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青い芝は気持ちがいい
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うーん。
土の匂いの草の匂い。
ポカポカと日差しが暖かい。
たまに吹く少し肌寒い風。
懐かしい。
子供の時、よく家族でピクニック行って芝生に寝っ転がったっけ。
ん?
あれ?
俺昨日シャンパン一気飲みして、爽さんに運ばれて…
ふと寝ている所を撫でる。
ん?
外?
目をぱっちりと開ける。
眩しい。
もう一度目を閉じた。
夢?
きっと夢。
そしてまたゆっくりと目を開けた。
青い空。
大きな鳥が太陽の下を遮りながら飛ぶ。
ここ、寮でもないし、もしかして捨てられた。
俺は慌てて飛び起きた。
周りを見渡すと広く広大な草原が広がっていた。
体がチクチクする。
体を触ると、着ている服がゴワゴワしている。
え?
「な、なんなん!この服!」
着ているのは社会の歴史に出てくるよう西洋のボロボロの麻の布を巻いているような格好。
「え?待って待って…夢やろ…」
俺は呆然となった。
マジでリアル過ぎる。
もしかしてもう一度寝れば元に戻っているかも。
俺はまた草の上に寝っ転がり目を閉じた。
リアルに空気もいいし、風が心地よい。
目を閉じてうとうとしだした頃、誰かに起こされた。
「おい!お前!生きてるか!」
俺が目を開けると目の前に爽さんの顔があった。
「爽さん!」
飛び起きた瞬間、蒼さんに頭をぶつけた。
「痛っ!何をする!」
「あ、ごめんなさい。」
俺は頭を抑えながら爽さんを見た。
爽さんは変なターバンと紫色のマントを身につけている。
「え?爽さん?コスプレ?え?まだ夢?」
「何を言ってるんだ。」
爽さんは不思議な顔で俺を見る。
俺も爽さんをじっと見つめた。
確かに顔は爽さんだけど口調が違う。
よく見ると、ターバンから少し見える髪の色も金髪だ。
やっぱり夢だ。
ん?夢なら頭ぶつけて痛いのか?
二日酔いだから?
「お前、大丈夫か?さっきからブツブツと。怪しい輩か?」
いきなり首元に短刀みたいなものを当てられた。
「ち、違います。お酒に酔って倒れたらこんな事に!」
「なんだ。ただの酔っ払いか。昼間から酒とは。」
「すみません。」
なんで俺謝ってるんだ。
「さっさと家に帰るんだな。」
「家?」
「家があるだろ。俺達みたいに旅をしている訳ではなかろう。」
「旅?いや~俺なんでここにいるかわかんないんです。」
実際にわからんし、多分夢だ。
それならそのまま勢いに任せよう。
「なんだ!記憶喪失か!」
爽さんに似た人は驚き、レイと大きな声で呼んだ。
そこに現れたのはまた変な格好をした莉央さんだった。
莉緒さんはシルクの様な綺麗なシャツに半ズボン、髪はブルー、背中には羽が生えている。
髪がブルーで羽って…
莉央さんは茶髪だった。
絶対夢……
俺は頭を抱えた。
「酒を飲みすぎるからそうなるんだ。」
爽さんに似た人はそう言い放つと、レイと呼ばれる莉央さんから水を受け取り飲ませてくれた。
「俺達は先を急ぐ。お前は酔いを冷まし家に帰るんだな。」
爽さんに似た人と莉央さんに似たレイはその場から立ち去ろうとした。
「ちょっと待って!」
二人が振り返る。
「俺も一緒に連れてって欲しい。お願いします!」
俺は二人に頭を下げた。
「連れては行けない。」
キッパリと断られた。
断るよね。普通。俺も断る。
でも、今ここにこの人達しかいないんだ。
俺は土下座をした。
夢だといってもこの悪夢から覚めない限り夢の中で死んでしまうかもしれない。
「足でまといにならないようにするんで。家も無いし、気がついたらここにいるし、どうしていいかわかんないんです。」
爽さんに似た人は呆れた顔をしたが、次の町に着くまでという約束で引き受けてくれた。
「ただこの辺りは邪悪な魔王に侵されている。魔力で動物も人も支配されているんだ。変な行動を起こしたら直ちにお前を殺す。いいな。」
「はいっ!」
え?今魔王って言った?
ここどこだ。
昔やったゲーム思い出して変な夢になってるのか?
俺の頭の中がグルグルと色々駆け巡った。
「あの~」
「なんだ?」
「ここってどこですか?」
「ここはグリーンラウドだ。」
「グリーンラウド?」
「ここって地球ですか?」
「地球?なんだそれは?」
「生物がいっぱい住んでいるところです。星です!星!」
爽さんにそっくりな人は怪訝そうな顔をした。
「まだ酔ってるのか。そんな事なら置いて行くぞ。」
「す、すみません。」
また謝ってしまった。
俺はどうなるんだろ。
土の匂いの草の匂い。
ポカポカと日差しが暖かい。
たまに吹く少し肌寒い風。
懐かしい。
子供の時、よく家族でピクニック行って芝生に寝っ転がったっけ。
ん?
あれ?
俺昨日シャンパン一気飲みして、爽さんに運ばれて…
ふと寝ている所を撫でる。
ん?
外?
目をぱっちりと開ける。
眩しい。
もう一度目を閉じた。
夢?
きっと夢。
そしてまたゆっくりと目を開けた。
青い空。
大きな鳥が太陽の下を遮りながら飛ぶ。
ここ、寮でもないし、もしかして捨てられた。
俺は慌てて飛び起きた。
周りを見渡すと広く広大な草原が広がっていた。
体がチクチクする。
体を触ると、着ている服がゴワゴワしている。
え?
「な、なんなん!この服!」
着ているのは社会の歴史に出てくるよう西洋のボロボロの麻の布を巻いているような格好。
「え?待って待って…夢やろ…」
俺は呆然となった。
マジでリアル過ぎる。
もしかしてもう一度寝れば元に戻っているかも。
俺はまた草の上に寝っ転がり目を閉じた。
リアルに空気もいいし、風が心地よい。
目を閉じてうとうとしだした頃、誰かに起こされた。
「おい!お前!生きてるか!」
俺が目を開けると目の前に爽さんの顔があった。
「爽さん!」
飛び起きた瞬間、蒼さんに頭をぶつけた。
「痛っ!何をする!」
「あ、ごめんなさい。」
俺は頭を抑えながら爽さんを見た。
爽さんは変なターバンと紫色のマントを身につけている。
「え?爽さん?コスプレ?え?まだ夢?」
「何を言ってるんだ。」
爽さんは不思議な顔で俺を見る。
俺も爽さんをじっと見つめた。
確かに顔は爽さんだけど口調が違う。
よく見ると、ターバンから少し見える髪の色も金髪だ。
やっぱり夢だ。
ん?夢なら頭ぶつけて痛いのか?
二日酔いだから?
「お前、大丈夫か?さっきからブツブツと。怪しい輩か?」
いきなり首元に短刀みたいなものを当てられた。
「ち、違います。お酒に酔って倒れたらこんな事に!」
「なんだ。ただの酔っ払いか。昼間から酒とは。」
「すみません。」
なんで俺謝ってるんだ。
「さっさと家に帰るんだな。」
「家?」
「家があるだろ。俺達みたいに旅をしている訳ではなかろう。」
「旅?いや~俺なんでここにいるかわかんないんです。」
実際にわからんし、多分夢だ。
それならそのまま勢いに任せよう。
「なんだ!記憶喪失か!」
爽さんに似た人は驚き、レイと大きな声で呼んだ。
そこに現れたのはまた変な格好をした莉央さんだった。
莉緒さんはシルクの様な綺麗なシャツに半ズボン、髪はブルー、背中には羽が生えている。
髪がブルーで羽って…
莉央さんは茶髪だった。
絶対夢……
俺は頭を抱えた。
「酒を飲みすぎるからそうなるんだ。」
爽さんに似た人はそう言い放つと、レイと呼ばれる莉央さんから水を受け取り飲ませてくれた。
「俺達は先を急ぐ。お前は酔いを冷まし家に帰るんだな。」
爽さんに似た人と莉央さんに似たレイはその場から立ち去ろうとした。
「ちょっと待って!」
二人が振り返る。
「俺も一緒に連れてって欲しい。お願いします!」
俺は二人に頭を下げた。
「連れては行けない。」
キッパリと断られた。
断るよね。普通。俺も断る。
でも、今ここにこの人達しかいないんだ。
俺は土下座をした。
夢だといってもこの悪夢から覚めない限り夢の中で死んでしまうかもしれない。
「足でまといにならないようにするんで。家も無いし、気がついたらここにいるし、どうしていいかわかんないんです。」
爽さんに似た人は呆れた顔をしたが、次の町に着くまでという約束で引き受けてくれた。
「ただこの辺りは邪悪な魔王に侵されている。魔力で動物も人も支配されているんだ。変な行動を起こしたら直ちにお前を殺す。いいな。」
「はいっ!」
え?今魔王って言った?
ここどこだ。
昔やったゲーム思い出して変な夢になってるのか?
俺の頭の中がグルグルと色々駆け巡った。
「あの~」
「なんだ?」
「ここってどこですか?」
「ここはグリーンラウドだ。」
「グリーンラウド?」
「ここって地球ですか?」
「地球?なんだそれは?」
「生物がいっぱい住んでいるところです。星です!星!」
爽さんにそっくりな人は怪訝そうな顔をした。
「まだ酔ってるのか。そんな事なら置いて行くぞ。」
「す、すみません。」
また謝ってしまった。
俺はどうなるんだろ。
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