142 / 150
141話
しおりを挟む
祖父母に急きょ客があり、ウィルフレッドが振舞う予定だった今日のフィーカが取り止めとなった。おかげでウィルフレッドは時間を少々持て余していた。フィーカの時間であっても大抵ウィルフレッドの近くにいるレッドは残念ながら騎士隊長としてだろうか、呼ばれていていない。
フィーカの時間だっただけに仕事をする気分でもないしどうするかとぶらぶら歩きながら思っているとレッドの部下であるモヴィを見かけた。
「モヴィ! 久しぶりだな」
「ウ、ウィルフレッド王子」
さっとモヴィの顔色が赤くなるのが分かった。元魔王だと知っている一人ではあるし、あの戦いの後バタバタしていたのもあって直接話すのは久しぶりでもある。もしかしたら変に緊張されているのかもしれない。
そう解釈したウィルフレッドは一瞬だけ考えると「丁度いい、来い」と招き寄せた。
「な、何でしょうか。あ、というか、その、我が隊長とこ、恋人となられたそうで、その、おめでとうございます」
「あ? ああ、祝われることなのかよく分からんが、ありがとう」
怪訝な顔で礼を言うと複雑な表情をされた。モヴィがレッドの忠実な部下であることは知っているし、ここは大いに喜ぶところだったのかもしれない。だがまあいい、とウィルフレッドは続けた。
「貴様に料理を振舞ってやろう。好き嫌いはないな?」
「は、え、えっ? な、何故、でしょう、か」
「何故? 振る舞うことか? 暇だからだが」
何を当たり前な、と答えるとまた赤い顔でポカンとされた。
「ああ。俺はこれでもグルメな上に料理が得意なのでな。遠慮するな」
ラルフからは「凄く個性的で特徴的な木彫り人形作るわりに料理は繊細で王道的なものも作ったりするんだねぇ」と変に感心されたことがある。何を言っているのかよく分からなかったので流したのだが、確かに木を彫るよりは包丁で肉やら何やらを切り刻むほうがやりやすいのは確かだ。
戸惑い続けるモヴィを自分の屋敷にあるテラスにウィルフレッドは連れ込んだ。仕込みは元々祖父母のためにしてあったので、近くにいた者に手伝わさせてすぐに出来上がった軽食を運ぶ。
戸惑い続けているモヴィだが、自分が客として招待されているのは少なくとも把握しているようで、下手に手伝うと立ち上がることなく大人しく座っていた。だが妙に固まっている。
「無礼講とまでは言わんが、もう少し楽にしろ」
「は、はい。しかし隊長に叱られます」
「は? 何故レッドがお前を叱るのだ。公式の場でもないんだ。別に部下を振舞ってはいけないなどというルールはないだろうが。貴様もさぼっている訳ではない。俺の相手をしているのだからな」
「そ、そういう意味では……いえ、はい」
モヴィは普段から顔色を赤や青にする特技でも持っているのだろうかとぼんやり思いつつ、ウィルフレッドは茶を口にした。
「ところでどうだ、味は」
「お、美味しいです……とても美味しい……一生の思い出にします」
「気に入ってくれたのならなによりだが、貴様ちょっと大袈裟だな……!」
「大袈裟ではありません。本当にとても美味しいですし、俺……いえ、私はとても幸せです」
変なやつだと思ったウィルフレッドの頭の片隅で、一瞬「そういえば好意を寄せてくれていたのだったか」といった考えが過った。だが自分相手にそんな訳がないし、そう思った記憶もない。もしや記憶を失っている時に何か思うことでもあったかと首を傾げたが、まあいいと流した。
「貴様の仕事は最近どうだ。まだ色々と後始末などで忙しいのか」
「いえ、隊長の割り振りが的確なのもあって、我々の受け持ちはずいぶん楽になりました。それに全体的にもずいぶん落ち着いてきたと聞いております」
「それはよかった。にしても前から何となく思ってはいたのだが……今回改めてレッドの部隊を見て思った。何なのだ。体格は分かるが、騎士は顔もよくないと務まらないのか?」
「え?」
「面接要項に容姿も必須とあるのか?」
「い、いえ。そのようなことは……」
「しかし貴様だって顔がいいではないか」
「こ、こ、光栄、です……、が、えっと、あの、べ、別に容姿はその、関係、ないです」
酒を飲んでいる訳ではないが、モヴィがまた赤くなる。
お互い食事を終え、アルコールが駄目な者とまだ仕事がある者同士なので茶をゆっくりと嗜んでいた。
「たまたまなのか? ああ、そういえばだな、何故貴様は俺とレッドがその、恋人となったと知っている?」
「隊長が自ら教えてくれました」
「は? あの寡黙な男が、か?」
ただでさえ無口なレッドが、しかも恋人となる前は「恐れ多い」だの「不似合いだ」だの面倒くさいことを考えていた堅物なレッドが、自ら部下に言うとは思えない。
「はい」
「貴様の幻覚ではないのか」
「いえまさか。その、少々言いにくそうではありましたが、そういうことだから覚えておくようにと皆に念を押しておりました」
「何を覚えておくのだ。別にレッドの部下にとって、俺が低い立場だったならまだしも王子なのだから態度とかを改め、気にする必要もないだろうが」
「ここだけの話でよろしいですか?」
「ああ」
「きっと隊長の独占欲です」
「へえ。……、……。……は?」
独占欲?
レッドが?
一気に顔が熱くなった。そしてモヴィはそんなウィルフレッドの様子を見てうつったのかまたもや同じく顔を赤くしている。
「……お前はこんなところで何をしている」
そんな時にレッドの声が聞こえてきた。見ればただでさえ一見目つきのよくない顔つきのレッドが余計に不穏そうな表情でこちらを、というかモヴィを見ていた。モヴィはといえば即座に立ち上がるというよりは直立不動の姿勢を取っている。今度の顔色は青だ。
「っも、申し訳ございません! えっと、ただちに……」
「よい。俺が誘ったのだ。祖父母とのフィーカの予定が潰れてしまってな。お前も用事か何かでいないしどうしようかと思っていた時にこやつを見つけたので連れてきた」
「…………さようですか」
「た、隊長も戻られましたし、その、俺はこれで……! あ、あの、ウィルフレッド様、おもてなしを本当にありがとうございました。とても美味しかったです。では仕事に戻ります、失礼いたします」
強張っていたモヴィだったが、ふと笑顔を見せながらウィルフレッドに頭を下げてきた。そしてまた改めて頭を下げるとこの場から去って行った。
「……お前、もしかして部下に対して必要以上に厳しいのではないのか?」
「あなたの口からそういうことを聞くとは。それにそうですね、俺は厳しいですよ。部下だけでなく、他の誰かと二人きりに軽率になるあなたに対しても厳しくしたい」
座ったままであるウィルフレッドの近くまでくると、レッドは跪いてきた。そして手を取ってくると指にキスをしてくる。
「ですが俺の王子には結局は甘いです」
フィーカの時間だっただけに仕事をする気分でもないしどうするかとぶらぶら歩きながら思っているとレッドの部下であるモヴィを見かけた。
「モヴィ! 久しぶりだな」
「ウ、ウィルフレッド王子」
さっとモヴィの顔色が赤くなるのが分かった。元魔王だと知っている一人ではあるし、あの戦いの後バタバタしていたのもあって直接話すのは久しぶりでもある。もしかしたら変に緊張されているのかもしれない。
そう解釈したウィルフレッドは一瞬だけ考えると「丁度いい、来い」と招き寄せた。
「な、何でしょうか。あ、というか、その、我が隊長とこ、恋人となられたそうで、その、おめでとうございます」
「あ? ああ、祝われることなのかよく分からんが、ありがとう」
怪訝な顔で礼を言うと複雑な表情をされた。モヴィがレッドの忠実な部下であることは知っているし、ここは大いに喜ぶところだったのかもしれない。だがまあいい、とウィルフレッドは続けた。
「貴様に料理を振舞ってやろう。好き嫌いはないな?」
「は、え、えっ? な、何故、でしょう、か」
「何故? 振る舞うことか? 暇だからだが」
何を当たり前な、と答えるとまた赤い顔でポカンとされた。
「ああ。俺はこれでもグルメな上に料理が得意なのでな。遠慮するな」
ラルフからは「凄く個性的で特徴的な木彫り人形作るわりに料理は繊細で王道的なものも作ったりするんだねぇ」と変に感心されたことがある。何を言っているのかよく分からなかったので流したのだが、確かに木を彫るよりは包丁で肉やら何やらを切り刻むほうがやりやすいのは確かだ。
戸惑い続けるモヴィを自分の屋敷にあるテラスにウィルフレッドは連れ込んだ。仕込みは元々祖父母のためにしてあったので、近くにいた者に手伝わさせてすぐに出来上がった軽食を運ぶ。
戸惑い続けているモヴィだが、自分が客として招待されているのは少なくとも把握しているようで、下手に手伝うと立ち上がることなく大人しく座っていた。だが妙に固まっている。
「無礼講とまでは言わんが、もう少し楽にしろ」
「は、はい。しかし隊長に叱られます」
「は? 何故レッドがお前を叱るのだ。公式の場でもないんだ。別に部下を振舞ってはいけないなどというルールはないだろうが。貴様もさぼっている訳ではない。俺の相手をしているのだからな」
「そ、そういう意味では……いえ、はい」
モヴィは普段から顔色を赤や青にする特技でも持っているのだろうかとぼんやり思いつつ、ウィルフレッドは茶を口にした。
「ところでどうだ、味は」
「お、美味しいです……とても美味しい……一生の思い出にします」
「気に入ってくれたのならなによりだが、貴様ちょっと大袈裟だな……!」
「大袈裟ではありません。本当にとても美味しいですし、俺……いえ、私はとても幸せです」
変なやつだと思ったウィルフレッドの頭の片隅で、一瞬「そういえば好意を寄せてくれていたのだったか」といった考えが過った。だが自分相手にそんな訳がないし、そう思った記憶もない。もしや記憶を失っている時に何か思うことでもあったかと首を傾げたが、まあいいと流した。
「貴様の仕事は最近どうだ。まだ色々と後始末などで忙しいのか」
「いえ、隊長の割り振りが的確なのもあって、我々の受け持ちはずいぶん楽になりました。それに全体的にもずいぶん落ち着いてきたと聞いております」
「それはよかった。にしても前から何となく思ってはいたのだが……今回改めてレッドの部隊を見て思った。何なのだ。体格は分かるが、騎士は顔もよくないと務まらないのか?」
「え?」
「面接要項に容姿も必須とあるのか?」
「い、いえ。そのようなことは……」
「しかし貴様だって顔がいいではないか」
「こ、こ、光栄、です……、が、えっと、あの、べ、別に容姿はその、関係、ないです」
酒を飲んでいる訳ではないが、モヴィがまた赤くなる。
お互い食事を終え、アルコールが駄目な者とまだ仕事がある者同士なので茶をゆっくりと嗜んでいた。
「たまたまなのか? ああ、そういえばだな、何故貴様は俺とレッドがその、恋人となったと知っている?」
「隊長が自ら教えてくれました」
「は? あの寡黙な男が、か?」
ただでさえ無口なレッドが、しかも恋人となる前は「恐れ多い」だの「不似合いだ」だの面倒くさいことを考えていた堅物なレッドが、自ら部下に言うとは思えない。
「はい」
「貴様の幻覚ではないのか」
「いえまさか。その、少々言いにくそうではありましたが、そういうことだから覚えておくようにと皆に念を押しておりました」
「何を覚えておくのだ。別にレッドの部下にとって、俺が低い立場だったならまだしも王子なのだから態度とかを改め、気にする必要もないだろうが」
「ここだけの話でよろしいですか?」
「ああ」
「きっと隊長の独占欲です」
「へえ。……、……。……は?」
独占欲?
レッドが?
一気に顔が熱くなった。そしてモヴィはそんなウィルフレッドの様子を見てうつったのかまたもや同じく顔を赤くしている。
「……お前はこんなところで何をしている」
そんな時にレッドの声が聞こえてきた。見ればただでさえ一見目つきのよくない顔つきのレッドが余計に不穏そうな表情でこちらを、というかモヴィを見ていた。モヴィはといえば即座に立ち上がるというよりは直立不動の姿勢を取っている。今度の顔色は青だ。
「っも、申し訳ございません! えっと、ただちに……」
「よい。俺が誘ったのだ。祖父母とのフィーカの予定が潰れてしまってな。お前も用事か何かでいないしどうしようかと思っていた時にこやつを見つけたので連れてきた」
「…………さようですか」
「た、隊長も戻られましたし、その、俺はこれで……! あ、あの、ウィルフレッド様、おもてなしを本当にありがとうございました。とても美味しかったです。では仕事に戻ります、失礼いたします」
強張っていたモヴィだったが、ふと笑顔を見せながらウィルフレッドに頭を下げてきた。そしてまた改めて頭を下げるとこの場から去って行った。
「……お前、もしかして部下に対して必要以上に厳しいのではないのか?」
「あなたの口からそういうことを聞くとは。それにそうですね、俺は厳しいですよ。部下だけでなく、他の誰かと二人きりに軽率になるあなたに対しても厳しくしたい」
座ったままであるウィルフレッドの近くまでくると、レッドは跪いてきた。そして手を取ってくると指にキスをしてくる。
「ですが俺の王子には結局は甘いです」
0
お気に入りに追加
718
あなたにおすすめの小説
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました
及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。
※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19
【完結】気づいたら6人の子持ちで旦那がいました。え、今7人目がお腹にいる?なにそれ聞いてません!
愛早さくら
BL
はたと気づいた時、俺の周りには6人の子供がいて、かつ隣にはイケメンの旦那がいた。その上大きく膨らんだお腹の中には7人目がいるのだという。
否、子供は6人ではないし、お腹にいるのも7人目ではない?え?
いったい何がどうなっているのか、そもそも俺は誰であなたは誰?と、言うか、男だよね?子供とか産めなくない?
突如、記憶喪失に陥った主人公レシアが現状に戸惑いながらも押し流されなんとかかんとかそれらを受け入れていく話。になる予定です。
・某ほかの話と同世界設定でリンクもしてるある意味未来編ですが、多分それらは読んでなくても大丈夫、なはず。(詳しくは近況ボード「突発短編」の追記&コメント欄をどうぞ
・男女関係なく子供が産める、魔法とかある異世界が舞台です
・冒頭に*がついてるのは割と容赦なくR18シーンです。他もあやしくはあるんですけど、最中の描写がばっちりあるのにだけ*付けました。前戯は含みます。
・ハッピーエンドは保証しません。むしろある意味メリバかも?
・とはいえ別にレイプ輪姦暴力表現等が出てくる予定もありませんのでそういう意味ではご安心ください
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】そのうち番外編更新予定。伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷うだけだ┉。僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げた。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなの何で!?
※R対象話には『*』マーク付けますが、後半付近まで出て来ない予定です。
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる