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暗雲たちこめる王国と公国

HEROの誰にも言わなかった策略の予想

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「……なるほど。限りなく黒に近い国は、公国と北の亡国か。あとは、帝国も名義上では、同盟国であるが、グラードが公国に攻められたとなれば、大義名分が成り立つ。この返でも、怪しいものだな。」

シンは、どこの勢力が黒幕で、グレイをバックアップしてるのかを怪しんでいた。
更に、この場に居る2人に告げる。

「実は、あの場において、言わなかった可能性があるんだ。」

2人とも『えっ?』と異口同音で発する。

「もう一つの可能性は、サイに入れ替わる事。そうする事でグラード自体を揺るがし、王族どころか、国を滅ぼす方法だよ。」

「しかしッスよ?陛下に化けるにしても、術法などは効かないッスよ。その辺はどうするッスか?」

シンは、その部分においても計算していた。

「仮に、サイのそっくりさんでも良い。整形すれば、可能なんだよ。」

それについても、サラが反論する。

「でも、無理があるわ。性格とか、臣下の名前とか、諸々記憶に関する事に不都合が生じると思うの。」

するとシンは、その部分についての方法を述べる。

「それを可能にするのは簡単だよ。例えば、サイが病気になった。その上で記憶障害や人格が崩れた、とすれば良い。そして、乱心した振りをして、王族を滅亡させる。と言うやり方だな。」

リーチェは、それを聴いてドン引きしながら言った。

「うわっ?それってかなり陰湿で嫌なやり方ッスね。…ってか、それを思い付くシンさまって…。」

シンは慌てて

「ちょっ!待てよ?変な誤解しそうだから、弁明くらいさせてくれよ。昔に戦った相手との中で、やはり、こう言った策略が得意な敵が居てだな…。」

「ハイハイ、解ったッスよぉ。」

「お、おい?信じてないのか?リーチェ?サラは信じるよな?」

サラも少し引いていたが、

「…………そうね。……味方に、ここまで策略を考えられる人って、なかなか居ないものね。」

と、肯定とも否定とも取れそうな言葉で、シンをフォロー(?)した。

「やーっぱ、姫さまも、少~しは、引いちゃいまスよねぇ~ww」

とリーチェが言うと、サラも乾いた笑いで、誤魔化していた。

『………あの~、サラさん?なんで目ぇ反らすんですかね?』

シンの内心の言葉は、胸中で虚しく響いていた。


少し後にシンはサラとリーチェに

「すまないけど、1つ大事な事を頼まれてくれないか?」

と、サラと少し話をし、シンとサラとリーチェは解散し、それぞれの自室へと足を向けた。
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