6 / 23
06.住居探し
しおりを挟む
「だってこの間言ってたじゃない。魔王の座をやるって。ねぇロイス?」
「うん、そうだねぇ。言ってたけど……魔王になることがどうしてここに住む話に繋がるの?」
話が繋がらなかったのは私だけではなかったことに安心しながらナディヤを見る。言いだした本人以外の全員がよくわからないという顔をしていた。
「つまりここに住んで良いってことでしょ? 欲しいものはくれるとも言ってたし。そうでしょ?」
隣からは大きなため息。いつの話かと思い返してよくよく考えてみれば、私もそんな話を聞いた気がする。戦闘の真っ最中の売り言葉に買い言葉のような気がしなくもないが、確かに言っていたような気がする。魔王にも心当たりがあったのだろう。今まで曲がりなりにもどっしりと構えていた魔王の態度が一転して慌てふためいたものになる。
「ああああれはその場のノリというか、そう言わなければ殺されると思ったのだから無効じゃ!」
「じゃあ今から殺せばいいってこと? 殺せって言われたのをせっかく生かしておいてあげたのに」
躊躇いなく剣を引き抜く素振りで、魔王は更に慌てる。
「待て待て待て! なぜそうなる! 大体わしに侵略しないという誓いを立てさせたのじゃからお主もオラニ王国でのんびりすれば良かろう!!」
「あたしだってそうしたかったわよ! それなのにあのくそ王が、褒美は名誉で良かろうとか言うから!!」
思い出してまた怒りがわき上がってきたのか、持っていた荷物を床にたたきつける。
話を聞いた魔王は、予想外にも不快そうに眉根を寄せた。
「いやいやいや、名誉じゃ腹は膨れんじゃろうて」
思わぬ賛同を得て、ナディヤの勢いは増す。
「そうでしょ? あんたよく分かってるじゃない。で、ムカついたから出てきたのよ。分かる? この苦労が」
魔王は意外にも深く頷いた。意見が一致するとは案外話が通じる相手なのかもしれないと期待をして魔王の言葉を待つ。
「確かに。それは統治者として許し難いことじゃ。じゃが……この国に住むというのはまた別の話というか」
「なんでよ! 人間から襲われたら守ってあげるわよ?」
いつそんな話になったのだろう。突っ込むまもなく、話はどんどん進んでいく。
「いやしかし、お主人間じゃろ……」
「それがなんだって言うのよ。なにか問題? ちょっと見た目が違うだけでしょ」
見た目だけの問題ではないのはすでに明白。とは言わない。せっかく説得できそうな兆しが見えてきたのだから。
ナディヤは魔王のあげる問題点を、次々いなしていく。そう。ナディヤは魔族に対してひけ目がない。どんな違いも各々の違いとしか思っていないからこそ、対等でいられるのだ。
「魔王様、発言しても?」
少しも進まない話に突然、隣にいた魔族の男が口を開く。魔王は助けを得たと、表情を明るくして何度も頷いた。
「勿論じゃ、シルヴェ。意見を言うが良い」
「期待に応えられず残念ですが、諦めましょう。幸い、害をなすつもりはないようですし、勝手にそこらに住む分には好きにさせたら良いのでは」
ぽかーんと魔王の口が開き、ナディヤは嬉しそうに目を輝かせて魔王に迫る。
「やだ、物わかりのいい魔族もいるんじゃない。ね、この人もこう言ってることだしいいでしょ?」
ナディヤはシルヴェと呼ばれた魔族の同意を得て、もうこれで妨げるものはないといわんばかりに言い寄っている。
「本気じゃな?」
魔王の確認にも、シルヴェさんはしっかりと頷いた。
「ええ。我々と共存できるというのであれば、それもまた良し。無理だと出ていくのならそれだけの話です」
シルヴェさんの言葉を受けて、魔王は黙り込んだ。ごにょごにょと独り言を呟き、大きく頷く。
「良かろう。好きに暮らすが良い」
魔王の表情には諦めが色濃い。
「ありがと!」
喜ぶナディヤの後ろで、私とロイス兄さんは顔を見合わせた。ごり押ししたとはいえ本当に良いのだろうか。予想よりすんなりと許可が下りて逆に不信感すら抱いてしまう。
「ただし」
やはり。無条件というわけにはいかないらしい。でもそのほうが安心できる。魔王の言葉を待った。
「このエルヴダハムで暮らす以上、国の決めごとは守ってもらうぞ」
厳めしい顔で告げられたのは常識と言っても良い内容。ナディヤも同様の感想のようで、躊躇いなく同意した。
「それくらい分かってるわ。迷惑をかけるつもりはないもの」
魔王の表情が既に迷惑だと告げているが、ナディヤの中では問題ないらしい。
「とりあえず、ここに来るまでにあった森の中で暮らすことにするわ」
え? あの光が差し込まなくてじめじめした森に? 流石にそれは嫌だと顔を顰める。
「ナディヤ。住むところくらい選ぼう?」
我慢できずに口を挟むと、きょとんとした表情でナディヤは振り返る。
「そう? でもあたしたち文無しよ?」
わざとらしく首を傾げたナディヤは困った表情でちらり、と魔王を見る。しばらく無言の攻防があり、魔王の長い長いため息が答えだった。
「わかったわかった。町の端の方に、今は使ってない小屋がある。そこを使ってもいいぞ」
「助かるわ! お礼に、何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれていいわよ! 勿論、報酬は貰うけどね」
お礼とは一体……。誰も突っ込まなかったけれど、多分気持ちは一緒だったと思う。
「用件は終わりか? 後はもう好きにしてくれ。くれぐれももめ事は起こさんでくれ」
ため息とともに告げられた言葉にも、ナディヤは軽く頷いて振り返る。
「ええ! それじゃ行きましょ」
うきうきと歩き出し、その後にロイス兄さんも続く。私も踵を返そうとして、さっきまでと異なり、椅子に深く座り込んだ魔王に気づく。しかめっ面で、包帯を巻いている部分を抑えている。痛いのだろうか。自然と足が止まった。
「二人とも、先に行ってくれる? 私、もう少し用事があったんだった」
まだ何かあっただろうかとナディヤは怪訝そうに振り向く。
「待つわよ? リラが襲われたら困るもの」
警戒するように魔王と隣にいた魔族の男に視線を送っている。ナディヤが心配してくれているのは分かるけど、今からやろうとしていることを知れば良い顔をしないであろうことは容易に想像がついた。
「ううん、大丈夫。……お願い」
少し考えて、二人は分かったと先に帰っていく。大広間から出ていくのを見送って、魔王に向き直った。
「うん、そうだねぇ。言ってたけど……魔王になることがどうしてここに住む話に繋がるの?」
話が繋がらなかったのは私だけではなかったことに安心しながらナディヤを見る。言いだした本人以外の全員がよくわからないという顔をしていた。
「つまりここに住んで良いってことでしょ? 欲しいものはくれるとも言ってたし。そうでしょ?」
隣からは大きなため息。いつの話かと思い返してよくよく考えてみれば、私もそんな話を聞いた気がする。戦闘の真っ最中の売り言葉に買い言葉のような気がしなくもないが、確かに言っていたような気がする。魔王にも心当たりがあったのだろう。今まで曲がりなりにもどっしりと構えていた魔王の態度が一転して慌てふためいたものになる。
「ああああれはその場のノリというか、そう言わなければ殺されると思ったのだから無効じゃ!」
「じゃあ今から殺せばいいってこと? 殺せって言われたのをせっかく生かしておいてあげたのに」
躊躇いなく剣を引き抜く素振りで、魔王は更に慌てる。
「待て待て待て! なぜそうなる! 大体わしに侵略しないという誓いを立てさせたのじゃからお主もオラニ王国でのんびりすれば良かろう!!」
「あたしだってそうしたかったわよ! それなのにあのくそ王が、褒美は名誉で良かろうとか言うから!!」
思い出してまた怒りがわき上がってきたのか、持っていた荷物を床にたたきつける。
話を聞いた魔王は、予想外にも不快そうに眉根を寄せた。
「いやいやいや、名誉じゃ腹は膨れんじゃろうて」
思わぬ賛同を得て、ナディヤの勢いは増す。
「そうでしょ? あんたよく分かってるじゃない。で、ムカついたから出てきたのよ。分かる? この苦労が」
魔王は意外にも深く頷いた。意見が一致するとは案外話が通じる相手なのかもしれないと期待をして魔王の言葉を待つ。
「確かに。それは統治者として許し難いことじゃ。じゃが……この国に住むというのはまた別の話というか」
「なんでよ! 人間から襲われたら守ってあげるわよ?」
いつそんな話になったのだろう。突っ込むまもなく、話はどんどん進んでいく。
「いやしかし、お主人間じゃろ……」
「それがなんだって言うのよ。なにか問題? ちょっと見た目が違うだけでしょ」
見た目だけの問題ではないのはすでに明白。とは言わない。せっかく説得できそうな兆しが見えてきたのだから。
ナディヤは魔王のあげる問題点を、次々いなしていく。そう。ナディヤは魔族に対してひけ目がない。どんな違いも各々の違いとしか思っていないからこそ、対等でいられるのだ。
「魔王様、発言しても?」
少しも進まない話に突然、隣にいた魔族の男が口を開く。魔王は助けを得たと、表情を明るくして何度も頷いた。
「勿論じゃ、シルヴェ。意見を言うが良い」
「期待に応えられず残念ですが、諦めましょう。幸い、害をなすつもりはないようですし、勝手にそこらに住む分には好きにさせたら良いのでは」
ぽかーんと魔王の口が開き、ナディヤは嬉しそうに目を輝かせて魔王に迫る。
「やだ、物わかりのいい魔族もいるんじゃない。ね、この人もこう言ってることだしいいでしょ?」
ナディヤはシルヴェと呼ばれた魔族の同意を得て、もうこれで妨げるものはないといわんばかりに言い寄っている。
「本気じゃな?」
魔王の確認にも、シルヴェさんはしっかりと頷いた。
「ええ。我々と共存できるというのであれば、それもまた良し。無理だと出ていくのならそれだけの話です」
シルヴェさんの言葉を受けて、魔王は黙り込んだ。ごにょごにょと独り言を呟き、大きく頷く。
「良かろう。好きに暮らすが良い」
魔王の表情には諦めが色濃い。
「ありがと!」
喜ぶナディヤの後ろで、私とロイス兄さんは顔を見合わせた。ごり押ししたとはいえ本当に良いのだろうか。予想よりすんなりと許可が下りて逆に不信感すら抱いてしまう。
「ただし」
やはり。無条件というわけにはいかないらしい。でもそのほうが安心できる。魔王の言葉を待った。
「このエルヴダハムで暮らす以上、国の決めごとは守ってもらうぞ」
厳めしい顔で告げられたのは常識と言っても良い内容。ナディヤも同様の感想のようで、躊躇いなく同意した。
「それくらい分かってるわ。迷惑をかけるつもりはないもの」
魔王の表情が既に迷惑だと告げているが、ナディヤの中では問題ないらしい。
「とりあえず、ここに来るまでにあった森の中で暮らすことにするわ」
え? あの光が差し込まなくてじめじめした森に? 流石にそれは嫌だと顔を顰める。
「ナディヤ。住むところくらい選ぼう?」
我慢できずに口を挟むと、きょとんとした表情でナディヤは振り返る。
「そう? でもあたしたち文無しよ?」
わざとらしく首を傾げたナディヤは困った表情でちらり、と魔王を見る。しばらく無言の攻防があり、魔王の長い長いため息が答えだった。
「わかったわかった。町の端の方に、今は使ってない小屋がある。そこを使ってもいいぞ」
「助かるわ! お礼に、何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれていいわよ! 勿論、報酬は貰うけどね」
お礼とは一体……。誰も突っ込まなかったけれど、多分気持ちは一緒だったと思う。
「用件は終わりか? 後はもう好きにしてくれ。くれぐれももめ事は起こさんでくれ」
ため息とともに告げられた言葉にも、ナディヤは軽く頷いて振り返る。
「ええ! それじゃ行きましょ」
うきうきと歩き出し、その後にロイス兄さんも続く。私も踵を返そうとして、さっきまでと異なり、椅子に深く座り込んだ魔王に気づく。しかめっ面で、包帯を巻いている部分を抑えている。痛いのだろうか。自然と足が止まった。
「二人とも、先に行ってくれる? 私、もう少し用事があったんだった」
まだ何かあっただろうかとナディヤは怪訝そうに振り向く。
「待つわよ? リラが襲われたら困るもの」
警戒するように魔王と隣にいた魔族の男に視線を送っている。ナディヤが心配してくれているのは分かるけど、今からやろうとしていることを知れば良い顔をしないであろうことは容易に想像がついた。
「ううん、大丈夫。……お願い」
少し考えて、二人は分かったと先に帰っていく。大広間から出ていくのを見送って、魔王に向き直った。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
子育て失敗の尻拭いは婚約者の務めではございません。
章槻雅希
ファンタジー
学院の卒業パーティで王太子は婚約者を断罪し、婚約破棄した。
真実の愛に目覚めた王太子が愛しい平民の少女を守るために断行した愚行。
破棄された令嬢は何も反論せずに退場する。彼女は疲れ切っていた。
そして一週間後、令嬢は国王に呼び出される。
けれど、その時すでにこの王国には終焉が訪れていた。
タグに「ざまぁ」を入れてはいますが、これざまぁというには重いかな……。
小説家になろう様にも投稿。
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。
ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」
そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。
長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。
アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。
しかしアリーチェが18歳の時。
アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。
それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。
父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。
そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。
そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。
──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──
アリーチェは行動を起こした。
もうあなたたちに情はない。
─────
◇これは『ざまぁ』の話です。
◇テンプレ [妹贔屓母]
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!
【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました
鈴宮ソラ
ファンタジー
オラルト伯爵家に生まれたレイは、水色の髪と瞳という非凡な容姿をしていた。あまりに両親に似ていないため両親は彼女を幼い頃から不気味だと虐待しつづける。
レイは考える事をやめた。辛いだけだから、苦しいだけだから。心を閉ざしてしまった。
十数年後。法官として勤めるエメリック公爵によって伯爵の罪は暴かれた。そして公爵はレイの並外れた才能を見抜き、言うのだった。
「私の娘になってください。」
と。
養女として迎えられたレイは家族のあたたかさを知り、貴族の世界で成長していく。
前題 公爵家の養子になりました~最強の氷魔法まで授かっていたようです~
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
貴方に側室を決める権利はございません
章槻雅希
ファンタジー
婚約者がいきなり『側室を迎える』と言い出しました。まだ、結婚もしていないのに。そしてよくよく聞いてみると、婚約者は根本的な勘違いをしているようです。あなたに側室を決める権利はありませんし、迎える権利もございません。
思い付きによるショートショート。
国の背景やらの設定はふんわり。なんちゃって近世ヨーロッパ風な異世界。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿。
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる