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93話
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あんなに行きにくいものだと思わなかった。
海翔は大いに疲弊しながらも青い顔でため息を吐いた。
バレンタインデーを数日後に控え、月時が部活動をしているのをいいことに一人で帰り途中、電車に乗って街へ向かったのは良かった。平日なのもあり、繁華街と言えども人だらけという程でもない。恐らくもう少しすれば終業時間になり、社会人が増えてくるだろうと海翔は百貨店へ急いだ。
そして唖然とした。もしや、皆街に出たら百貨店へチョコレートを買いに行けといったなにか通達でも出ているのだろうかと海翔は思った。それくらいチョコレートの特設会場らしき場所は女性で一杯だった。
この中に割り込んで、値段の張るチョコレートを吟味して買うとか、無理。
海翔は見なかったことにしてその場を離れた。そして帰りにいつもドラゴンフルーツ味の飴を買っている店に立ち寄り、そこで飴のついでに板チョコレートを一枚買う。
家に帰ってため息を吐いた後で「土日はもっと人、多いだろうしな……」と呟いた。あのような場所でも月時だったら好きなものをちゃんと吟味してニコニコと買いそうだ。
……俺には無理。
とりあえず板チョコレートは買った。もうこれでいいような気はする。にしても、犬にはチョコレートを与えてはいけない。月時は大丈夫なのかなとなんとなく思った後に、「犬じゃねーよっ?」とムッとしている月時が浮かび、海翔は口元を綻ばせた。着替えて一階に降り、お茶を飲もうと台所へ向かうと母親が夕食の準備をしていた。
「今日はなに?」
「カレー。好きでしょ」
「うん」
カレーが嫌いな奴なんているのか? などと思いながら何気に覗き込むと、丁度母親はカレールウを準備しているところだった。
「へえ、そんなのなんだ」
「なにが?」
「カレーの素?」
「ああ。本格的なの作るなら調味料からだから違うけど、そうね、こんなのよ。なんかチョコレートみたいよね」
そう言われて改めて見ると、なるほど、板チョコレートに似てないとも言えない。
「……ねえ、お母さん」
「なに」
「カレーって、作るの難しい?」
一方、月時は部活を終えて帰宅した後、どうしようかと悩んだ後に一旦月梨に質問しに行った。
「ねーねー」
「どうしたの?」
リビングでテレビを観ながら雑誌を読むという、男からしたら器用としか言いようのない技をこなしている月梨に話しかけると、目はテレビと雑誌のまま返事をしてきた。どんだけ器用なんだろ、と思わず「すげー」と口に出すと、さすがに怪訝そうな顔をして月時を見てきた。
「なにが?」
「いやー、だってテレビ観て雑誌読んで俺と話してって、なにこれ魔法?」
「用事はそんなこと?」
キラキラした目で見ると、呆れたように見上げられた。
「ちげーけど、俺だったらテレビ観てたらテレビしか無理。でさ、ルリってバレンタイン、どーすんの?」
「どうもしないけど」
「なんで!」
「だって別に義理チョコあげたい気分じゃないし……別にあんたたちも要らないでしょ? いつも私、してないじゃない」
ルリからのチョコレートは確かに期待していない。今までも貰った記憶はない。
「か、彼氏にしねーの?」
「あっちにそんなイベントないわよ。それにチョコあげるくらいなら肉のが嬉しいでしょ?」
そうなんだけども……!
もう、と微妙な顔で頭を抱えると「ああ、そっか」と月梨が笑ってくる。
「ひろくんに?」
「ぅ。……俺があげたら、変?」
「そんなことないわよ。きっと喜んでくれると思う」
「そ、そうかな」
ニッコリと笑ってくる月梨に、月時は頬を赤らめながら嬉しそうにキラキラとした目を向ける。
「でも私は作らないわよ」
「ぅ」
一人でチョコレート作りというのがなんとなく落ち着かないから一緒に作ろうと目論んでいたことはどうやらバレバレらしい。
「トキ、チョコ作んの? すごいね! 魔法みたい! 豆から作んの?」
「作らねーよ……?」
丁度リビングに入ってきた月侑太が月時以上にキラキラした目で月時に飛びついてきた。抱きつかれたまま、月時は微妙な顔を月侑太に向ける。顔が近いが基本的にいつもじゃれ合っているのであまり気にならない。
「あれ、作るんじゃないのー?」
「作るっていうのはあれだよムータ。チョコレートを溶かしてまたそれを固める作業のことを言うんだよ」
後から入ってきた月凪がニコニコと説明している。確かにそうなのだが、そう聞くとひたすら不毛過ぎる。月侑太もポカンとした後で、だがニッコリ笑ってきた。
「じゃあ溶かしたチョコにカルシウム入りのドッグフード入れよ!」
「入れねーし……! ねえ、なんであえてドッグフードなの? そこ、普通にビスケットとかじゃダメだったの?」
「だってほら、チョコって味はっきりしてるからドッグフードのぼんやりした味の方が合わせやすいかなって。硬さもいい感じだしカルシウム入りだし。ね?」
ぼんやりした味だってのは分かるんだ。
ニコニコと言ってくる月侑太に微妙な顔を向けつつ「カルシウム拘り過ぎ。でもビスケット混ぜるのはいいね!」ととりあえず言い返す。
チョコレートにビスケットを混ぜるという発想自体、月時にはなかったのでそこだけは月侑太に感謝だった。
「俺、手伝ってあげようか」
同じくニコニコしていてもどこか裏がありそうでしかない月凪が首を傾げながら笑みを向けてくる。
「……意味は?」
「意味?」
「ユーキ語でなんつってんの?」
「ユーキ語ってなに。別になにも。俺、手際いいよ?」
確かに夕食を一緒に作った時も、ほぼ月凪が進めてくれていた。おかず系も難しいが、チョコレートも実際どうすればいいのか今のところ分かっていない。
「だ、だったらお願いしよかな……」
言いかけたところですぐに「いいよ」と月凪が月時の肩に腕を回してくる。そして耳元で囁いてきた。
「じゃあ契約成立ってことで。そうだな、お礼はね、余分に作って、それ、学校で俺にもちょうだい」
「は?」
モテている癖に、絶対女子から貰う癖にこいつなに言ってんだ、と月時はポカンとした顔になる。
「女装して」
「ユーキ語、隠語ありすぎだろ……! そんななら俺絶対ヤだ!」
「もー成立したもんね。ひどいなー、トキってば決めたこと速攻で破ってくるんだ」
肩から腕を離すと、月凪が悲しそうな顔で言う。
「トキ? こんなユーキでも約束したのならちゃんと守らなきゃだめよ」
「ありがとう、ルリ。こんな、ってのが余計だけどね」
月凪がニッコリと笑った。
囁かれた内容は、ちゃんと聞こうと思えば耳のいい自分たちだから月梨や月侑太にも聞こえる。だが基本的に聞こうと思っていなければ聞こえない、というか普通に聞いていないとも言う。月侑太は既にテレビに出てきた子犬たちに夢中になっている。月侑太も自分が犬扱いされるのは好きではない筈だろうに、基本的に犬は大好きなようだった。
「……ユーキ、最悪」
とりあえず月凪を台所に連れていきながら月時は唇を尖らせる。
「ありがとう」
「褒めてねーよ。だいたいなんで俺が女装? お前そんな変な趣味あったの?」
「弟に対して? あはは、ある訳ない」
「弟じゃねーし。同じ歳だろ! ないならなんで。まさかただの嫌がらせ?」
「俺がそんな酷いことすると思う?」
「むしろそうとしか思えねーよ」
「他の女子から貰うのを体よくお断りする為かな?」
「尚更さいっあくだったよ!」
海翔は大いに疲弊しながらも青い顔でため息を吐いた。
バレンタインデーを数日後に控え、月時が部活動をしているのをいいことに一人で帰り途中、電車に乗って街へ向かったのは良かった。平日なのもあり、繁華街と言えども人だらけという程でもない。恐らくもう少しすれば終業時間になり、社会人が増えてくるだろうと海翔は百貨店へ急いだ。
そして唖然とした。もしや、皆街に出たら百貨店へチョコレートを買いに行けといったなにか通達でも出ているのだろうかと海翔は思った。それくらいチョコレートの特設会場らしき場所は女性で一杯だった。
この中に割り込んで、値段の張るチョコレートを吟味して買うとか、無理。
海翔は見なかったことにしてその場を離れた。そして帰りにいつもドラゴンフルーツ味の飴を買っている店に立ち寄り、そこで飴のついでに板チョコレートを一枚買う。
家に帰ってため息を吐いた後で「土日はもっと人、多いだろうしな……」と呟いた。あのような場所でも月時だったら好きなものをちゃんと吟味してニコニコと買いそうだ。
……俺には無理。
とりあえず板チョコレートは買った。もうこれでいいような気はする。にしても、犬にはチョコレートを与えてはいけない。月時は大丈夫なのかなとなんとなく思った後に、「犬じゃねーよっ?」とムッとしている月時が浮かび、海翔は口元を綻ばせた。着替えて一階に降り、お茶を飲もうと台所へ向かうと母親が夕食の準備をしていた。
「今日はなに?」
「カレー。好きでしょ」
「うん」
カレーが嫌いな奴なんているのか? などと思いながら何気に覗き込むと、丁度母親はカレールウを準備しているところだった。
「へえ、そんなのなんだ」
「なにが?」
「カレーの素?」
「ああ。本格的なの作るなら調味料からだから違うけど、そうね、こんなのよ。なんかチョコレートみたいよね」
そう言われて改めて見ると、なるほど、板チョコレートに似てないとも言えない。
「……ねえ、お母さん」
「なに」
「カレーって、作るの難しい?」
一方、月時は部活を終えて帰宅した後、どうしようかと悩んだ後に一旦月梨に質問しに行った。
「ねーねー」
「どうしたの?」
リビングでテレビを観ながら雑誌を読むという、男からしたら器用としか言いようのない技をこなしている月梨に話しかけると、目はテレビと雑誌のまま返事をしてきた。どんだけ器用なんだろ、と思わず「すげー」と口に出すと、さすがに怪訝そうな顔をして月時を見てきた。
「なにが?」
「いやー、だってテレビ観て雑誌読んで俺と話してって、なにこれ魔法?」
「用事はそんなこと?」
キラキラした目で見ると、呆れたように見上げられた。
「ちげーけど、俺だったらテレビ観てたらテレビしか無理。でさ、ルリってバレンタイン、どーすんの?」
「どうもしないけど」
「なんで!」
「だって別に義理チョコあげたい気分じゃないし……別にあんたたちも要らないでしょ? いつも私、してないじゃない」
ルリからのチョコレートは確かに期待していない。今までも貰った記憶はない。
「か、彼氏にしねーの?」
「あっちにそんなイベントないわよ。それにチョコあげるくらいなら肉のが嬉しいでしょ?」
そうなんだけども……!
もう、と微妙な顔で頭を抱えると「ああ、そっか」と月梨が笑ってくる。
「ひろくんに?」
「ぅ。……俺があげたら、変?」
「そんなことないわよ。きっと喜んでくれると思う」
「そ、そうかな」
ニッコリと笑ってくる月梨に、月時は頬を赤らめながら嬉しそうにキラキラとした目を向ける。
「でも私は作らないわよ」
「ぅ」
一人でチョコレート作りというのがなんとなく落ち着かないから一緒に作ろうと目論んでいたことはどうやらバレバレらしい。
「トキ、チョコ作んの? すごいね! 魔法みたい! 豆から作んの?」
「作らねーよ……?」
丁度リビングに入ってきた月侑太が月時以上にキラキラした目で月時に飛びついてきた。抱きつかれたまま、月時は微妙な顔を月侑太に向ける。顔が近いが基本的にいつもじゃれ合っているのであまり気にならない。
「あれ、作るんじゃないのー?」
「作るっていうのはあれだよムータ。チョコレートを溶かしてまたそれを固める作業のことを言うんだよ」
後から入ってきた月凪がニコニコと説明している。確かにそうなのだが、そう聞くとひたすら不毛過ぎる。月侑太もポカンとした後で、だがニッコリ笑ってきた。
「じゃあ溶かしたチョコにカルシウム入りのドッグフード入れよ!」
「入れねーし……! ねえ、なんであえてドッグフードなの? そこ、普通にビスケットとかじゃダメだったの?」
「だってほら、チョコって味はっきりしてるからドッグフードのぼんやりした味の方が合わせやすいかなって。硬さもいい感じだしカルシウム入りだし。ね?」
ぼんやりした味だってのは分かるんだ。
ニコニコと言ってくる月侑太に微妙な顔を向けつつ「カルシウム拘り過ぎ。でもビスケット混ぜるのはいいね!」ととりあえず言い返す。
チョコレートにビスケットを混ぜるという発想自体、月時にはなかったのでそこだけは月侑太に感謝だった。
「俺、手伝ってあげようか」
同じくニコニコしていてもどこか裏がありそうでしかない月凪が首を傾げながら笑みを向けてくる。
「……意味は?」
「意味?」
「ユーキ語でなんつってんの?」
「ユーキ語ってなに。別になにも。俺、手際いいよ?」
確かに夕食を一緒に作った時も、ほぼ月凪が進めてくれていた。おかず系も難しいが、チョコレートも実際どうすればいいのか今のところ分かっていない。
「だ、だったらお願いしよかな……」
言いかけたところですぐに「いいよ」と月凪が月時の肩に腕を回してくる。そして耳元で囁いてきた。
「じゃあ契約成立ってことで。そうだな、お礼はね、余分に作って、それ、学校で俺にもちょうだい」
「は?」
モテている癖に、絶対女子から貰う癖にこいつなに言ってんだ、と月時はポカンとした顔になる。
「女装して」
「ユーキ語、隠語ありすぎだろ……! そんななら俺絶対ヤだ!」
「もー成立したもんね。ひどいなー、トキってば決めたこと速攻で破ってくるんだ」
肩から腕を離すと、月凪が悲しそうな顔で言う。
「トキ? こんなユーキでも約束したのならちゃんと守らなきゃだめよ」
「ありがとう、ルリ。こんな、ってのが余計だけどね」
月凪がニッコリと笑った。
囁かれた内容は、ちゃんと聞こうと思えば耳のいい自分たちだから月梨や月侑太にも聞こえる。だが基本的に聞こうと思っていなければ聞こえない、というか普通に聞いていないとも言う。月侑太は既にテレビに出てきた子犬たちに夢中になっている。月侑太も自分が犬扱いされるのは好きではない筈だろうに、基本的に犬は大好きなようだった。
「……ユーキ、最悪」
とりあえず月凪を台所に連れていきながら月時は唇を尖らせる。
「ありがとう」
「褒めてねーよ。だいたいなんで俺が女装? お前そんな変な趣味あったの?」
「弟に対して? あはは、ある訳ない」
「弟じゃねーし。同じ歳だろ! ないならなんで。まさかただの嫌がらせ?」
「俺がそんな酷いことすると思う?」
「むしろそうとしか思えねーよ」
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