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ドラゴン討伐

……強く、もっと強く! 3

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更に日にちが経過し、一行はドラゴンが出没したと言う場所までやって来た。

勿論、ドラゴンも移動はすると思われる。

しかし目撃談からは、ドラゴンは何者かと争っている音が遠くまで聞こえていたとの事。

だが一行が到達する数時間前に、その音がピタリと止んだとの事であった。

先を誰かに越されたか。

そう思いつつ、ドラゴンの居ると思われる場所まで移動を開始した。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「……さて、そろそろ到着するが……」

シン達は周囲を警戒しつつ前進する。

すると、前方からドラゴンの鋭いいななきが聞こえてきた。

全員が戦闘態勢に入り、シンも変身をする。

メタルバトラーのバイザー情報から、ドラゴンの方向と距離が正確に表示される。

レーザーセイバーを抜剣し、メタルバトラーは全員に指示を出す。

「俺はここから、一気に奴へ詰め寄り斬り懸かる。皆は伏兵し、隙を見て奴の眼を狙うなりと援護をしてくれ。……但し、無理はしてくれるなよ?」

「わかったわ。……シン、気を付けてね。」

サラ達は分散し、ドラゴンを囲む様な配置で身を隠す。

その様子を確認し、準備が整ったのを把握したメタルバトラーは、

「……フゥウゥ。さて、と。参りますか!」

深く息を吐き、一気に距離を詰める。

グンとした加速で、身体のバランスが一瞬崩しそうになるが、それも僅か。
直ぐ様、ミドルサイズのドラゴンが見えてくる。

「うぉおぉーーーっ!!」

メタルバトラーはレーザーセイバーを振りかざしながら、ドラゴンの頭上へ飛び懸かる。


ギィイィイィ…………ン。

レーザーセイバーが弾かれた?

いや、正確には僅かではあるが、ドラゴンの鱗なひびが入っていた。

つまり、純粋な強度が勝っていたと言う事である。

「……マジかよ。こりゃあ骨が折れそうだなぁ。」

シンはレーザーセイバーを構え直す瞬間、ドラゴンの爪が反撃として振り下ろされる。

ワンステップで飛び退き、寸でのところで、これを回避する。

「えぇーい!」

サラが弓矢で攻撃を開始。
狙うはドラゴンの眼球。

しかし、ドラゴンはまばたきで、これを防いだ。
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