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HERO異世界へ

孤独になったHERO。

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「レーザーセイバー、バトルプロミネンススラッシュ!」

ズバーッ

俺のセイバーが光輝き、敵の大幹部ラスボスを斬り裂く。

「……見事……だ、鬼装闘神きそうとうしん……メタルバトラー。流石は我が……宿敵。だが……これからが……お前の……孤……独……が……」

チュドーーーン!

敵の頭領が最期の言葉を吐きながら爆散した。

「……あぁ、解ってるよ。その平穏が俺の希望であり、俺の終わりと言う事もな。」

レーザーセイバーを納め、変身を解いて、俺は敵の秘密基地を出て行く。

今までは、明確な敵が居た為、俺は存在出来た。
だが、平和になった世界では、新たな世界の脅威という形で俺を見るだろう。
なら俺は、影になり生きるしかない。

長く望んだ平和が手に入るのに、この胸の虚しさは何だ?

もう、あの熱い日々は無くなるのか?

あぁ、解ってる。
解っているとも。

俺が必要無い日陰者になる事こそ、あるべき世界だと言う事が。

俺の中に生まれた、二律背反アンビバレンツ

この葛藤を胸に秘めたまま、最後の戦いより一年が過ぎようとしていた。
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