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5話
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あの日以来二人の進展を期待していた煌だが、今のところ相変わらず二人に接触はない。多分あの日は盆と正月だったのだと思うしかない。
いつものように実邦の部屋へ遊びに行き、ゲームをしていると煌はだんだん眠くなってきた。とはいえこれもよくあることだ。珍しくもない。
実邦の部屋でゲームをしているとはいえ、実邦は基本的にやらない。二人でないとプレイできないようなゲームだと一緒にやってくれたりもするが、大抵は煌一人でプレイしている。ならわざわざ実邦の部屋へ行く必要がないではないかと誰かに話せば突っ込まれそうだが、あいにく煌はハードを持っていない。コンシューマーゲームは好きだが、昔から親に「欲しい」と言えば「じゃあ成績がここまで上がったらね」などと条件をつけられ、そして毎回その条件を情けないことに達成できずにきたからだ。その悔しさをその度に実邦にぶちまけていた。そんなある日「ゲーム買った」と実邦がさらりと言ってからこうして度々ゲームをしに来ている。その後煌がBLにはまってしまい小遣いをつい商業本などに費やしてしまうようになり、自分で貯めてゲームを買うという考えもずいぶん昔に捨てているため大助かりだ。
ただ実邦はちっとも一緒にしない。不思議に思い「何でゲーム買ったの」と聞けば「やりたいからだけど」と返ってくる。
「でもやらないだろ、いつも」
「一人でするタイプだから。現に一緒にするゲーム、俺上手いでしょ?」
「た、確かに」
煌としてはできるのなら一緒に楽しみたい気持ちがあるが、無理強いするものでもないしと一人で楽しませてもらっている。その横で実邦はそのゲームを眺めたり本を読んだりしていることが多い。
「コウ、眠いなら寝れば」
「ん……でもここ、あと少しでクリア……」
「寝ながらやっても失敗するだけでしょ」
「まぁ、そだな……」
確かに舟をこぎながらゲームをして大事なアイテムを逃したりすることもあったので、煌は素直に実邦の言う通りにした。
「ベッド使っていいよ」
「ん……」
「でもジーンズは脱いでね」
「わかった」
ぼんやりタイプのわりに実邦は多少潔癖症なのか、いつも煌がベッドを使わせてもらう時はズボンを脱ぐよう言ってくる。最初言われた時に「めんどくせーんだけど、何で」と文句を垂れたら「コウ、平気で外だろうがどこでも座ったりするでしょ。床くらいなら別にいいけどさすがにベッドにそんなズボンで上がって欲しくないから」と返ってきた。そう言われるとまあ確かにそうかもと納得し、それ以来素直に脱いでいる。別に昔からの幼馴染な上に同性だ。パンツ一丁でも気にならない。
……ああでもこれがBLならあれだ、俺が寝ている間にヤラシーコト、されるやつだ。ズボン脱いでるから手間も省けて、散々弄られるのに俺は寝ててされるがままってやつ。でも夢でヤラシー内容でてきたりして、やっぱ興奮しちゃって、ってやつな。で、受けは知らない間にどんどん開発されてたらなおよしだわ。むしろ開発されて欲しい。で、いずれ起きてる時に攻めにやられて、自分がやべーくらいにエッチになってて驚くやつな。そういうのもけっこういい感じにエロいよな。でも散々ぐずぐずにされても気づかねえとかどんだけ眠り深いんだよって話だけどな。
とはいえそういうのも好きだよ俺は、などと満足げに思いながら、煌は実邦のベッドに潜り込むと気持ちよく眠りに陥った。自慢じゃないが寝つきはいい。中々起きず寝汚いとは言われるが、眠るのはあっという間だ。実邦にも「悩みがなさそうでいいね」と言われたこともある。
「俺だって悩みくらいあるんだからな」
「例えば?」
「……せっかく男子校入ったのにリアルBLを目の当たりにできない」
「ああうん、さすがだね」
こちとらそれなりに本気で悩んでいたというのに、それを実邦に打ち明ければそっと小さく微笑まれ、頭を撫でられた。多分生温い気持ちになったのだろう。他人からすればそうなるだろうなとわからないでもないが、煌としてはそれなりに本気だけにムッとしているともう一度撫でられ「いつか見られるといいね」と言ってくれた。やはり実邦は実邦だし大好きな幼馴染だと思う。
うたた寝するのではなく短いながらにがっつりと寝るからか、いつも起きた時点で夢を見ていた記憶はない。今回もそうだった。どうせなら眠る前に少し妄想したような、寝ている間に何かされる受けの夢とかを見たいなと少し思う。もちろんどこかの受けの話であって自分がされたいわけではない。
ただ、短時間だろうがぐっすり眠るからか、いつも起きた時妙にすっきりしていて別にやらしい夢を見なくても満足ではある。
「おはよ。コーヒー淹れたから飲むといいよ」
「ああ、通りで部屋にコーヒーの匂いが充満してると思った! 飲む飲む。サネが淹れるコーヒー、美味いんだもん」
嬉しげにベッドから降りてさっそくコーヒーを飲もうとすれば「その前にズボン履いたほうがいいよ」と言われ、下は下着姿だったと思い出した。
「そいやそうだったな」
「……コウは無防備だからね」
「何で無防備扱いになんの。うっかり忘れてただけだろ」
「……そうだね」
実邦が微笑んできた。
いつものように実邦の部屋へ遊びに行き、ゲームをしていると煌はだんだん眠くなってきた。とはいえこれもよくあることだ。珍しくもない。
実邦の部屋でゲームをしているとはいえ、実邦は基本的にやらない。二人でないとプレイできないようなゲームだと一緒にやってくれたりもするが、大抵は煌一人でプレイしている。ならわざわざ実邦の部屋へ行く必要がないではないかと誰かに話せば突っ込まれそうだが、あいにく煌はハードを持っていない。コンシューマーゲームは好きだが、昔から親に「欲しい」と言えば「じゃあ成績がここまで上がったらね」などと条件をつけられ、そして毎回その条件を情けないことに達成できずにきたからだ。その悔しさをその度に実邦にぶちまけていた。そんなある日「ゲーム買った」と実邦がさらりと言ってからこうして度々ゲームをしに来ている。その後煌がBLにはまってしまい小遣いをつい商業本などに費やしてしまうようになり、自分で貯めてゲームを買うという考えもずいぶん昔に捨てているため大助かりだ。
ただ実邦はちっとも一緒にしない。不思議に思い「何でゲーム買ったの」と聞けば「やりたいからだけど」と返ってくる。
「でもやらないだろ、いつも」
「一人でするタイプだから。現に一緒にするゲーム、俺上手いでしょ?」
「た、確かに」
煌としてはできるのなら一緒に楽しみたい気持ちがあるが、無理強いするものでもないしと一人で楽しませてもらっている。その横で実邦はそのゲームを眺めたり本を読んだりしていることが多い。
「コウ、眠いなら寝れば」
「ん……でもここ、あと少しでクリア……」
「寝ながらやっても失敗するだけでしょ」
「まぁ、そだな……」
確かに舟をこぎながらゲームをして大事なアイテムを逃したりすることもあったので、煌は素直に実邦の言う通りにした。
「ベッド使っていいよ」
「ん……」
「でもジーンズは脱いでね」
「わかった」
ぼんやりタイプのわりに実邦は多少潔癖症なのか、いつも煌がベッドを使わせてもらう時はズボンを脱ぐよう言ってくる。最初言われた時に「めんどくせーんだけど、何で」と文句を垂れたら「コウ、平気で外だろうがどこでも座ったりするでしょ。床くらいなら別にいいけどさすがにベッドにそんなズボンで上がって欲しくないから」と返ってきた。そう言われるとまあ確かにそうかもと納得し、それ以来素直に脱いでいる。別に昔からの幼馴染な上に同性だ。パンツ一丁でも気にならない。
……ああでもこれがBLならあれだ、俺が寝ている間にヤラシーコト、されるやつだ。ズボン脱いでるから手間も省けて、散々弄られるのに俺は寝ててされるがままってやつ。でも夢でヤラシー内容でてきたりして、やっぱ興奮しちゃって、ってやつな。で、受けは知らない間にどんどん開発されてたらなおよしだわ。むしろ開発されて欲しい。で、いずれ起きてる時に攻めにやられて、自分がやべーくらいにエッチになってて驚くやつな。そういうのもけっこういい感じにエロいよな。でも散々ぐずぐずにされても気づかねえとかどんだけ眠り深いんだよって話だけどな。
とはいえそういうのも好きだよ俺は、などと満足げに思いながら、煌は実邦のベッドに潜り込むと気持ちよく眠りに陥った。自慢じゃないが寝つきはいい。中々起きず寝汚いとは言われるが、眠るのはあっという間だ。実邦にも「悩みがなさそうでいいね」と言われたこともある。
「俺だって悩みくらいあるんだからな」
「例えば?」
「……せっかく男子校入ったのにリアルBLを目の当たりにできない」
「ああうん、さすがだね」
こちとらそれなりに本気で悩んでいたというのに、それを実邦に打ち明ければそっと小さく微笑まれ、頭を撫でられた。多分生温い気持ちになったのだろう。他人からすればそうなるだろうなとわからないでもないが、煌としてはそれなりに本気だけにムッとしているともう一度撫でられ「いつか見られるといいね」と言ってくれた。やはり実邦は実邦だし大好きな幼馴染だと思う。
うたた寝するのではなく短いながらにがっつりと寝るからか、いつも起きた時点で夢を見ていた記憶はない。今回もそうだった。どうせなら眠る前に少し妄想したような、寝ている間に何かされる受けの夢とかを見たいなと少し思う。もちろんどこかの受けの話であって自分がされたいわけではない。
ただ、短時間だろうがぐっすり眠るからか、いつも起きた時妙にすっきりしていて別にやらしい夢を見なくても満足ではある。
「おはよ。コーヒー淹れたから飲むといいよ」
「ああ、通りで部屋にコーヒーの匂いが充満してると思った! 飲む飲む。サネが淹れるコーヒー、美味いんだもん」
嬉しげにベッドから降りてさっそくコーヒーを飲もうとすれば「その前にズボン履いたほうがいいよ」と言われ、下は下着姿だったと思い出した。
「そいやそうだったな」
「……コウは無防備だからね」
「何で無防備扱いになんの。うっかり忘れてただけだろ」
「……そうだね」
実邦が微笑んできた。
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