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17話 ※

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 音路の教えもあってか、実央の尻穴の開発は順調に進んでいた。もちろんここは笑うところではない。貴も実央もわりと真剣だったりする。筋肉をほぐすことにまず専念してからたっぷりのローションを何度も補充して貴はゆっくりと実央の中を解していった。
 最初はそれでも指一本ですらきつくて難しかったが、何度も日数をかけて繰り返している内に柔らかくなりやすくなった。どうしても緊張してしまうであろう実央も慣れていくうちに肛門の筋肉を緩めることを覚えたのか、指はどんどん入れやすくなっていく。
 その代わり、中指を曲げてみて実央の感じるところも探せるようになると、ある意味貴は心身共にどんどんきつくなっていった。指を入れやすいように横向きだけでなくM字開脚や四つん這いの体勢を取ってもらっているせいもあるが、何より直腸の壁越しにビクビクと痙攣している部分を見つけて触れると、実央がかわいく喘いでくれるせいで色々きつい。本人いわく「どこがかわいいのかわからない」らしく、喘ぐのをとても嫌がって堪えようとしているところまでセットでかわいい。多くの神経終末が密集しているらしい前立腺は、音路が「ちんこを刺激されるより気持ちいいらしい場所」とも言っていた。

「感度を磨くことで快感を得られるようになる場所らしいし、がんばってね、二人とも」
「というかさっきから、らしいって何」
「だって俺、アナニーもネコもしないから。男にも女にも俺はタチだからね」
「……ものすごくどうでもいいな」

 貴が微妙な顔をすると楽しげに笑われた。
 とにかく、実際その辺りを刺激させると実央は最近、とても気持ちよさそうにする。最初の頃は指一本でも苦しそうだったし、前立腺マッサージもあまりよくなさそうだったのが嘘みたいだ。だいたい半時間から一時間ほどかけて指の腹を上下にして撫でたりバイブのように指を震わせてマッサージするのだが、最近では次第に実央の下半身が震えてきて半時間ももたずに絶頂を迎える。貴も初めて知ったのだが、穴で達すると射精を伴わないまま達することも多いようだ。現に実央は射精することなく達し、その後マッサージを続けたらまた射精なしで達している。

「た、かく、ん……無理、も、無理……俺、いきすぎ……きつい、し、ちんこで、いきた、い」
「ごめんね、みぃ。でも射精なしでいくみぃ、すごくかわいい」
「っ、そ、んなこと言っても、駄目! どうにか、なっちゃ……っ、ん、ぁあ、あっ」

 かわいい、と何度も顔や唇や胸にキスしながらマッサージを続けていると実央がまた達してきた。嘘偽りなくかわいすぎて貴がどうにかなりそうだ。

「ックソ、せー、えき、出し、たい」
「じゃあ、後ろと前一緒にいこっか」
「や、やだやだやだっ」

 嫌だと言う声が掠れつつとても甘い。確かにきついのだろうが、ちゃんと気持ちもいいのだろうと判断して貴は指で中をさらに広げながら前立腺マッサージを続けつつ、今もずっと硬く反り上がっている実央のものを口に含んだ。相当硬くなっていても貴の口に全部収まる実央のものが本人同様愛しい。

「あっ、あ、待っ、離れっあっ」

 口に含んでさほど刺激を与えていない内に、実央はあっけなく貴の口の中に出してきた。口を離すと同時にようやく実央の穴から指も出すと、そこは堪らないほどだらしなく収縮を繰り返して貴を誘っている。貴は実央の出したものを飲み込んだ際に、耐え難いほど激しい淫情も飲み込んだ。だが入れたい、入れて思い切り動きたいという欲がどんどんと湧き上がる。

 クソ、ほんと入れたい。

 これだけ扇情的に収縮しているそこは、もういい加減入れられるのではないか、と貴の中で悪魔がしつこく囁いてきた。だが何とかその欲望を押さえつけ、貴は実央の額にキスする。

「よくできました。すごくやらしく何度もいって、最後は射精もして、えらいね、みぃは」
「は、ぁ……、はぁ」

 目をとろんとさせて息を切らせている実央を笑顔で誤魔化し少し半目で見ているのは、まともに見たらまた悪魔が煩く囁くからだ。
 その実央が少しよろめきながら貴にくっついてきて袖をぎゅっと握ってきた。扇情的でなくてもかわいすぎて犯したい。

「た、かくんも……いこ」
「……うん。手伝ってくれる?」
「いいよ。何、なら……はぁ、俺の中で、いく?」
「は、はは。誘惑しないで。みぃの中はあともうちょっとだけ、慣らしてから、ね」
「まだ、駄目?」
「うん。少しでもみぃを傷つけたくないんだ。もうちょっと、一緒にがんばろ?」
「……うん。……は、ぁ……でも俺、手伝い、たいけど……いきすぎて体、動かない。俺の口、強引に突っ込む?」
「っ、ほんと煽んないで。それにそれはエッチな提案だけど、下と同じようにちっちゃなみぃの口にそんなこと、できないからね」

 はっきり言ってもう、ズキズキと痛んできた。早く出さないときつい。

「無理っつってる俺を、何度も、いかせる、……くせに」
「それは愛情の行為だよ」

 ニッコリ微笑むと実央がいつものように眉をひそめてムッとしてきた。改めて本気で食べてしまいたいほどかわいいと貴は思う。

「じゃあ、みぃの太もも、貸して? みぃは動かなくていいから、ね」

 うつ伏せにさせ、背中にキスしながら貴は優しく囁いた。
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