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12.休日の過ごし方
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私もいたずらに家にいるわけではない。よく食べ物を分けてくれる魔族の方から話を聞いて、森にくっつくようにしてある山に来ていた。場所をナディヤに伝えてみると、行ったことがあるらしく探し物の場所をなんとなく教えてくれた。危なくないから大丈夫よ! と言っていたけれど、即席の武器で戦えるほど強くはないので、念のため一応扱いなれた護身用のナイフを持っている。あくまで逃げるための武器だ。
聞いていた話の通りに山を登っていくと、彩り豊かな場所が待っていた。赤に青に黄、白、黒の色を持った花が咲き誇っている。赤と言っても桃色から茶色に近いような色まで各種揃っていた。種類問わず、隣り合った花の色同士が混じって、また別の花が咲く。エルヴダハムの植物たちは、オラニ王国では考えられない生態をしているらしい。木の影を避けるように花のカーペットが出来ていた。
「同じ色を探すのが大変そう」
思わずそう漏らしてしまうけれど、零れる笑みは隠せない。持ってきた籠に花を摘んでは入れていく。すりつぶせばいい絵具になりそうだ。絵を描くためには結構な量の花が必要だけれど、それもこれだけの範囲にわたって育っていれば、取りつくす心配もなさそう。私は地面にしゃがみこむと、時間を忘れて花を摘んだ。
「こんな辺鄙なところで何をしていると思ったら、花を摘んでいたとは」
気配なく突然聞こえた声に驚いてそちらの方向を向くと、シルヴェさんがいた。手には似つかわしくない空の籠。
「わざわざこんな遠くまで、どうされましたか?」
「家を訪ねたらここだというから来たんだ。手伝ってこいとこれを手渡されたんだが」
ナディヤが今日は早く帰っていたらしい。シルヴェさんに使いぱしりをさせるなんてと思ったが、本人はそれについては特に何も思っていないらしい。むしろ、手伝いの意味を理解してなるほどな、と呟いている。
「どれを摘めばいい?」
近くにしゃがみこみ、私の顔を見上げた。本当に手伝ってくれるらしい。まだ集められていなかった色を伝えて、私も自分の採集に戻る。
「理由を聞かないのですか? 何に使うのかと」
黙ったままというのも落ち着かなくて、つい口を開く。利がないことは嫌だと言っていたから、余計に気になった。
「聞かなくても良い。必要だから来たのだろう? お前の役にたった、それだけで俺には十分な理由だ」
「ありがとうございます。……来てくださって助かりました。何度往復することになるかと考えていたくらいですから」
その親切な気持ちが純粋に嬉しくて、思わず振り向き――視線が合う。いや、たまたまかもしれない。そう考えてもう一度ゆっくりシルヴェさんの方を見ると、やっぱり目が合った。
「どうした?」
どうして私のほうを見ているんですか。とは聞けず黙って作業を再開した。
聞いてみたもののそこまで気にはならなかったのか、シルヴェさんからそれ以上の追及を受けることはなかった。ひたすら作業を続ける。
「帰りますか?」
二つの籠が花で満たされた頃には、冷たい風が吹き始めていた。二人とも手元に没頭しすぎて時間に気付かなかったみたいだ。
「少し急ぐぞ。夜に森を通るもんじゃない」
シルヴェさんは来た時よりかなり重くなった籠二つを左手に持ち、右手で私の腕を掴んだ。葉が積もった場所を足早に歩くせいで、足を滑らせかけることもあったが、その度に腕を引っ張られて転ばずに済んだ。きっと、私にとっては早いこのペースも、背の高いシルヴェさんにとってはもどかしい速度なのだろう。時折速度が一気に上がりかけ、一瞬止まる。というのを何度も繰り返していた。
こんなに暗くては一人じゃ帰れないかもしれないと思いはじめた頃、ようやく森から町まで繋がる道に出て、一息つくことができた。上がった息を整えてから、もうすっかり暗くなった道をゆっくり歩く。
「あの、シルヴェさん」
「なんだ?」
昼間聞きそびれてしまったことを改めて尋ねた。
「どうして私に会いにきてくださったのですか?」
多忙な方だと町の人からは聞いています、と続けると、シルヴェさんはふっと顔を反らす。なにか良くないことを言っただろうか。
「……今日は休みだったんだ」
「すみません。お休みの日にこんなことをさせてしまって」
咄嗟に謝るが、シルヴェさんはなぜか慌てた様子で付け足した。
「いや、役に立てたなら俺はそれで良いんだ」
無表情なのに、感情が伝わってくる。それがなんだか嬉しく感じた。
「お礼は何が良いですか? あまりご提供できるものはありませんけれど、頑張りますよ」
こんなに親切にされたら、それ相応の礼をしなくてはならないだろう。何が好きなんだろう、喜んでくれるんだろうと考えても思い浮かぶものは何一つなく、シルヴェさんのことは何にも知らないんだと思い知った。
「気にしなくていい。好きでしていることだ」
「そうも行きません。何かありませんか?」
「思いつかないから不要だ」
「よく考えてみてください」
「まるで押し売りされているみたいだな」
シルヴェさんの口の端が僅かに上がって、苦笑いを形作っている。だから私もいっそ開き直ってみた。
「その通りです。なので、今度までに考えておいてくださいね」
「では思いつくまでは会えそうにないな」
残念だ。と呟くシルヴェさんの言葉に、少し後悔する。自分から言いだしたことがきっかけとはいえ、会えないのは少し寂しい。
「じゃ、じゃあお礼に会いましょう」
口にしてすぐに後悔した。――自分でも何を言っているか分からない。ぴたりと足を止めたシルヴェさんも呆気にとられた表情をしている。
「嘘です。冗談です。忘れてください」
慌ててなかったことにしようとしたけれど、通用しなかったらしい。
シルヴェさんはすぐに口元を手で覆って隠したけれど、小さな笑い声は私の耳にも届いている。
「笑うならもっとちゃんと笑ってください」
理不尽だと分かっていながらシルヴェさんに八つ当たりするが、しかめっ面の私に、シルヴェさんの笑いは深まるばかりだった。
憮然としたままシルヴェさんが静かに笑っているのを眺める。
「悪かった、な……。ふふっ、礼に会ってくれるとは……ふっ」
思い出し笑いから抜けられないシルヴェさんは、表情を隠すことも忘れていて、そんな姿を見られただけでも変なことを言った価値はあったかもしれないと、また妙なことを考えてしまっていた。
「ほら、もう帰りましょう」
付き合っていられないと歩き出せば、後ろからシルヴェさんが笑いながらついてくる。
結局、家まで送ってもらい、その道中シルヴェさんは笑いっぱなしだった。
「悪かったな。変なところを見せて」
玄関先まで来てようやく平静を装ったものの、まだ笑いが残っているようで時折口元が引きつっているのが見えた。
「笑っているシルヴェさんも面白かったですよ」
「それは仕返しか?」
「気持ちばかりの意趣返しです」
別れるタイミングを逃して話していると、玄関が勢いよく開く。
「ちょっと! 帰って来たと思ったらいつまで喋ってるのよ!」
ナディヤが手に肉を持ったまま出てきてしまった。ご飯がそろそろできるようで、家の中からは良い香りが漂ってきている。
「ごめん、ナディヤ。もう入るね」
確かに遅くなりすぎてしまった。礼を改めて告げてシルヴェさんから籠を受け取る。用件は済んだと去ろうとしたシルヴェさんの腕を、ナディヤががしっと捕まえた。
「あなたもここまで来たならご飯くらい食べていきなさいよ。そうしたらまだリラと話せるでしょ。ほら、名案! 早く来なさい!」
ぐいぐいと家の中にひっぱるナディヤに、私とシルヴェさんは顔を見合わせる。
「邪魔していいのか?」
「ダメだったら誘わないわよ!」
逆切れともとれるナディヤの言葉に、シルヴェさんは素直に従うことにしたらしい。いただこう、と引っ張られるままについていく。食事用の部屋にはもうロイス兄さんが待っていて、わかっていると頷いていた。
「二人ともお腹すいてるだろうから、いっぱい食べていいんだよ」
並べられたご馳走の数々に、こうなることは分かっていてシルヴェさんを私のところに向かわせたんだなと今更理解する。シルヴェさんを見ると同じような顔をしていて二人にしてやられたんだとわかったが、もう終わったこと。後の祭りである。今できることと言えば、用意してくれた食事に感謝することだと、私は肉にかぶりついたのだった。
聞いていた話の通りに山を登っていくと、彩り豊かな場所が待っていた。赤に青に黄、白、黒の色を持った花が咲き誇っている。赤と言っても桃色から茶色に近いような色まで各種揃っていた。種類問わず、隣り合った花の色同士が混じって、また別の花が咲く。エルヴダハムの植物たちは、オラニ王国では考えられない生態をしているらしい。木の影を避けるように花のカーペットが出来ていた。
「同じ色を探すのが大変そう」
思わずそう漏らしてしまうけれど、零れる笑みは隠せない。持ってきた籠に花を摘んでは入れていく。すりつぶせばいい絵具になりそうだ。絵を描くためには結構な量の花が必要だけれど、それもこれだけの範囲にわたって育っていれば、取りつくす心配もなさそう。私は地面にしゃがみこむと、時間を忘れて花を摘んだ。
「こんな辺鄙なところで何をしていると思ったら、花を摘んでいたとは」
気配なく突然聞こえた声に驚いてそちらの方向を向くと、シルヴェさんがいた。手には似つかわしくない空の籠。
「わざわざこんな遠くまで、どうされましたか?」
「家を訪ねたらここだというから来たんだ。手伝ってこいとこれを手渡されたんだが」
ナディヤが今日は早く帰っていたらしい。シルヴェさんに使いぱしりをさせるなんてと思ったが、本人はそれについては特に何も思っていないらしい。むしろ、手伝いの意味を理解してなるほどな、と呟いている。
「どれを摘めばいい?」
近くにしゃがみこみ、私の顔を見上げた。本当に手伝ってくれるらしい。まだ集められていなかった色を伝えて、私も自分の採集に戻る。
「理由を聞かないのですか? 何に使うのかと」
黙ったままというのも落ち着かなくて、つい口を開く。利がないことは嫌だと言っていたから、余計に気になった。
「聞かなくても良い。必要だから来たのだろう? お前の役にたった、それだけで俺には十分な理由だ」
「ありがとうございます。……来てくださって助かりました。何度往復することになるかと考えていたくらいですから」
その親切な気持ちが純粋に嬉しくて、思わず振り向き――視線が合う。いや、たまたまかもしれない。そう考えてもう一度ゆっくりシルヴェさんの方を見ると、やっぱり目が合った。
「どうした?」
どうして私のほうを見ているんですか。とは聞けず黙って作業を再開した。
聞いてみたもののそこまで気にはならなかったのか、シルヴェさんからそれ以上の追及を受けることはなかった。ひたすら作業を続ける。
「帰りますか?」
二つの籠が花で満たされた頃には、冷たい風が吹き始めていた。二人とも手元に没頭しすぎて時間に気付かなかったみたいだ。
「少し急ぐぞ。夜に森を通るもんじゃない」
シルヴェさんは来た時よりかなり重くなった籠二つを左手に持ち、右手で私の腕を掴んだ。葉が積もった場所を足早に歩くせいで、足を滑らせかけることもあったが、その度に腕を引っ張られて転ばずに済んだ。きっと、私にとっては早いこのペースも、背の高いシルヴェさんにとってはもどかしい速度なのだろう。時折速度が一気に上がりかけ、一瞬止まる。というのを何度も繰り返していた。
こんなに暗くては一人じゃ帰れないかもしれないと思いはじめた頃、ようやく森から町まで繋がる道に出て、一息つくことができた。上がった息を整えてから、もうすっかり暗くなった道をゆっくり歩く。
「あの、シルヴェさん」
「なんだ?」
昼間聞きそびれてしまったことを改めて尋ねた。
「どうして私に会いにきてくださったのですか?」
多忙な方だと町の人からは聞いています、と続けると、シルヴェさんはふっと顔を反らす。なにか良くないことを言っただろうか。
「……今日は休みだったんだ」
「すみません。お休みの日にこんなことをさせてしまって」
咄嗟に謝るが、シルヴェさんはなぜか慌てた様子で付け足した。
「いや、役に立てたなら俺はそれで良いんだ」
無表情なのに、感情が伝わってくる。それがなんだか嬉しく感じた。
「お礼は何が良いですか? あまりご提供できるものはありませんけれど、頑張りますよ」
こんなに親切にされたら、それ相応の礼をしなくてはならないだろう。何が好きなんだろう、喜んでくれるんだろうと考えても思い浮かぶものは何一つなく、シルヴェさんのことは何にも知らないんだと思い知った。
「気にしなくていい。好きでしていることだ」
「そうも行きません。何かありませんか?」
「思いつかないから不要だ」
「よく考えてみてください」
「まるで押し売りされているみたいだな」
シルヴェさんの口の端が僅かに上がって、苦笑いを形作っている。だから私もいっそ開き直ってみた。
「その通りです。なので、今度までに考えておいてくださいね」
「では思いつくまでは会えそうにないな」
残念だ。と呟くシルヴェさんの言葉に、少し後悔する。自分から言いだしたことがきっかけとはいえ、会えないのは少し寂しい。
「じゃ、じゃあお礼に会いましょう」
口にしてすぐに後悔した。――自分でも何を言っているか分からない。ぴたりと足を止めたシルヴェさんも呆気にとられた表情をしている。
「嘘です。冗談です。忘れてください」
慌ててなかったことにしようとしたけれど、通用しなかったらしい。
シルヴェさんはすぐに口元を手で覆って隠したけれど、小さな笑い声は私の耳にも届いている。
「笑うならもっとちゃんと笑ってください」
理不尽だと分かっていながらシルヴェさんに八つ当たりするが、しかめっ面の私に、シルヴェさんの笑いは深まるばかりだった。
憮然としたままシルヴェさんが静かに笑っているのを眺める。
「悪かった、な……。ふふっ、礼に会ってくれるとは……ふっ」
思い出し笑いから抜けられないシルヴェさんは、表情を隠すことも忘れていて、そんな姿を見られただけでも変なことを言った価値はあったかもしれないと、また妙なことを考えてしまっていた。
「ほら、もう帰りましょう」
付き合っていられないと歩き出せば、後ろからシルヴェさんが笑いながらついてくる。
結局、家まで送ってもらい、その道中シルヴェさんは笑いっぱなしだった。
「悪かったな。変なところを見せて」
玄関先まで来てようやく平静を装ったものの、まだ笑いが残っているようで時折口元が引きつっているのが見えた。
「笑っているシルヴェさんも面白かったですよ」
「それは仕返しか?」
「気持ちばかりの意趣返しです」
別れるタイミングを逃して話していると、玄関が勢いよく開く。
「ちょっと! 帰って来たと思ったらいつまで喋ってるのよ!」
ナディヤが手に肉を持ったまま出てきてしまった。ご飯がそろそろできるようで、家の中からは良い香りが漂ってきている。
「ごめん、ナディヤ。もう入るね」
確かに遅くなりすぎてしまった。礼を改めて告げてシルヴェさんから籠を受け取る。用件は済んだと去ろうとしたシルヴェさんの腕を、ナディヤががしっと捕まえた。
「あなたもここまで来たならご飯くらい食べていきなさいよ。そうしたらまだリラと話せるでしょ。ほら、名案! 早く来なさい!」
ぐいぐいと家の中にひっぱるナディヤに、私とシルヴェさんは顔を見合わせる。
「邪魔していいのか?」
「ダメだったら誘わないわよ!」
逆切れともとれるナディヤの言葉に、シルヴェさんは素直に従うことにしたらしい。いただこう、と引っ張られるままについていく。食事用の部屋にはもうロイス兄さんが待っていて、わかっていると頷いていた。
「二人ともお腹すいてるだろうから、いっぱい食べていいんだよ」
並べられたご馳走の数々に、こうなることは分かっていてシルヴェさんを私のところに向かわせたんだなと今更理解する。シルヴェさんを見ると同じような顔をしていて二人にしてやられたんだとわかったが、もう終わったこと。後の祭りである。今できることと言えば、用意してくれた食事に感謝することだと、私は肉にかぶりついたのだった。
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