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平穏な日々

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あれから3ヶ月が経ち、何度か部長からLINEはきたが全て断ってたら来ることも無くなった。

あたしと遥斗は週末にはお互いの家にお泊まりをするようになった。

日曜日は買い物をしたり、映画を観たり、たまに家で二人でのんびり過ごしたり、これが幸せなんだと実感した。


「最近、美咲って充実してるよね~」

結がため息混じりに言う。

今日は久しぶりに結とランチ。

いつものオフィス前のカフェ。

食後のコーヒーを二人で堪能中。

「うん。すごく幸せだもん。」

「いいなぁ~。

遥斗君イケメンだしさー、優しいしさー、ありゃ結婚したら、絶対イクメンになるしさ。」

確かに、子供好きで、デート中に赤ちゃんとか小さい子供みるとちょっかいを出している。

いいパパになるんだろうなぁ~

またニヤける。

「あ、またニヤけた!」

「結だって結婚するって言ってたじゃん!どうなったの?」

「う~ん。まぁ追追話すわ。」

結は何か問題がある時は話さない。

ほぼ事後報告が多い。

でも大抵1人で解決しちゃうんだよね。

「わかった。」

遥斗と結婚かぁ…

まだ3ヶ月なのに、そんな事話したら思い女って思われちゃう。

それに部長の事もきちんと片付いた訳ではない。

「あ、美咲、もう時間!」

結が時計をみる。

休憩時間も終わりだ。

あたしと結は急いでエントランスに向かった。

受付の女の子にふと目がいった。

朝は気がつかなかったが新しい綺麗な女の子がいる。

結があたしの目線に気が付いた。

「あー。あの子。」

「知ってるの?新入社員にしては時期じゃないよね。」

「顔がいいからコネ入社って話だよ。」

「ふーん。」

「誰の推薦なんだかね~?」

この時はこのまま話が終わった。

あの現場を目撃することになるなんて。
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