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第7章 悪役令嬢レイ子聖女を追い詰める2

ホントに邪魔なのよ、何が聖女なの、意味ないわ

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舞踏会が近付くと、
日増しにレイ子の嫌がらせは、酷くなっていった。

ナナが言うことは、全て無視。
ナナがしたことは、全て放り投げる。
ナナの行いは、正しくてもダメ。

レイ子の傍若無人さを気付いても、王様は
レイ子と一緒に高笑いを浮かべるだけだ。

やっぱり、カエルの子はカエルである。
性格が悪くて、救いようが無い。
流石、悪役令嬢である。

レイ子の周りもマインドコントロールされているので、誰1人として、ナナを庇うものはいない。
全てがレイ子の思いのままなのである。
人も金も全て。

ナナは、諦めきっていた。
お父様もお母様も死んでしまった。
誰も私を解る者は、いない。
孤独と絶望で、押しつぶされそうになりながら、ただ懸命に生きていた。

レイン王子に会いたいなぁー。
ううん。そんな贅沢は言わない。
遠くから、一目見るだけで良いの。
それだけで、私は頑張れる。
あの人の存在が、私の希望よ。

ナナは、心で静かに呟いた。

舞踏会まで、あと3日。
「ナナ様。ナナ様。ナナ様」
ナナを呼ぶ声が、夜中にした。
非常に懐かしい声だ。
声の方を振り返ってみるが、誰もいない。

舞踏会まで、あと2日。
「ナナ様。ナナ様。ナナ様」
ナナを呼ぶ声が、また夜中にした。
やっぱり、非常に懐かしい声だ。
声がした方を振り返り、探してみるが、
やっぱり誰もいない。

舞踏会まで、あと1日。
「ナナ様。ナナ様。ナナ様」
また、ナナを呼ぶ声。
真夜中の11時11分。
やっぱり、誰もいないのかな。
ナナは、諦めきれず、声のする方へ駆け出した。

1時間、2時間、3時間。
ずっと、駆け回った。
足が痛い。
もう、歩けない。

レイ子から与えられた靴は、ボロボロで、元から靴の機能は果たしていない。
穴も空いており、底もすり減り、ナナの脚は傷だらけだ。

それでも、ナナは声がする方へ、懸命に走った。
必死だった。

気付けば、探し始めて3時間以上。

ナナは倒れそうだった。

それもそのはずだ。
レイ子から与えられたご飯は、水とパン切れ1枚の3分の1。
他の侍女は、スープにパン1枚、ミルクまであるというのに。
ナナのご飯は、それだけ。

それに加え、ナナには他の侍女の仕事の5倍を押し付けられる。
粗探しをするように、全て。
ナナの責任。
レイ子のかかれば、全てナナが悪いのだ。

いつでも、ナナは疲れて果てていた。
いつでも、ナナを孤独と絶望が襲っていた。
それでも、ナナはレイン王子に再び会えることを夢見て、なんとか日々を生きていた。

ナナは歩き続けた。
それでも、声の主を探して、ひさすら探し回った。

え?ここなの?
本当にここなの?

ナナはもう一度、声がする方を確かめてみた。

え?やっぱりここ?
私の間違いじゃないよね?
嘘じゃないよね?
信じられない。

ナナは何度も何度も、声がする方を確かめた。
信じられなくて、何度も何度も何度も確かめた。

ナナが立ってた場所は。
現女王の寝室の前だった。
レイ子の義母の寝室の前だった。
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