変身HERO異世界へ征く！

グラード王国王都ヴェーテル

ゴブリン軍団VSメタルバトラー

ゴブリンを惹き付け、森から家が見えなくなった。

「……そろそろか。変神！」

瞬間にメタルバトラーに変身し、腰のホルスターからマグナムブラスターを抜き、ゴブリン達を射殺する。

木の裏に隠れようが、その木ごと撃ち抜く。

「うん。無限弾は良い。実に良い！」

ゴブリンから見れば、まさに魔王の如くの殺戮。

巧く接近戦をしかけても、殴り飛ばされる、踏みつけられる、蹴り飛ばされる。

………野獣………まさしく獰猛な野獣が食い散らかす有り様である。

その戦闘の速さは電光石火。
一度の攻撃でゴブリンが、まるで10匹単位で消されている様に見える。

しかし、無謀なゴブリンも数が減って行き、撤退しようとした。

「……っ！させるかっ！！」

メタルバトラーは追撃の手を緩めず、苛烈な攻勢に切り換える。

遠くの者は撃ち抜き、近くの者は体術を持って、殲滅して行く。
一方的な虐殺であった。

メタルバトラーは一つ腑に落ちない事があった。
それは、このゴブリン達が大軍であり、統率され過ぎていた点だ。

誰かが必ず指揮を取っている者が陰にいる。

センサーをフル稼働させ、敵の位置を探る。
センサーが反応する、敵マーカーを虱潰しにして、叩く、叩く、叩く。

そうして、全ての敵を滅っしてセンサーに敵反応が消えた時には、メタルバトラー以外、誰も立っている者は居なかった。

「気のせいなのか？偶々、大群となり、大軍と変貌したのか？」

辺りを見回しても、誰も居なかった。





一方、その頃、サラ達は王都へ向かっていた。

そこに、灰色のローブを身に着けた者が、何も無い空間から現れた。

顔はフードを深々と被っている為に判明出来ない。

「……ブラーヴォ………いやぁ、あのゴブリンの大軍を抜けて、ここまでやるとは正直思わなかったよ。……素晴らしい！実に素晴らしぃい！！」

ローブの者の声は男らしい。
称賛の言葉を述べながら拍手をした。

「しかし、君達も運が悪いなぁ。次の相手はコイツらだからねぇ？」

すると、ローブの男は術を発動させ、オークを20匹程召喚した。

「ま、せいぜい抗ってみせてよ。男は皆殺し、女はオークの苗床ってところか？」

見える口元がニヤリと歪に笑っている。

「さぁ、ショーの開幕だ。では、諸君さらばだ。」

するとローブの男の姿が消えた。

オークが一斉に村人達の方へ雄叫びを上げて、襲いかかり出した。

サラとリーチェは剣を抜き、応戦を始める。

オークを斬るにしても、分厚い肉の鎧で致命傷にはならず、なかなか倒れない。

「ったく、このブタは何回か戦ったけど、殺りにくいんスよね。毎回毎回。」

リーチェは素早く一匹のオークの背後を取ると、喉元を掻き斬る。しかし、それでも一匹だけだ。
他のオークは村人達へと進撃する。
サラは村長に一回引き下がる様に指示を出しながら、村の男衆と共にオークを迎撃する。

しかし、村人を戦力と考えなければ、多勢に無勢。
オークは数は減ったものの、その数は10匹。
疲労してきた、サラ達はどんどん追い込まれて行しまう。

必死に抵抗した挙げ句、サラとリーチェは捕まってしまった。

「きゃあぁあぁ！」

「しまったッス！マズイッス、ヤバイッス、捕まったッス！」

オークは、獲物を見ると舌舐りし、防具を無造作に剥ぎ取引始めた。

村人達の男達も、満身創痍。
動ける者は居ない。
女達も服を剥ぎ取られ、裸に近い姿になっていた。

「………最早、これまでね。……ごめんね………シン。」