34 / 45
34話
しおりを挟む
学校も寮も基本的に冷房が効いているからか、世間がこんなに暑いということを隼はうっかり忘れていた。
「……こんなところで引きこもりの影響が……」
寮から最寄駅、そして弱冷房の電車に揺られた後ますます日差しが強くなっていた中を、ふらふらしながらまた最寄駅から自宅までの道を隼は歩いた。
ようやく家へたどり着いた時はホッとして、いつもならきちんと荷物を片付けてから寛ぐところを、そのまま放り投げるようにしてキッチンの冷蔵庫へ直行する。心行くまま冷たいお茶を堪能した後で冷凍庫に入っているアイスに愛を誓いながら口に咥え、リビングの横にある和室の畳へダイブした。ソファーよりも畳で思いきり横になりたかった。
冷房が効いている時点でおかしいと思うべきだったのだろうが、昼間はお手伝いの人がいたりするので違和感を感じなかった。
「あっつぅ……!」
愚痴を叫びながらようやく人心地ついてアイスを食べつつ横を向くと隼は固まった。そこには同じくアイスを咥えながら横になり固まっている父親、賢次がいたからだ。
「っお、父さ……っ?」
固まったままある意味見つめ合ったのは多分一瞬だったとは思われる。がばりと起きあがり顔をひきつらせながら声を出すと、「お……お前、明日、帰ってくるんじゃ……」と唖然としながらも同じように賢次が起きあがる。
「めんど……いえ、とりあえず用事もなかったんで帰ってきただけ、です……。お父さんは……病院は……」
「……今日は朝のみだった」
「そ、そうですか。……えっと、俺、成績、上がりました」
嫌っている上に苦手な父親の元から離れたいと思う前に、混乱していた隼は突然そんなことを言った後で自分に微妙になる。
何を言ってるんだ、俺は。
心で突っ込んでいると「当然だ」と賢次が既に立ち上がりながらボソリと返してきた。
……ああ、そうだろうな。
当然という言葉を聞いて隼はすっと何か冷えたものが過った気がした。
そりゃそう言うだろうな、わかっていた。
「お前はこの俺の子だからな」
だが間があった後にボソリと呟いてきた言葉を聞き、隼はポカンと父親を見る。賢次はもうそれ以上は何も言うことなく、多分アイスは溶けないよう口に入れたままなのだろうが顔も見せることなくその部屋から出ていってしまった。
以前ならば今聞こえてきた言葉も、ただ嫌な思いにしかならなかったかもしれない。
ああ……。
隼は心の中で呟いた。前からなぜあんなに落ち着かないし腹立たしい気になるのかわかった。顔を少しひきつらせながら隼は口に出していた。
「……雪城先輩とお父さん……嫌なほど妙なところ被るんだけど……!」
多分以前だったら「当然だ」という言葉に隠れてしまい、「俺の子どもならそれくらいできて当然だ」としか聞こえなかっただろうと思う。だが今なら何となくわかる。偉そうに「この俺様の子なんだからな」とさえ聞こえそうな台詞に込められた自分に対する受容や是認を。
隼は自分の顔が少し赤くなるのがわかった。父親のことは本当に苦手で嫌いだと思っていたけれども……と思っていると、手にぼたりと溶けたアイスが落ちてきた。慌てて残りのアイスを口にしてから手についたアイスも舐めとった。
その夜母親の七枝が帰ってきてから三人で夕食を食べたが、賢次はいつものように厳格そうな表情で黙ったままだった。だがそんな顔を見ながらクラスメイトが話していた「美少年」という言葉を思い出してしまい、隼は笑いそうになるのを何とか堪えていた。
賢次の態度はやはりいつもと同じではある。それでも何だか違う風に見えてしまうのはやはり凪やクラスメイトの影響なのだろうか。
数日後、七枝の仕事が休みの時に隼は聞いてみた。
「お母さん」
「どうかした?」
「……あの……お父さんですが」
「お父様?」
「はい。……あの」
だがいざ聞こうと思ってもこれといった言葉が浮かばない。
「えっと、お父さんが料理しないのは何故なんですか」
そして自分でも何故そうなったと思うような質問になってしまった。だが七枝はポカンとしていたがすぐニッコリ笑ってきた。
「お父様も昔は何度か挑戦していたのよ。でもあの人ほんっと料理の才能なくてね。最初なんて米を洗剤で洗おうとしてて。気づいてほんとよかったわよ、あれは」
「っぶ」
米を洗剤でと聞いた途端、また凪が頭に浮かんで隼は思わず吹き出した。そんな隼を優しく微笑んで見てきた後、七枝が続けた。
「お父様って何でもできそうだけど、実はそうでもないのよ。でもほら見た目がかわいいでしょ。私は全然それでいいと思うけど、本人はすごくそれが嫌なのか昔から本当に努力家なの。だから何でも真面目に頑張る人なんだけど、料理だけはね……どうしようもなくて」
うふふ、と楽しそうに笑う。
「だからあの人が料理をする必要がないと思ってもらうように私が仕事の合間にしてるのよ。お手伝いさんにしてもらってたらどうしても自分がやろうとか思っちゃうみたいなのよね」
隼はポカンと七枝を見た。
「そ、んなこと初めて知りました」
「そうね、私も言わないから。だってほら。お父様はあなたたちのお手本となるような立派なお父様でいたいようなのよ。なのにこんなこと言っちゃったらちょっと違う感じになっちゃうでしょ」
「それで別にいいのでは……」
むしろそのほうがずっと、と隼は首を傾げる。
「わかってあげて。本当に童顔なこと、とても気になさってるの」
そんな風に言いながらも、七枝はとてもおかしそうに笑っている。母親の様子が「頑張って威厳を保とうとしているけど童顔だから……」と思っているように見える。昔から父親について隼がたまに言うと、おかしそうにしていた理由がようやく少しわかったような気がした。そして少し微妙な顔になる。
「今あなたに聞かれたこともいつもなら言わないんだけどね。昨日お父様があなたに『俺の子だから』とか言ったんでしょう?」
「は? ああ、ええ」
「だから言おうかなって思ったの」
「?」
隼が怪訝そうに七枝を見ると「ようやく少し頑張ってみる気になったようだから」とよくわからないことを言ってから「そういえば」と違う話を振ってきた。
「彼女と別れちゃったんですって?」
「は? な、何でそんなこと……」
突然そう言われ、隼は少し焦ったように七枝を見た。
「母親はわりと息子のことは何でも知っているものなんです。でも残念ね。確かとてもかわいい子だったわよね」
「……はぁ。でもまあお互い納得して、なので」
親とこういう話をするのはさすがに落ち着かない、と隼は少しそわそわした。
「で、今は好きな人できたの?」
「何でそうなるんですか……。別にいません」
「そうなの? せっかくお父様に似て美少年なんだからもったいないわねえ」
美少年と聞いて隼はまた少し吹き出してしまった。
「……ていうか俺、そんなにお父さんに似てるんですか……」
「あら、それだけ生きてきて毎日自分の顔を見ていて知らなかったの? あなたもほんとうっかりさんね。お勉強だけじゃだめよ」
「……」
その日の夜、眠る時にもふとそんな会話が浮かんできた。
ちょっと何考えているのかわからなくて素直じゃなさそうなところは、同居人の雅也にも似ているような気もする。だがやはり凪が父親と被るような気がした。落ち着かないし腹立たしいと思いながらもつい勉強を教えて貰ったり、傍でつい眠ってしまったりしていたことを思い出し、隼はまた少し顔が熱くなった。どこかで苦手だと、嫌いだと思っていた父親に甘えたかったのだろうか。
そして鬱陶しいと思いつつもだんだん慣れてきていた凪に、初めて少し感謝の気持ちが湧いた。あのどうしようもない人に慣れたからこそ、父親に対して少し違ったように見られた気がする。そして母親に父親のことを何か聞こうと思えた気がする。
凪だけでなく、氷聖やそして基本尊敬している和颯も、もしかしたらこうして出会えてよかったのかもしれない。そして雅也とも。
「好きな人はできたの?」
ふと母親の言葉が頭を過った。
……好きな、人。……人……ペット……。
気づけば隼はぐっすり眠りに陥っていた。
「……こんなところで引きこもりの影響が……」
寮から最寄駅、そして弱冷房の電車に揺られた後ますます日差しが強くなっていた中を、ふらふらしながらまた最寄駅から自宅までの道を隼は歩いた。
ようやく家へたどり着いた時はホッとして、いつもならきちんと荷物を片付けてから寛ぐところを、そのまま放り投げるようにしてキッチンの冷蔵庫へ直行する。心行くまま冷たいお茶を堪能した後で冷凍庫に入っているアイスに愛を誓いながら口に咥え、リビングの横にある和室の畳へダイブした。ソファーよりも畳で思いきり横になりたかった。
冷房が効いている時点でおかしいと思うべきだったのだろうが、昼間はお手伝いの人がいたりするので違和感を感じなかった。
「あっつぅ……!」
愚痴を叫びながらようやく人心地ついてアイスを食べつつ横を向くと隼は固まった。そこには同じくアイスを咥えながら横になり固まっている父親、賢次がいたからだ。
「っお、父さ……っ?」
固まったままある意味見つめ合ったのは多分一瞬だったとは思われる。がばりと起きあがり顔をひきつらせながら声を出すと、「お……お前、明日、帰ってくるんじゃ……」と唖然としながらも同じように賢次が起きあがる。
「めんど……いえ、とりあえず用事もなかったんで帰ってきただけ、です……。お父さんは……病院は……」
「……今日は朝のみだった」
「そ、そうですか。……えっと、俺、成績、上がりました」
嫌っている上に苦手な父親の元から離れたいと思う前に、混乱していた隼は突然そんなことを言った後で自分に微妙になる。
何を言ってるんだ、俺は。
心で突っ込んでいると「当然だ」と賢次が既に立ち上がりながらボソリと返してきた。
……ああ、そうだろうな。
当然という言葉を聞いて隼はすっと何か冷えたものが過った気がした。
そりゃそう言うだろうな、わかっていた。
「お前はこの俺の子だからな」
だが間があった後にボソリと呟いてきた言葉を聞き、隼はポカンと父親を見る。賢次はもうそれ以上は何も言うことなく、多分アイスは溶けないよう口に入れたままなのだろうが顔も見せることなくその部屋から出ていってしまった。
以前ならば今聞こえてきた言葉も、ただ嫌な思いにしかならなかったかもしれない。
ああ……。
隼は心の中で呟いた。前からなぜあんなに落ち着かないし腹立たしい気になるのかわかった。顔を少しひきつらせながら隼は口に出していた。
「……雪城先輩とお父さん……嫌なほど妙なところ被るんだけど……!」
多分以前だったら「当然だ」という言葉に隠れてしまい、「俺の子どもならそれくらいできて当然だ」としか聞こえなかっただろうと思う。だが今なら何となくわかる。偉そうに「この俺様の子なんだからな」とさえ聞こえそうな台詞に込められた自分に対する受容や是認を。
隼は自分の顔が少し赤くなるのがわかった。父親のことは本当に苦手で嫌いだと思っていたけれども……と思っていると、手にぼたりと溶けたアイスが落ちてきた。慌てて残りのアイスを口にしてから手についたアイスも舐めとった。
その夜母親の七枝が帰ってきてから三人で夕食を食べたが、賢次はいつものように厳格そうな表情で黙ったままだった。だがそんな顔を見ながらクラスメイトが話していた「美少年」という言葉を思い出してしまい、隼は笑いそうになるのを何とか堪えていた。
賢次の態度はやはりいつもと同じではある。それでも何だか違う風に見えてしまうのはやはり凪やクラスメイトの影響なのだろうか。
数日後、七枝の仕事が休みの時に隼は聞いてみた。
「お母さん」
「どうかした?」
「……あの……お父さんですが」
「お父様?」
「はい。……あの」
だがいざ聞こうと思ってもこれといった言葉が浮かばない。
「えっと、お父さんが料理しないのは何故なんですか」
そして自分でも何故そうなったと思うような質問になってしまった。だが七枝はポカンとしていたがすぐニッコリ笑ってきた。
「お父様も昔は何度か挑戦していたのよ。でもあの人ほんっと料理の才能なくてね。最初なんて米を洗剤で洗おうとしてて。気づいてほんとよかったわよ、あれは」
「っぶ」
米を洗剤でと聞いた途端、また凪が頭に浮かんで隼は思わず吹き出した。そんな隼を優しく微笑んで見てきた後、七枝が続けた。
「お父様って何でもできそうだけど、実はそうでもないのよ。でもほら見た目がかわいいでしょ。私は全然それでいいと思うけど、本人はすごくそれが嫌なのか昔から本当に努力家なの。だから何でも真面目に頑張る人なんだけど、料理だけはね……どうしようもなくて」
うふふ、と楽しそうに笑う。
「だからあの人が料理をする必要がないと思ってもらうように私が仕事の合間にしてるのよ。お手伝いさんにしてもらってたらどうしても自分がやろうとか思っちゃうみたいなのよね」
隼はポカンと七枝を見た。
「そ、んなこと初めて知りました」
「そうね、私も言わないから。だってほら。お父様はあなたたちのお手本となるような立派なお父様でいたいようなのよ。なのにこんなこと言っちゃったらちょっと違う感じになっちゃうでしょ」
「それで別にいいのでは……」
むしろそのほうがずっと、と隼は首を傾げる。
「わかってあげて。本当に童顔なこと、とても気になさってるの」
そんな風に言いながらも、七枝はとてもおかしそうに笑っている。母親の様子が「頑張って威厳を保とうとしているけど童顔だから……」と思っているように見える。昔から父親について隼がたまに言うと、おかしそうにしていた理由がようやく少しわかったような気がした。そして少し微妙な顔になる。
「今あなたに聞かれたこともいつもなら言わないんだけどね。昨日お父様があなたに『俺の子だから』とか言ったんでしょう?」
「は? ああ、ええ」
「だから言おうかなって思ったの」
「?」
隼が怪訝そうに七枝を見ると「ようやく少し頑張ってみる気になったようだから」とよくわからないことを言ってから「そういえば」と違う話を振ってきた。
「彼女と別れちゃったんですって?」
「は? な、何でそんなこと……」
突然そう言われ、隼は少し焦ったように七枝を見た。
「母親はわりと息子のことは何でも知っているものなんです。でも残念ね。確かとてもかわいい子だったわよね」
「……はぁ。でもまあお互い納得して、なので」
親とこういう話をするのはさすがに落ち着かない、と隼は少しそわそわした。
「で、今は好きな人できたの?」
「何でそうなるんですか……。別にいません」
「そうなの? せっかくお父様に似て美少年なんだからもったいないわねえ」
美少年と聞いて隼はまた少し吹き出してしまった。
「……ていうか俺、そんなにお父さんに似てるんですか……」
「あら、それだけ生きてきて毎日自分の顔を見ていて知らなかったの? あなたもほんとうっかりさんね。お勉強だけじゃだめよ」
「……」
その日の夜、眠る時にもふとそんな会話が浮かんできた。
ちょっと何考えているのかわからなくて素直じゃなさそうなところは、同居人の雅也にも似ているような気もする。だがやはり凪が父親と被るような気がした。落ち着かないし腹立たしいと思いながらもつい勉強を教えて貰ったり、傍でつい眠ってしまったりしていたことを思い出し、隼はまた少し顔が熱くなった。どこかで苦手だと、嫌いだと思っていた父親に甘えたかったのだろうか。
そして鬱陶しいと思いつつもだんだん慣れてきていた凪に、初めて少し感謝の気持ちが湧いた。あのどうしようもない人に慣れたからこそ、父親に対して少し違ったように見られた気がする。そして母親に父親のことを何か聞こうと思えた気がする。
凪だけでなく、氷聖やそして基本尊敬している和颯も、もしかしたらこうして出会えてよかったのかもしれない。そして雅也とも。
「好きな人はできたの?」
ふと母親の言葉が頭を過った。
……好きな、人。……人……ペット……。
気づけば隼はぐっすり眠りに陥っていた。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
オレに触らないでくれ
mahiro
BL
見た目は可愛くて綺麗なのに動作が男っぽい、宮永煌成(みやなが こうせい)という男に一目惚れした。
見た目に反して声は低いし、細い手足なのかと思いきや筋肉がしっかりとついていた。
宮永の側には幼なじみだという宗方大雅(むなかた たいが)という男が常におり、第三者が近寄りがたい雰囲気が漂っていた。
高校に入学して環境が変わってもそれは変わらなくて。
『漫画みたいな恋がしたい!』という執筆中の作品の登場人物目線のお話です。所々リンクするところが出てくると思います。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
とろけてなくなる
瀬楽英津子
BL
ヤクザの車を傷を付けた櫻井雅(さくらいみやび)十八歳は、多額の借金を背負わされ、ゲイ風俗で働かされることになってしまった。
連れて行かれたのは教育係の逢坂英二(おうさかえいじ)の自宅マンション。
雅はそこで、逢坂英二(おうさかえいじ)に性技を教わることになるが、逢坂英二(おうさかえいじ)は、ガサツで乱暴な男だった。
無骨なヤクザ×ドライな少年。
歳の差。
その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました
海野幻創
BL
人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀(いくたまさき)は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。
しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。
偶然出会った久世透(くぜとおる)は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。
御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。
これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。
【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】
【続編も8/17完結しました。】
「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785
↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる