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神話の時代の話

真意は何処に。

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一通り読み終えたサイは、深い溜め息と共に、背凭せもたれに身体を預けた。

「ヤーシュレイの事は、大まかだが理解は出来た。しかし……」

蒸らした紅茶をポットからカップへ注ぎ、サイのデスクへ置きながら

「……そうッスね。向こうの情報と合わせても行動が今一、合致しないッス。何の為にシン様達にその様な行動を取ったのか、意味不ッス。」

リーチェは、ワケわからないみたいな表情を浮かべながら、感想をサイに述べた。

「そうなんだよ。姉を慕っている、と文献ではあるが、報告の内容からして真逆の行動……辻褄が合わないんだよな。幾つか予想は出来そうだが、飽くまでも予想だ」

カップに口を付け紅茶を飲み、ふぅっと息を吐く。

「……それに予想とは、こちらの都合の良い予想ばかりが起こるだけで無いしね。最悪の可能性もある。また、良くも悪くも成り立つ想定外と言う可能性も無視出来ないね。まぁ想定外たからこそ、予想は出来ないし……」

「で?どーするんッスか?」

リーチェがサイに次の手を促す。

「どうするも何も、打つ手は今の所無いなぁ。相手の出方を見るしかない。……だが。」

顎に手を当てて思案に暫く耽るサイ。

その答えをジッとして待つリーチェ。

「……うん。黙って待つのも悪く無いが、それでは面白くないね。リーチェ、早速だけど、今からシンを追いかけてくれないか?」

「アタイがッスか?」

小首を曲げて聞き返すリーチェに「うん」と言うサイ。

「そうだね。予想はつかない、つまりは相手の真意を汲み取れない。と、なると、アーノルドンだけでは護衛は不安かな。別にアーノルドンが悪い訳では無いが、護りの厚みを増やすに越した事は無いしね。……で?頼めるかい?リーチェ」

サイは口調とは別の真剣な眼差しを向けながら、リーチェの返答を待つ。

「解ったッス。では、早速支度して合流を急ぐッス」

「うん、頼むよ。親友殿がこれ以上の危険が無い様にね。」



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