よく遊んで
只管、真面目に道を歩んで、
宿題を攻略しながら、過ごせたら、
きっと優しくなれる そう信じている。

綺麗ごとではない、切実な願い
後悔の少ない人生を、『良かった』の一言で
ぼんやりと過ごせたら、きっと幸せだろう。
笑って別れを告げられる そういう人に
私は憧れながら、生きられたら……。
限られるから、悲しむのではない
限られるから、精一杯喜べる
一生懸命に、輝けるいということを
カゲロウではない 人間の私は
想いながら、また長生きを夢見る。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

おむつオナニーやりかた

rtokpr
エッセイ・ノンフィクション
おむつオナニーのやりかたです

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...