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一時の平和な日常

ヴィルドーア帝国領へ

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一旦、城に帰り事情をサイに説明。
サイは納得し、ギルドミッションのメンバーを選考した。

アーシュリー、サラ、アーノルドン、

そしてシン。

情報局はロベルタが指揮し、有事の際は、シン達が戻るまで指揮代理する事になっている。

また連絡要員としては、クォーロスト自ら名乗り出てくれた。

インカムでは連絡距離に限界がある為、それ以上の距離となると、守護霊であるクォーロストが連絡しに来てくれる方が断然早い。

また、アーシュリーがGPS代わりになる為、クォーロストが動いてくれる方が理に叶っている。

後は必要物品等は、シンのアイテムボックスがある為、そこに纏めて収納する事にした。

「しっかし、可笑しいッスね。今まで活動してなかったドラゴンが、何故今になって活動再開なんスかね?」

リーチェは思った事を素直に口にしてみた。

確かに妙ではある。

北の進行が陰ながらあったにせよ、奴等の作戦が成功させたければ、ヴィルドーア帝国にドラゴンを進行させ、公国への援軍を止めるとか、ヴィルドーアへの援軍を送らざるを得ない状況にすれば、公国の叛乱を失敗させる事が出来たのではないか、と思えるのだ。

では、何故に。

リーチェの質問が、ここで生じる訳である。

ドラゴンを何らかによる活性化させる方法が間に合わなかったのか、または……。

その『または』は有り得ない可能性だ、とシンは思った。

しかし、その『または』シンの深読みに、このヴィルドーア帝国へ赴いた時にマッチしてしまうのである。

この時点でのシンは

「単なる考え過ぎか。」

と、思っていた。
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