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暗雲たちこめる王国と公国

サラside2

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夜は明けて、サラはメンバー全員に召集を掛けて、リーチェの報告を詳しく訊いた。

「……危ういな。レビウスゾンビが完全に兵器化成功すれば、公国は圧倒的な戦力を手に入れる事となる。」

報告を訊き、アーノルドンは開口一番に、こう言った。

確かに捨て置くには危険だが、潜入任務で破壊工作は下策だ。
それに。

「私達の目的を忘れてはならないわ。アーノルドン。あくまでも調査よ。破壊してしまったら、今後この国に潜入は出来なくなるし、検問等が厳しくなるわ。……それに」

一旦、間を置いてから、サラは続きを語る。

「まだ、公国北部の状況を把握出来てないわ。まずは、そこから調べ挙げて、本国がどう判断を下すかに任せるしか無いわ。」

メンバーは了解の意味を込めて、深く頷いた。

ロベリアは、サラに一つ質問を述べた。

「副長。確か本日中に着任予定でしたか? えぇと、レンジャーの彼。」

「そうね。彼が合流したら、調査に出掛けるから、皆は朝食後、支度準備に入って。後、リーチェは報告書を書いておいて。帰ってから報告する事になると思うけど。」

「了解ッス!」

「では、出発まで各自よろしくね。解散。」

サラの号令で、朝食後、各々でやるべき事をやり始めた。

その『彼』が到着するのは、昼過ぎ頃になる。
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