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90話
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家に帰ってくると、急に眠気が増してきた。多分凍り付く程寒い外と違って家の中が暖かかったからだろうと思われたが、海翔は霊に遭遇して疲れたのもあるのかもしれない。
月時と海翔は月時の部屋に入ると、上着だけ脱いでそのままベッドで一緒に眠った。
一旦、月時は早朝に「おはよ。部屋に連れ込んじゃって」と月凪に起こされた。太陽は昇っているようだがまだ部屋の中は暗かった。
「……なんもしてねーし、これネタにひろ、からかわないでよ……。また家に来てくんなくなっちゃう」
「からかうのは楽しいけど、家に来てくれないのは寂しいね。了解。今から家族で初詣行くけど、トキたちは寝てる?」
「うん……ごめん。寝させて。弱いけど神社でなんかの霊にも遭っちゃって……ひろ、特に疲れてると思う」
「そうなんだ? じゃあ先に行ったくせにお土産買ってきてくれてないトキに、お土産買ってきてあげる。なに欲しい?」
「……たこ焼きと焼きそばといか焼きとフランクフルトとカステラ焼き」
「おやすみ」
次に月時が目を覚ました時には、まだ暗かった外が完全に明るくなっているのがカーテン越しに分かった。ふとくっついて眠っている海翔を見る。やはり霊に遭遇したのが、慣れていないのもあって余程疲れたのか、まだぐっすりと眠っているようだ。
……ひろは寝顔も可愛いんだよなー。
布団の中は暖かくて、そして海翔を見ていると気持ちまで暖かくて、月時は幸せな気分に浸った。だがこのままだと新年早々「この家ではしない」と言う約束を破りそうなので渋々ベッドから出る。海翔をそっと寝させておき、階下に降りてそのままシャワーを浴びた。その後でリビングへ向かうと皆は既に初詣から帰ってきていた。
「ようやく起きてきた。シャワー浴びたの? ひろくんは?」
月梨が聞いてくる。
「まだ寝てる。ちょっと神社で魔物予備軍の霊に遭っちゃって」
「まぁ。私たちが行った時は居なかったようだけど……。大丈夫だったの?」
月時の言葉を聞いた母親が心配そうに聞いてきた。
「うん。むしろ追い払ってたよ、ひろ。もしかしてひろって、いずれ魔力強いタイプになるのかなぁ。でもさすがに疲れたみたい」
「へえ! 凄いねえ!」
月侑太が目をキラキラさせながら言ってくる。それに「だよな」と笑いかけながら、月時はテーブルをきょろきょろと見た。月侑太や月梨が首を傾げる。そんな様子を月凪はニコニコと見ている。
「どしたの?」
「お土産は?」
「え、ないわよ? だって買おうかと思ったらユーキが『お腹いっぱい食べてきたからいらないんだって』とか言うから」
「ユゥキィィィィィ……! 買ってきてくれるっつったじゃん!」
ショックを受けた月時が月凪に駆け寄ると、月凪はニッコリと微笑んできた。
「えー? なんかトキが幸せそうにぬくぬく布団の中で寝てたから意地悪したくなって」
「なんだよそれ!」
「ふふ。嘘嘘。ちゃんと俺が買ってあるよ」
「ユーキ好き!」
「綿菓子だけど」
「あれ食った気しねーからキィィってなるヤツじゃん……! いつも俺食わねーヤツじゃん……! ユーキ嫌い!」
「とか言いながら食べる癖に」
ニコニコしたまま月凪が袋から出した綿菓子を月時の目の前に持ってくると、月時はムッとしたまま口にその一見もふもふとした白い砂糖菓子を咥える。
「ほら、すぐ消えちゃう……!」
そんなことを言いながらもモグモグと食べていると、「あの」と海翔の声がした。
「っひろ! おはよ!」
途端、月時は綿菓子に食らいついたまま声がしたほうを見て満面の笑みで挨拶をしながら駆け寄る。
「お、起きたなら起こしてくれたらいいのに……つか、今度は綿菓子?」
「だってひろ、疲れてるかなって」
海翔は駆け寄る月時をさらりとかわし、リビングに居る月時の家族に笑いかけた。
「こんな時間ですいません。あの、明けましておめでとうございます。今年もよろしく……」
「こちらこそ、よろしくね」
「よろしく」
家族皆と挨拶を交わしている海翔をヘラヘラとした様子で眺めていると月凪が耳打ちしてきた。
「言ってた魔物予備軍。多分とりあえずは祓われたんだと思うよ。神主がしたのか天使や悪魔がしたのかは知らないけど」
「やっぱり見当たらなかったんだ?」
「俺らが行った時はね」
海翔にも風呂を勧め、その後家族でゆっくり昼食をとった後に月時と海翔はまた部屋に戻ってきた。
「神社ってね、ちゃんと信仰されているとこなら、もちろんそこに宿る日本古来の神様は居ると思うよ。八百万の神だっけか。俺らの概念とは根本から違う、むしろ人に近い存在だよね」
ベッドの上で、お互い壁にもたれた状態で、月時は話し始めた。
「ただ、そんな神様はすべて人の願いや信仰で存在してて、そしてそんな人々の信仰に救いを求めるようにちょっとした霊も引き寄せられたりするんだ。とはいえ、普段から愛されてる神社に酷い悪霊や魔物は存在しないよ」
「だ、だったら夜中見たのも……」
「普段は、ね。でも初詣みたいに普段じゃ考えられない程の混雑だと、魑魅魍魎も引き寄せられちゃうこと、あるみたい。これも絶対じゃないんだけど、ね。人も色んな人、集まるじゃん?」
ゆっくりと話す月時に、海翔はコクリと頷く。
「神社なのにゴミが凄いことになっちゃったりとか、喧嘩起きたりとか。そういった負の空気を養分にしたりとか、負の感情を抱えてる人を見つけたらそこに巣くおうとしたりとかしてくることもあるし、逆に負の感情を放ってくることもあるよ」
「霊って言ったよな。魔物じゃないのか? また違うの?」
「うん、まぁ。元々からの魔物がこっちに紛れ込むこともあるし、こっちの霊が進化して魔物になることも、あるんだ。さっきっつっていいのかな、夜中のはその可能性があった霊」
「だ、だったら放置しないほうが……!」
「だけど俺らにはなにも出来ない。ううん、出来ることはあるかな。見ないふり」
月時が言うと、海翔は「は?」と月時を見返してきた。
「あの時も言ったように、低能な霊や魔物は隙を狙ってるし、ひろみたいに見える人間だと干渉しやすくなる。しやすくなるってことは悪い方へ進化するのを助長する場合もあるんだよ。だから見ないふり」
「でも」
「……第一、さっきの霊に俺らが出来ることなんてない。助けてあげることも退治することも、なにも出来ない。せめて悪い方へ進まないよう見ないふりをするのが一番。もちろんその霊が人にあからさまに害をなすって分かってたら魔界へ知らせるくらいは出来るけども」
これは月時の考えという訳ではなく、人間界に住む魔物たちの対処法でもある。いくら害をなす可能性のある魔物であっても人間界に住む魔物の自分たちにはこの人間界での魔物殺しの権限はない。例え正体がバレると人間を始末するような生き物であってもだ。
多分そこは人間界のルールと似てるとは思っている。人間も「正当防衛」という言葉はあるが、基本的に同じ人間に対して「殺られるから殺る」というルールは適応されていない筈だと月時は思う。やはり月時たちと同じように「通報」くらいしか出来ない筈だ。
「……あの霊……」
少し黙った後に海翔がぽつりと話し出す。
「負の感情っていうんだろうな、あれ。凄く重苦しい嫌な感覚が襲ってきた。でもその中に『悲しい』って感情もあって……」
「それだよ、ひろ」
「え?」
「悲しいのはそりゃきっと悲しいと思う。だって霊ってことは基本、生きてない。どんな理由かは分からないけどかつてはなんらかの状態で生きていたなにかがああなったんだと思う。単体か複数なのかも分からないけど」
隣に座っている海翔の手の指に、月時は自分の指を絡めた。
「でも大抵の霊はそれでもそのままここに留まらない。魂を運ぶ天使に連れていかれるから。運悪く取りこぼされたとしても、あんな場所で燻ることはしない。なのにあそこで蠢いていたでしょ。……別に霊が留まったら皆魔物になる訳じゃない。あの霊は同情すらも糧にしてよくない方向へ進んでいく存在だったんだよ」
海翔はコクリ、と頷いた。
「見えちゃうとね、そうやって良心が疼くこともあるでしょ。で、そこを狙って人間を取り込もうともしてくるんだ。だからそれもあってね、見ちゃだめ、特にひろはまだ慣れてないから」
「……分かった」
「でも、ひろ、凄いなって思った」
「え?」
少し落ち込んだようにまた頷いていた海翔が「なにが」といった風に月時を見てきた。
月時は絡めていた手を持ち上げてそこに軽くキスをした。
「自力で追い払っちゃったから」
「あ、れは」
「ひろ、強いなって思った。……でもそれでもやっぱり、用心して。俺、ほんっとに心配だったんだから! そもそもあの神社にあんなのいるなんて思ってなかったし」
ムッと唇を尖らせると、海翔がおかしそうに笑ってきた。
「うん、分かった。でも、知った以上は気になるんだけど。あのままで大丈夫なの?」
「あ、それは大丈夫。さっきユーキが教えてくれた。ユーキたちが初詣行った時にはもういなくなってたって。多分神主さんか、もしくは天使か悪魔が対処したんだと思う」
「へえ。でも、うん、そうか」
「うん! ……じゃあこの話は終わり。せっかくの新年なのになんかめでたくないし。そーだな、ちゅーしていい?」
手の指にキスをしても怒ってこなかったので調子に乗ったら「調子に乗るな」と速攻で返ってきた。
月時と海翔は月時の部屋に入ると、上着だけ脱いでそのままベッドで一緒に眠った。
一旦、月時は早朝に「おはよ。部屋に連れ込んじゃって」と月凪に起こされた。太陽は昇っているようだがまだ部屋の中は暗かった。
「……なんもしてねーし、これネタにひろ、からかわないでよ……。また家に来てくんなくなっちゃう」
「からかうのは楽しいけど、家に来てくれないのは寂しいね。了解。今から家族で初詣行くけど、トキたちは寝てる?」
「うん……ごめん。寝させて。弱いけど神社でなんかの霊にも遭っちゃって……ひろ、特に疲れてると思う」
「そうなんだ? じゃあ先に行ったくせにお土産買ってきてくれてないトキに、お土産買ってきてあげる。なに欲しい?」
「……たこ焼きと焼きそばといか焼きとフランクフルトとカステラ焼き」
「おやすみ」
次に月時が目を覚ました時には、まだ暗かった外が完全に明るくなっているのがカーテン越しに分かった。ふとくっついて眠っている海翔を見る。やはり霊に遭遇したのが、慣れていないのもあって余程疲れたのか、まだぐっすりと眠っているようだ。
……ひろは寝顔も可愛いんだよなー。
布団の中は暖かくて、そして海翔を見ていると気持ちまで暖かくて、月時は幸せな気分に浸った。だがこのままだと新年早々「この家ではしない」と言う約束を破りそうなので渋々ベッドから出る。海翔をそっと寝させておき、階下に降りてそのままシャワーを浴びた。その後でリビングへ向かうと皆は既に初詣から帰ってきていた。
「ようやく起きてきた。シャワー浴びたの? ひろくんは?」
月梨が聞いてくる。
「まだ寝てる。ちょっと神社で魔物予備軍の霊に遭っちゃって」
「まぁ。私たちが行った時は居なかったようだけど……。大丈夫だったの?」
月時の言葉を聞いた母親が心配そうに聞いてきた。
「うん。むしろ追い払ってたよ、ひろ。もしかしてひろって、いずれ魔力強いタイプになるのかなぁ。でもさすがに疲れたみたい」
「へえ! 凄いねえ!」
月侑太が目をキラキラさせながら言ってくる。それに「だよな」と笑いかけながら、月時はテーブルをきょろきょろと見た。月侑太や月梨が首を傾げる。そんな様子を月凪はニコニコと見ている。
「どしたの?」
「お土産は?」
「え、ないわよ? だって買おうかと思ったらユーキが『お腹いっぱい食べてきたからいらないんだって』とか言うから」
「ユゥキィィィィィ……! 買ってきてくれるっつったじゃん!」
ショックを受けた月時が月凪に駆け寄ると、月凪はニッコリと微笑んできた。
「えー? なんかトキが幸せそうにぬくぬく布団の中で寝てたから意地悪したくなって」
「なんだよそれ!」
「ふふ。嘘嘘。ちゃんと俺が買ってあるよ」
「ユーキ好き!」
「綿菓子だけど」
「あれ食った気しねーからキィィってなるヤツじゃん……! いつも俺食わねーヤツじゃん……! ユーキ嫌い!」
「とか言いながら食べる癖に」
ニコニコしたまま月凪が袋から出した綿菓子を月時の目の前に持ってくると、月時はムッとしたまま口にその一見もふもふとした白い砂糖菓子を咥える。
「ほら、すぐ消えちゃう……!」
そんなことを言いながらもモグモグと食べていると、「あの」と海翔の声がした。
「っひろ! おはよ!」
途端、月時は綿菓子に食らいついたまま声がしたほうを見て満面の笑みで挨拶をしながら駆け寄る。
「お、起きたなら起こしてくれたらいいのに……つか、今度は綿菓子?」
「だってひろ、疲れてるかなって」
海翔は駆け寄る月時をさらりとかわし、リビングに居る月時の家族に笑いかけた。
「こんな時間ですいません。あの、明けましておめでとうございます。今年もよろしく……」
「こちらこそ、よろしくね」
「よろしく」
家族皆と挨拶を交わしている海翔をヘラヘラとした様子で眺めていると月凪が耳打ちしてきた。
「言ってた魔物予備軍。多分とりあえずは祓われたんだと思うよ。神主がしたのか天使や悪魔がしたのかは知らないけど」
「やっぱり見当たらなかったんだ?」
「俺らが行った時はね」
海翔にも風呂を勧め、その後家族でゆっくり昼食をとった後に月時と海翔はまた部屋に戻ってきた。
「神社ってね、ちゃんと信仰されているとこなら、もちろんそこに宿る日本古来の神様は居ると思うよ。八百万の神だっけか。俺らの概念とは根本から違う、むしろ人に近い存在だよね」
ベッドの上で、お互い壁にもたれた状態で、月時は話し始めた。
「ただ、そんな神様はすべて人の願いや信仰で存在してて、そしてそんな人々の信仰に救いを求めるようにちょっとした霊も引き寄せられたりするんだ。とはいえ、普段から愛されてる神社に酷い悪霊や魔物は存在しないよ」
「だ、だったら夜中見たのも……」
「普段は、ね。でも初詣みたいに普段じゃ考えられない程の混雑だと、魑魅魍魎も引き寄せられちゃうこと、あるみたい。これも絶対じゃないんだけど、ね。人も色んな人、集まるじゃん?」
ゆっくりと話す月時に、海翔はコクリと頷く。
「神社なのにゴミが凄いことになっちゃったりとか、喧嘩起きたりとか。そういった負の空気を養分にしたりとか、負の感情を抱えてる人を見つけたらそこに巣くおうとしたりとかしてくることもあるし、逆に負の感情を放ってくることもあるよ」
「霊って言ったよな。魔物じゃないのか? また違うの?」
「うん、まぁ。元々からの魔物がこっちに紛れ込むこともあるし、こっちの霊が進化して魔物になることも、あるんだ。さっきっつっていいのかな、夜中のはその可能性があった霊」
「だ、だったら放置しないほうが……!」
「だけど俺らにはなにも出来ない。ううん、出来ることはあるかな。見ないふり」
月時が言うと、海翔は「は?」と月時を見返してきた。
「あの時も言ったように、低能な霊や魔物は隙を狙ってるし、ひろみたいに見える人間だと干渉しやすくなる。しやすくなるってことは悪い方へ進化するのを助長する場合もあるんだよ。だから見ないふり」
「でも」
「……第一、さっきの霊に俺らが出来ることなんてない。助けてあげることも退治することも、なにも出来ない。せめて悪い方へ進まないよう見ないふりをするのが一番。もちろんその霊が人にあからさまに害をなすって分かってたら魔界へ知らせるくらいは出来るけども」
これは月時の考えという訳ではなく、人間界に住む魔物たちの対処法でもある。いくら害をなす可能性のある魔物であっても人間界に住む魔物の自分たちにはこの人間界での魔物殺しの権限はない。例え正体がバレると人間を始末するような生き物であってもだ。
多分そこは人間界のルールと似てるとは思っている。人間も「正当防衛」という言葉はあるが、基本的に同じ人間に対して「殺られるから殺る」というルールは適応されていない筈だと月時は思う。やはり月時たちと同じように「通報」くらいしか出来ない筈だ。
「……あの霊……」
少し黙った後に海翔がぽつりと話し出す。
「負の感情っていうんだろうな、あれ。凄く重苦しい嫌な感覚が襲ってきた。でもその中に『悲しい』って感情もあって……」
「それだよ、ひろ」
「え?」
「悲しいのはそりゃきっと悲しいと思う。だって霊ってことは基本、生きてない。どんな理由かは分からないけどかつてはなんらかの状態で生きていたなにかがああなったんだと思う。単体か複数なのかも分からないけど」
隣に座っている海翔の手の指に、月時は自分の指を絡めた。
「でも大抵の霊はそれでもそのままここに留まらない。魂を運ぶ天使に連れていかれるから。運悪く取りこぼされたとしても、あんな場所で燻ることはしない。なのにあそこで蠢いていたでしょ。……別に霊が留まったら皆魔物になる訳じゃない。あの霊は同情すらも糧にしてよくない方向へ進んでいく存在だったんだよ」
海翔はコクリ、と頷いた。
「見えちゃうとね、そうやって良心が疼くこともあるでしょ。で、そこを狙って人間を取り込もうともしてくるんだ。だからそれもあってね、見ちゃだめ、特にひろはまだ慣れてないから」
「……分かった」
「でも、ひろ、凄いなって思った」
「え?」
少し落ち込んだようにまた頷いていた海翔が「なにが」といった風に月時を見てきた。
月時は絡めていた手を持ち上げてそこに軽くキスをした。
「自力で追い払っちゃったから」
「あ、れは」
「ひろ、強いなって思った。……でもそれでもやっぱり、用心して。俺、ほんっとに心配だったんだから! そもそもあの神社にあんなのいるなんて思ってなかったし」
ムッと唇を尖らせると、海翔がおかしそうに笑ってきた。
「うん、分かった。でも、知った以上は気になるんだけど。あのままで大丈夫なの?」
「あ、それは大丈夫。さっきユーキが教えてくれた。ユーキたちが初詣行った時にはもういなくなってたって。多分神主さんか、もしくは天使か悪魔が対処したんだと思う」
「へえ。でも、うん、そうか」
「うん! ……じゃあこの話は終わり。せっかくの新年なのになんかめでたくないし。そーだな、ちゅーしていい?」
手の指にキスをしても怒ってこなかったので調子に乗ったら「調子に乗るな」と速攻で返ってきた。
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