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嫉妬
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金曜日の夜から日曜日にかけて、遥斗と一緒に時間を過ごす。
今日は土曜日だし、二人で映画を観て、ちょっとお洒落なBARに行く約束をした。
土曜日なら遥斗が潰れても大丈夫だから。
映画は洋画のアクション映画。遥斗は女の子好みじゃないけどいいの?って聞くけど、あたしは結構アクションの方が好き。
ドキドキしている間、ずっと遥斗に手を握って貰えるし。
映画館を出た所で、古川部長を見かけた。
あたしは遥斗の手を引っ張り、建物の影に隠れた。
「何?」
「しっ!みて。」
あたしは古川を指さした。
「!」
でも、女性連れだ。
「あれ?あの子って。」
あたしの頭の中を女性の顔がフラッシュバックする。
遥斗も考えてたらしい。
「あっ!」
思い出したタイミングが一緒だった。
「美咲さんに捨てられて直ぐに違う女か。」
「でも、ほっとした。もうLINEで呼び出そうとしないだろうし。」
ほっと肩を撫で下ろす。
「でも気をつけてね。あーなると、女好きの病気だと思うし。」
「うん。気をつける。」
それを目撃した後、SNSでも人気だという気になっていたオシャレなBARに向かった。
遥斗はこういう事も面倒臭がらず付き合ってくれる。
遥斗は最初はビール、その後は軽めのカクテルを頼んだ。
あたしはビールとちょっと強めのカクテル。
2杯目を飲み終わる頃、トイレに行きたくなり、あたしはトイレに向かった。
男性用と女性用、他にスペースが広めの個室があった。
奥は女性用になっており、広めの共有トイレが真ん中、そして手前が男性用になっている。
女性用に入り、用を足すと隣から微かな声が聞こえてくる。
「ぁ…ぁ…んぁ…」
「いやらしいなぁ…」
?!
隣でしちゃってる?
?
男性の声、聞き覚えが…
トイレから戻って、遥斗に伝えたかったが、戻った時、遥人は会計していた。
手を繋いで店をでる。
遥斗が店の前でタクシーを拾おうと手をあげる。
「遥斗…さっきね…」
「ん?」
タクシーでは話せない。
「お家で話す…」
遥斗がタクシーを止めるのをやめ、手を下ろす。
「どうしたの?」
「うん…実は昼間部長と受付のコ見たよね。」
「見たよ。」
「さっき、お店に居たかも?」
「ほんとに?」
「わたし、トイレ行ったでしょ。その時に二人でトイレ入ってたかも。」
「え?」
遥斗がお店の方を振り返る。
そして直ぐに戻り、
「見ないで。」
「え?」
「部長が今お店出た。」
やっぱりそうだったんだ。
「あの二人、トイレで何してたの?」
「多分…えっち…」
「はぁ?まじかよ。」
遥斗が呆れる。
「美咲さんも?」
「え?」
遥斗が真剣な顔で質問する。
「美咲さんもあいつにそんな事やられたの?」
きっと嘘をついても遥斗に見破られる。
コクリと小さく頷く。
遥斗の顔が一瞬悲しい顔になり、あたしの腕を強く掴んで歩きだした。
「いたいっ!」
ぱっと手が離れる。
「ごめん。付き合ってたの知ってるのに。」
「ううん。悲しい思いさせてごめんなさい。」
ギュッと遥斗が抱きしめる。
遥斗が悲しそうな声で言う。
「俺だって、嫉妬するし、わかって…」
「うん。」
返事しか出来ない。
「さっきは無理に引っ張ってごめんね。」
「うん。」
遥斗が再びタクシーを止めようと手をあげた。
直ぐに捕まり、二人で乗り込む。
「渋谷まで。」
家と反対方向を遥斗が指示する。
「遥斗?そっちは…」
遥斗が肩をキュッと抱き寄せる。
会社も近いけど、どこに?
今日は土曜日だし、二人で映画を観て、ちょっとお洒落なBARに行く約束をした。
土曜日なら遥斗が潰れても大丈夫だから。
映画は洋画のアクション映画。遥斗は女の子好みじゃないけどいいの?って聞くけど、あたしは結構アクションの方が好き。
ドキドキしている間、ずっと遥斗に手を握って貰えるし。
映画館を出た所で、古川部長を見かけた。
あたしは遥斗の手を引っ張り、建物の影に隠れた。
「何?」
「しっ!みて。」
あたしは古川を指さした。
「!」
でも、女性連れだ。
「あれ?あの子って。」
あたしの頭の中を女性の顔がフラッシュバックする。
遥斗も考えてたらしい。
「あっ!」
思い出したタイミングが一緒だった。
「美咲さんに捨てられて直ぐに違う女か。」
「でも、ほっとした。もうLINEで呼び出そうとしないだろうし。」
ほっと肩を撫で下ろす。
「でも気をつけてね。あーなると、女好きの病気だと思うし。」
「うん。気をつける。」
それを目撃した後、SNSでも人気だという気になっていたオシャレなBARに向かった。
遥斗はこういう事も面倒臭がらず付き合ってくれる。
遥斗は最初はビール、その後は軽めのカクテルを頼んだ。
あたしはビールとちょっと強めのカクテル。
2杯目を飲み終わる頃、トイレに行きたくなり、あたしはトイレに向かった。
男性用と女性用、他にスペースが広めの個室があった。
奥は女性用になっており、広めの共有トイレが真ん中、そして手前が男性用になっている。
女性用に入り、用を足すと隣から微かな声が聞こえてくる。
「ぁ…ぁ…んぁ…」
「いやらしいなぁ…」
?!
隣でしちゃってる?
?
男性の声、聞き覚えが…
トイレから戻って、遥斗に伝えたかったが、戻った時、遥人は会計していた。
手を繋いで店をでる。
遥斗が店の前でタクシーを拾おうと手をあげる。
「遥斗…さっきね…」
「ん?」
タクシーでは話せない。
「お家で話す…」
遥斗がタクシーを止めるのをやめ、手を下ろす。
「どうしたの?」
「うん…実は昼間部長と受付のコ見たよね。」
「見たよ。」
「さっき、お店に居たかも?」
「ほんとに?」
「わたし、トイレ行ったでしょ。その時に二人でトイレ入ってたかも。」
「え?」
遥斗がお店の方を振り返る。
そして直ぐに戻り、
「見ないで。」
「え?」
「部長が今お店出た。」
やっぱりそうだったんだ。
「あの二人、トイレで何してたの?」
「多分…えっち…」
「はぁ?まじかよ。」
遥斗が呆れる。
「美咲さんも?」
「え?」
遥斗が真剣な顔で質問する。
「美咲さんもあいつにそんな事やられたの?」
きっと嘘をついても遥斗に見破られる。
コクリと小さく頷く。
遥斗の顔が一瞬悲しい顔になり、あたしの腕を強く掴んで歩きだした。
「いたいっ!」
ぱっと手が離れる。
「ごめん。付き合ってたの知ってるのに。」
「ううん。悲しい思いさせてごめんなさい。」
ギュッと遥斗が抱きしめる。
遥斗が悲しそうな声で言う。
「俺だって、嫉妬するし、わかって…」
「うん。」
返事しか出来ない。
「さっきは無理に引っ張ってごめんね。」
「うん。」
遥斗が再びタクシーを止めようと手をあげた。
直ぐに捕まり、二人で乗り込む。
「渋谷まで。」
家と反対方向を遥斗が指示する。
「遥斗?そっちは…」
遥斗が肩をキュッと抱き寄せる。
会社も近いけど、どこに?
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