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追憶。
秋(2)。
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「今日はウチに泊まっていきなさい。御自宅には一報入れておくから。」
父親がそう言うと、僕から電話番号を訊いて、電話しに席を立つ。
「巽くん。あの人、『息子が出来たみたいで嬉しい』って言ってたのよ?私もそうだけどね。」
母親は、そう言って嬉々としていた。
そうなのか?
そういうものなのか?
「それでは、ご厚意に甘えさせて頂きます。」
僕は深々と頭を下げ、感謝の意を伝えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから僕はお風呂を頂き、客室である一室のベッドに横になっていた。
少し眠れないのかもしれない。
暗闇の中、天井を見上げていた。
そんな中、コンコンと小さなノック音が静寂に響いた。
「……どうぞ?」
ドアが静かに開き、向こうから穂香がやって来るのが見えた。
暗闇に眼が慣れていた為、良く見えたから、すぐに誰かと判明がついた。
「どうしたの?」
僕は穂香に問うと
「……な、なんか眠れなくて……龍護とお話すれば、落ち着くかなぁって……」
言葉で何となく彼女が緊張しているのが伝わる。
「そ、そうなんだ。……僕も何だか寝付けなくてね。枕が変わったせいかなぁ、なんて。」
彼女の緊張が、何故か僕にも伝播していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
暫く、ベッドに2人して座って他愛無い会話をしていたが、穂香が
くしゅん
と小さく可愛らしい嚔が出た。
「寒いなら布団に入っていいよ。」
僕は穂香にそう促す。
穂香は布団に潜ると、
「龍護は?」
と、訊いてきたので、
「うん、僕は大丈夫だから穂香は入ってなよ。」
と笑顔で返す。
そう言ってたんだが、
くしゅん!
僕まで嚔が飛んで出た。
それを見て、ふふっと穂香は微笑みながら、布団の上を少し捲って
「入ったら?」
と促す。
僕は少し赤面しながら、穂香の言う通り布団に入り、彼女と並んで横になる。
また他愛ない話を互いにしているうちに、どちらともなく身体が寄っていき、互いに求め合う形となった。
父親がそう言うと、僕から電話番号を訊いて、電話しに席を立つ。
「巽くん。あの人、『息子が出来たみたいで嬉しい』って言ってたのよ?私もそうだけどね。」
母親は、そう言って嬉々としていた。
そうなのか?
そういうものなのか?
「それでは、ご厚意に甘えさせて頂きます。」
僕は深々と頭を下げ、感謝の意を伝えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから僕はお風呂を頂き、客室である一室のベッドに横になっていた。
少し眠れないのかもしれない。
暗闇の中、天井を見上げていた。
そんな中、コンコンと小さなノック音が静寂に響いた。
「……どうぞ?」
ドアが静かに開き、向こうから穂香がやって来るのが見えた。
暗闇に眼が慣れていた為、良く見えたから、すぐに誰かと判明がついた。
「どうしたの?」
僕は穂香に問うと
「……な、なんか眠れなくて……龍護とお話すれば、落ち着くかなぁって……」
言葉で何となく彼女が緊張しているのが伝わる。
「そ、そうなんだ。……僕も何だか寝付けなくてね。枕が変わったせいかなぁ、なんて。」
彼女の緊張が、何故か僕にも伝播していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
暫く、ベッドに2人して座って他愛無い会話をしていたが、穂香が
くしゅん
と小さく可愛らしい嚔が出た。
「寒いなら布団に入っていいよ。」
僕は穂香にそう促す。
穂香は布団に潜ると、
「龍護は?」
と、訊いてきたので、
「うん、僕は大丈夫だから穂香は入ってなよ。」
と笑顔で返す。
そう言ってたんだが、
くしゅん!
僕まで嚔が飛んで出た。
それを見て、ふふっと穂香は微笑みながら、布団の上を少し捲って
「入ったら?」
と促す。
僕は少し赤面しながら、穂香の言う通り布団に入り、彼女と並んで横になる。
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