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大乱と統一
大暴れ
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公爵軍が慌てふためく中、向こうから土煙が上がり、怒声と共にやって来るのが、誰の目にも明らかであった。
「ぬぉおぉおぉーーっ!」
「もう……ダメだーーっ!」
バルナバスもアワアワと身動ぎしながら、逃げようとしたが、次の瞬間には首輪に激痛が走った。
「……残念。お前はここで、脱落だ。」
いつの間にか背後を取っていたリックが、バルナバスの喉笛をダガーで掻き斬っていたのだ。
ゴボゴボと血混じりの気泡を口から吐きながら、のたうち回るバルナバスだったが、やがてピクリとも動かなくなった。
「フリッツ卿!」
リックの言葉に深く頷き、テントの外へ出て指示を出す。
「皆の者!逆賊、バルナバスは討ち取った!これより、反逆貴族の掃討戦に移行する!生かして帰すな!追撃せよ!」
すると、怪我をした振りの兵士や騎士達が元気良く立ち上がり、剣や槍を手にして公爵軍を殲滅せんと襲いかかった。
一方、その頃の首都の反対側では、貴族軍をたった1人で食い止める人影があった。
「ば、化け物かよ!あれだけ居た大軍を……」
その者の背後やら足元に累々たる屍の山。
そこに居るのは、ワインレッドの鎧のメタルバトラーだった。
しゅうぅうぅうぅ…………。
口元からどす黒い煙を吐き、構えは正に獣。
武器は鋭い爪で、相手の鎧を裂き、武器を簡単に砕いていた。
『シンよ。相手の戦意もかなり喪失したようだぞ?』
アーシュライトの声が聴こえる。
「あぁ、約束通りに理性は失わずに戦えるな。だが、消耗も激しいなコレ。」
『仕方あるまい。何せ修羅モードは主の力を100%引き出すからの。』
するとシンは、ニヤリと口元を歪ませ、残存する敵勢力に素早く突進する。
「そりゃあ、明日は全身筋肉痛確定だなぁ~」
「ぬぉおぉおぉーーっ!」
「もう……ダメだーーっ!」
バルナバスもアワアワと身動ぎしながら、逃げようとしたが、次の瞬間には首輪に激痛が走った。
「……残念。お前はここで、脱落だ。」
いつの間にか背後を取っていたリックが、バルナバスの喉笛をダガーで掻き斬っていたのだ。
ゴボゴボと血混じりの気泡を口から吐きながら、のたうち回るバルナバスだったが、やがてピクリとも動かなくなった。
「フリッツ卿!」
リックの言葉に深く頷き、テントの外へ出て指示を出す。
「皆の者!逆賊、バルナバスは討ち取った!これより、反逆貴族の掃討戦に移行する!生かして帰すな!追撃せよ!」
すると、怪我をした振りの兵士や騎士達が元気良く立ち上がり、剣や槍を手にして公爵軍を殲滅せんと襲いかかった。
一方、その頃の首都の反対側では、貴族軍をたった1人で食い止める人影があった。
「ば、化け物かよ!あれだけ居た大軍を……」
その者の背後やら足元に累々たる屍の山。
そこに居るのは、ワインレッドの鎧のメタルバトラーだった。
しゅうぅうぅうぅ…………。
口元からどす黒い煙を吐き、構えは正に獣。
武器は鋭い爪で、相手の鎧を裂き、武器を簡単に砕いていた。
『シンよ。相手の戦意もかなり喪失したようだぞ?』
アーシュライトの声が聴こえる。
「あぁ、約束通りに理性は失わずに戦えるな。だが、消耗も激しいなコレ。」
『仕方あるまい。何せ修羅モードは主の力を100%引き出すからの。』
するとシンは、ニヤリと口元を歪ませ、残存する敵勢力に素早く突進する。
「そりゃあ、明日は全身筋肉痛確定だなぁ~」
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