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大乱と統一
思わぬ援軍
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「さてさて、綺麗に罠に掛かったな。弓兵隊、矢の雨を降らせろ!第一歩兵隊は、民間人を安全圏である城内へ誘導を!瓦礫となったが城跡の方が、まだ安全だ。」
アルフォンスは次々と指示を飛ばし、作戦の進行具合をシン達の対策室とフォルクハルトで確認・微調整をし、進行させる。
「さて、リックは上手にフリッツ卿にコンタクト出来た様だし、例の作戦の準備だな。」
シンはインカムを通し、アーノルドンに指示を出す。
その内容を聞いた、サラやフォルクハルトがビックリする。
「えっ!まさか、あの……」
「そうだ。噂通りなら……」
シンは面白がる様な笑顔で、サラ達を見ていた。
その頃、フリッツの軍は一路、バルナバス公爵の陣へと進軍していた。
「さて、まもなく到着だな。フリッツ卿は取り敢えず、バルナバス公爵に対して、もう一芝居をやって頂きますが……」
リックは少し申し訳ないと思いつつ、フリッツに向かってお願いを申し上げる。
「ふむ。……で?某は何をどうしたら良いのだ?」
「………………………………」
「うむ、解った。では、全軍にそう指示を出そう。」
暫くして、フリッツの軍はバルナバス公爵の陣営にたどり着く。
バルナバス軍はフリッツの軍を見て、ギョッとする。
フリッツ軍は、満身創痍の状態でたどり着いた為である。
「フリッツ卿、御無事ですか?」
バルナバス軍の騎士の1人が、フリッツに駆け寄る。
「……な、何とか……な。それよりも、バルナバス公爵に至急取次ぎ願いたい。」
陣営に入りフリッツ軍は、広場の辺りまで案内された。
フリッツ軍は怪我をした者や、看病する者等、ボロボロな状況を醸し出していた。
フリッツは一兵卒に扮したリックと共に、バルナバス公爵のテント入り口まで、案内された。
「……入ります。」
フリッツは、少し疲れた様子を見せながら、バルナバスのテントに入った。
「どうなっとるんじゃ!これは!」
大荒れな様子のバルナバスに臆する事無く、フリッツは報告する。
「……民間人男性を作戦通りに人質とし、開門を要求した所、開門はしたのですが、他の貴族が競って首都の奥深く入った時に、何かの罠があった様で……」
フリッツの報告に、更にバルナバスのイライラが増す。
「……それを喰らった、他の貴族は、人質全てを撫で斬りにし、我々もヴィルヘルム軍の奇襲に会い、この様な……」
「ぐぬぬぬっ!」
歯ぎしりをし悔しがるバルナバス。
そこに更なる凶報が入る。
「失礼します!我が陣営に、敵勢と思われる者共が、軍を簡単に破って、コチラに向かって来てます!」
「なんだとーっ!?」
公爵軍の騎士の報告に、バルナバスは先程の怒りを忘れたかの様に、今度は驚愕の顔に変わる。
その様子をフリッツとリックは、腹の中で大笑い。
表情に出さない様に、必死に堪えていた。
「し、しかも、あの旗印に、あの……何も着けずに……素手の一軍は。」
青冷めた表情に変わりながら、騎士の報告は続く。
「…………ヴィルドーア帝国最凶戦闘種族、ゼン・ラー族……と、思われます。」
「…………な、なな、なんじゃとーーーっ!!」
バルナバスは精鋭の名前を聴いて、その場で腰を抜かした。
アルフォンスは次々と指示を飛ばし、作戦の進行具合をシン達の対策室とフォルクハルトで確認・微調整をし、進行させる。
「さて、リックは上手にフリッツ卿にコンタクト出来た様だし、例の作戦の準備だな。」
シンはインカムを通し、アーノルドンに指示を出す。
その内容を聞いた、サラやフォルクハルトがビックリする。
「えっ!まさか、あの……」
「そうだ。噂通りなら……」
シンは面白がる様な笑顔で、サラ達を見ていた。
その頃、フリッツの軍は一路、バルナバス公爵の陣へと進軍していた。
「さて、まもなく到着だな。フリッツ卿は取り敢えず、バルナバス公爵に対して、もう一芝居をやって頂きますが……」
リックは少し申し訳ないと思いつつ、フリッツに向かってお願いを申し上げる。
「ふむ。……で?某は何をどうしたら良いのだ?」
「………………………………」
「うむ、解った。では、全軍にそう指示を出そう。」
暫くして、フリッツの軍はバルナバス公爵の陣営にたどり着く。
バルナバス軍はフリッツの軍を見て、ギョッとする。
フリッツ軍は、満身創痍の状態でたどり着いた為である。
「フリッツ卿、御無事ですか?」
バルナバス軍の騎士の1人が、フリッツに駆け寄る。
「……な、何とか……な。それよりも、バルナバス公爵に至急取次ぎ願いたい。」
陣営に入りフリッツ軍は、広場の辺りまで案内された。
フリッツ軍は怪我をした者や、看病する者等、ボロボロな状況を醸し出していた。
フリッツは一兵卒に扮したリックと共に、バルナバス公爵のテント入り口まで、案内された。
「……入ります。」
フリッツは、少し疲れた様子を見せながら、バルナバスのテントに入った。
「どうなっとるんじゃ!これは!」
大荒れな様子のバルナバスに臆する事無く、フリッツは報告する。
「……民間人男性を作戦通りに人質とし、開門を要求した所、開門はしたのですが、他の貴族が競って首都の奥深く入った時に、何かの罠があった様で……」
フリッツの報告に、更にバルナバスのイライラが増す。
「……それを喰らった、他の貴族は、人質全てを撫で斬りにし、我々もヴィルヘルム軍の奇襲に会い、この様な……」
「ぐぬぬぬっ!」
歯ぎしりをし悔しがるバルナバス。
そこに更なる凶報が入る。
「失礼します!我が陣営に、敵勢と思われる者共が、軍を簡単に破って、コチラに向かって来てます!」
「なんだとーっ!?」
公爵軍の騎士の報告に、バルナバスは先程の怒りを忘れたかの様に、今度は驚愕の顔に変わる。
その様子をフリッツとリックは、腹の中で大笑い。
表情に出さない様に、必死に堪えていた。
「し、しかも、あの旗印に、あの……何も着けずに……素手の一軍は。」
青冷めた表情に変わりながら、騎士の報告は続く。
「…………ヴィルドーア帝国最凶戦闘種族、ゼン・ラー族……と、思われます。」
「…………な、なな、なんじゃとーーーっ!!」
バルナバスは精鋭の名前を聴いて、その場で腰を抜かした。
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