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104話
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満月となるとほぼ毎回、月時たちはここに残らない。だが親はいつも普通に過ごしている。月時は一度、親に何故平気なのかと聞いたことがある。
「平気っていうか……まあそわそわとかはするけど俺やお母さんはお前らが想像出来るよりも、もう少し長く生きてるからかな」
両親は当たり前だが生まれてすぐに人間界に来た訳ではない。むしろそれなりに長く魔界で過ごしたのちにやって来た。それぞれ人間界で過ごした年数も違うらしい。とはいえ見た目は人間にすると二、三十代だろう。仕事も転職したりを繰り返したらしい。今では両親でなにやらネットを介しての商売をしているようだ。人は雇っていないらしい。
それを聞くと、月時は少し寂しくなる。小さかった頃の自分を思い出す。親しい人を、作られないという悲しさを思い出す。
「あまりに親しい人を作ると、離れがたくなるからね。でも離れないといけないから。でないと向こうがおじいちゃん、おばあちゃんになっても俺たちは今のままという状態を晒すことになるから……」
そんな寂しい思いをするなら魔界へ帰ればいいのだが、それでも人間界に居たいという気持ちを、月時はなんとなく分かる。魔界へ帰れば沢山の仲間がいる。親もそうだろう。なので寂しくないのだが、ここには説明し難いなにかがある。
活気、とでも言うのだろうか。
ちなみに両親は、月時たち高校生の子どもを抱えている親としても異常に若い筈だ。一応多少は惑わす力を使っているとは思うが、日常的なことでもあるのであまり大きな力を使う訳にはいかない。その為、昔からあまり子どもと一緒に居るところを人前で晒すことはなかった。まだなにも知らなかった海翔の前にもあまり姿を現さなかった。ゆっくりとじわじわ姿を見せることで、多少の惑わす力とともに海翔の目を違和感のないよう慣らしていったんだと思われる。
正体を知った後で海翔は「そういえば今更だけどトキの親、若いよね」とある時ぽつりと言っていたことがある。
「でも実年齢はひろのおじいちゃんよりも歳とってるよ」
「そう思うと凄いな。……って、今更だけどあんたは……」
「俺はまんまだよ、ひろと同じ!」
ニコニコとして言うと、海翔も「そうか」と笑みを浮かべて頷いていた。
月時も今は人間と同じように成長しているが、いつかは体の成長はほぼしなくなると思われる。そうなるといずれ今の友だちとも会えなくなっていくのだろう。もの凄く寂しいことだが、月時には魔界にも昔から知っている仲間がいる。友だちがいる。
でも……ひろにはこの世界だけだよね。
本契約をして魔物になると、もちろん魔界へも行ける。そこでその後親しい仲間や友人を作ることは出来るが、小さな頃からの身内や知人は完全にいなくなってしまう。
改めて申し訳なさを感じてしまう。だが謝るなと言われているのでそういった気持をその度にぐっと堪えていた。
両親の見た目の話をしていた時もいつものように出さないよう堪えていると、海翔が「……トキ」となにやら怪訝そうな顔を向けてくる。
「ん? なに?」
「あんた、前から気になってたんだけど、なんか我慢してる?」
「え?」
なんでこう、自分は隠し事が上手くないんだと、自分に微妙になりながらも月時は笑って首を振った。
「してないよ。だいたい俺が我慢あんま出来ないの、ひろ知ってるでしょ」
「……ならいいけど」
「ねぇトキ、ほんとに向こう行かないの?」
海翔とのやり取りを思い出していると月梨の声が聞こえた。ハッとなって見ると、月梨が気がかりそうに月時を見ている。
「うん。どうせ夏休みだし外に出なけりゃいいかなって」
「まあそりゃそうだけどさー。でもトキはすぐ油断するからねえ」
月凪がからかうように言ってくる。それに対してはムッとしつつも言い返せない。
「一緒に帰らないのー」
月侑太はひたすら残念そうだ。皆、家族が大好きだが、多分その中でも月侑太が一番、家族というものを愛してるんじゃないかとたまに月時は思う。
……前にも思ったけど、ムータって無邪気ながらに一番最初に気づけば結婚どころか子沢山のお父さんとかしてそ。
そんなことを思いながら、月時は兄弟たちを満月の前日に見送った。
満月当日、そして月時は思い切って海翔を家に呼んでいた。実際、申し訳ないという気持ちを出さないように堪えてはいるが、その分自分の色んな部分は隠すことなく見せたいと思ってのことだ。
とはいえ、満月の時は今でも普段より興奮状態になりがちだ。小さな頃に比べるとずいぶん自分を抑えられるようにはなったが、油断は出来ない。月凪に言われたからではないが、自分でも意識しておかなくてはならないなと月時は自分に言い聞かせる。
一応、普通の満月だ。たまに発生する赤い月ではない。それでも悪魔すら最も活動が盛んになる時でもあるし、そばに海翔とはいえ人間がいる状態なのだから油断はしないと何度も心の中で思う。
人間を避けるのは、なにも正体がばれないようにだけではない。人間が放つ生にもあてられるのだ。普段はむしろ活気を感じる程度で済むのだが。
とはいえ、もしなにか自分を見失うことがあっても両親は夜普通に家にいる筈だから大丈夫だろうとも考えた。
人間界でも満月は人を狂わすと言われていたりするらしい。やはり不思議な力は人間にも影響を及ぼすのかなと考えていると海翔が家へやって来た。
もちろん、日中はなんともない。月は日中だろうが実は出ているし、今日の満月は既に明け方から始まっているらしい。だが「満月」という事実に反応するのではなく、少なくとも月時たち魔物や悪魔は月が太陽にあてられて反射してくる光に反応する。
兄弟がいないけれども、ちゃんと海翔の言いつけを守って変なこともせず、月時はひたすら海翔と喋ったりテレビを観たりお菓子を食べたり、そして時にじゃれ合ったりして過ごした。
夕方遅くになると母親が先に帰ってきた。仕事でパソコンのエラーがあり、父親がそれと格闘しているらしい。
「それもこれも満月のせいじゃないかしら」
いくらなんでもそれはない、と月時は笑いつつも海翔に夕食を食べていくことを勧めた。
「でも仕事、大変そうだけど……」
海翔は少し躊躇している。母親を気遣ってくれているんだと思うと嬉しい。月時が更になにか言おうとして口を開く前に母親が月時を海翔から離して聞いてきた。
「トキ、大丈夫なの?」
なにが、とは聞かなくとも分かった。
「大丈夫。外は見ないし。それにひろにもなんていうか、慣れて欲しいし」
「……私、ご飯作ったらもう一度事務所へ戻るのよ?」
「え、マジで?」
それは予定していなかった、と月時は母親を見る。
「嘘ついても仕方ないでしょ。だから今日はひろくんには帰ってもらいなさい」
「……んー……」
確かに親がいるから、という保険とも思える最後の砦的なものがないのは良くないかもしれない、と月時も思った。それでも今日はいつも絶対に避けていた自分の状況を晒して海翔といるつもりだったので興がそがれた。
母親は夕食の支度を手早くすると、弁当を詰めて出て行った。出しなに「トキ、分かってるわね」と念押しをして出ていく。玄関まで見送った月時は、ドアの向こうがそろそろ暗くなってきていることに気づいた。
やっぱり帰ってもらったほうがいいな……。
少ししょんぼりとしながら海翔がいるところへ戻ると「飯、おばさんが用意してくれたなら食べて帰るよ」と言ってきてくれた。
「ほんと? ありがと、ひろ。……うん、一応ひろの分も作ってくれてるみたい。……でも早く食べて、そんで帰ったほうがいいかも。俺、送れない、けど……」
えへへ、と笑みを見せると海翔が少し不満げな表情をしてきた。
「どしたの?」
「おかしくないとこで笑われても俺、嬉しくないけど」
「え?」
「……なんでもない。……今日はゆっくりしてく筈なんだろ、俺」
「う、うん。でも親いないし……」
とはいえ、本当はいて欲しいと思った。月時が言い淀んでいると、「いいからとりあえず作ってくれた晩御飯、食べよ」と海翔が食器と取り出し始めた。
「平気っていうか……まあそわそわとかはするけど俺やお母さんはお前らが想像出来るよりも、もう少し長く生きてるからかな」
両親は当たり前だが生まれてすぐに人間界に来た訳ではない。むしろそれなりに長く魔界で過ごしたのちにやって来た。それぞれ人間界で過ごした年数も違うらしい。とはいえ見た目は人間にすると二、三十代だろう。仕事も転職したりを繰り返したらしい。今では両親でなにやらネットを介しての商売をしているようだ。人は雇っていないらしい。
それを聞くと、月時は少し寂しくなる。小さかった頃の自分を思い出す。親しい人を、作られないという悲しさを思い出す。
「あまりに親しい人を作ると、離れがたくなるからね。でも離れないといけないから。でないと向こうがおじいちゃん、おばあちゃんになっても俺たちは今のままという状態を晒すことになるから……」
そんな寂しい思いをするなら魔界へ帰ればいいのだが、それでも人間界に居たいという気持ちを、月時はなんとなく分かる。魔界へ帰れば沢山の仲間がいる。親もそうだろう。なので寂しくないのだが、ここには説明し難いなにかがある。
活気、とでも言うのだろうか。
ちなみに両親は、月時たち高校生の子どもを抱えている親としても異常に若い筈だ。一応多少は惑わす力を使っているとは思うが、日常的なことでもあるのであまり大きな力を使う訳にはいかない。その為、昔からあまり子どもと一緒に居るところを人前で晒すことはなかった。まだなにも知らなかった海翔の前にもあまり姿を現さなかった。ゆっくりとじわじわ姿を見せることで、多少の惑わす力とともに海翔の目を違和感のないよう慣らしていったんだと思われる。
正体を知った後で海翔は「そういえば今更だけどトキの親、若いよね」とある時ぽつりと言っていたことがある。
「でも実年齢はひろのおじいちゃんよりも歳とってるよ」
「そう思うと凄いな。……って、今更だけどあんたは……」
「俺はまんまだよ、ひろと同じ!」
ニコニコとして言うと、海翔も「そうか」と笑みを浮かべて頷いていた。
月時も今は人間と同じように成長しているが、いつかは体の成長はほぼしなくなると思われる。そうなるといずれ今の友だちとも会えなくなっていくのだろう。もの凄く寂しいことだが、月時には魔界にも昔から知っている仲間がいる。友だちがいる。
でも……ひろにはこの世界だけだよね。
本契約をして魔物になると、もちろん魔界へも行ける。そこでその後親しい仲間や友人を作ることは出来るが、小さな頃からの身内や知人は完全にいなくなってしまう。
改めて申し訳なさを感じてしまう。だが謝るなと言われているのでそういった気持をその度にぐっと堪えていた。
両親の見た目の話をしていた時もいつものように出さないよう堪えていると、海翔が「……トキ」となにやら怪訝そうな顔を向けてくる。
「ん? なに?」
「あんた、前から気になってたんだけど、なんか我慢してる?」
「え?」
なんでこう、自分は隠し事が上手くないんだと、自分に微妙になりながらも月時は笑って首を振った。
「してないよ。だいたい俺が我慢あんま出来ないの、ひろ知ってるでしょ」
「……ならいいけど」
「ねぇトキ、ほんとに向こう行かないの?」
海翔とのやり取りを思い出していると月梨の声が聞こえた。ハッとなって見ると、月梨が気がかりそうに月時を見ている。
「うん。どうせ夏休みだし外に出なけりゃいいかなって」
「まあそりゃそうだけどさー。でもトキはすぐ油断するからねえ」
月凪がからかうように言ってくる。それに対してはムッとしつつも言い返せない。
「一緒に帰らないのー」
月侑太はひたすら残念そうだ。皆、家族が大好きだが、多分その中でも月侑太が一番、家族というものを愛してるんじゃないかとたまに月時は思う。
……前にも思ったけど、ムータって無邪気ながらに一番最初に気づけば結婚どころか子沢山のお父さんとかしてそ。
そんなことを思いながら、月時は兄弟たちを満月の前日に見送った。
満月当日、そして月時は思い切って海翔を家に呼んでいた。実際、申し訳ないという気持ちを出さないように堪えてはいるが、その分自分の色んな部分は隠すことなく見せたいと思ってのことだ。
とはいえ、満月の時は今でも普段より興奮状態になりがちだ。小さな頃に比べるとずいぶん自分を抑えられるようにはなったが、油断は出来ない。月凪に言われたからではないが、自分でも意識しておかなくてはならないなと月時は自分に言い聞かせる。
一応、普通の満月だ。たまに発生する赤い月ではない。それでも悪魔すら最も活動が盛んになる時でもあるし、そばに海翔とはいえ人間がいる状態なのだから油断はしないと何度も心の中で思う。
人間を避けるのは、なにも正体がばれないようにだけではない。人間が放つ生にもあてられるのだ。普段はむしろ活気を感じる程度で済むのだが。
とはいえ、もしなにか自分を見失うことがあっても両親は夜普通に家にいる筈だから大丈夫だろうとも考えた。
人間界でも満月は人を狂わすと言われていたりするらしい。やはり不思議な力は人間にも影響を及ぼすのかなと考えていると海翔が家へやって来た。
もちろん、日中はなんともない。月は日中だろうが実は出ているし、今日の満月は既に明け方から始まっているらしい。だが「満月」という事実に反応するのではなく、少なくとも月時たち魔物や悪魔は月が太陽にあてられて反射してくる光に反応する。
兄弟がいないけれども、ちゃんと海翔の言いつけを守って変なこともせず、月時はひたすら海翔と喋ったりテレビを観たりお菓子を食べたり、そして時にじゃれ合ったりして過ごした。
夕方遅くになると母親が先に帰ってきた。仕事でパソコンのエラーがあり、父親がそれと格闘しているらしい。
「それもこれも満月のせいじゃないかしら」
いくらなんでもそれはない、と月時は笑いつつも海翔に夕食を食べていくことを勧めた。
「でも仕事、大変そうだけど……」
海翔は少し躊躇している。母親を気遣ってくれているんだと思うと嬉しい。月時が更になにか言おうとして口を開く前に母親が月時を海翔から離して聞いてきた。
「トキ、大丈夫なの?」
なにが、とは聞かなくとも分かった。
「大丈夫。外は見ないし。それにひろにもなんていうか、慣れて欲しいし」
「……私、ご飯作ったらもう一度事務所へ戻るのよ?」
「え、マジで?」
それは予定していなかった、と月時は母親を見る。
「嘘ついても仕方ないでしょ。だから今日はひろくんには帰ってもらいなさい」
「……んー……」
確かに親がいるから、という保険とも思える最後の砦的なものがないのは良くないかもしれない、と月時も思った。それでも今日はいつも絶対に避けていた自分の状況を晒して海翔といるつもりだったので興がそがれた。
母親は夕食の支度を手早くすると、弁当を詰めて出て行った。出しなに「トキ、分かってるわね」と念押しをして出ていく。玄関まで見送った月時は、ドアの向こうがそろそろ暗くなってきていることに気づいた。
やっぱり帰ってもらったほうがいいな……。
少ししょんぼりとしながら海翔がいるところへ戻ると「飯、おばさんが用意してくれたなら食べて帰るよ」と言ってきてくれた。
「ほんと? ありがと、ひろ。……うん、一応ひろの分も作ってくれてるみたい。……でも早く食べて、そんで帰ったほうがいいかも。俺、送れない、けど……」
えへへ、と笑みを見せると海翔が少し不満げな表情をしてきた。
「どしたの?」
「おかしくないとこで笑われても俺、嬉しくないけど」
「え?」
「……なんでもない。……今日はゆっくりしてく筈なんだろ、俺」
「う、うん。でも親いないし……」
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