作良くんに恋した日から

梶ゆいな

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2.一歩踏み出した先は新しい世界

2ー5

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「紬もって、もしかして七海ちゃんも……?」

「ないない。私はサクに一切興味ないから」

七海ちゃんは険しい表情を浮かべながら手を振り、全力で否定をしてくる。

そ、そんなに否定しなくても。

でも、私は七海ちゃんの言葉にほっと胸を撫で下ろした。


その直後、昼休み終了を告げるチャイムが鳴り七海ちゃんは自分の席へと戻っていった。

私も机を元の位置へと戻してお弁当箱をしまう。


作良くんの話、途中になっちゃった……。

七海ちゃんは一体、誰の話をしていたんだろう。

パッと頭に浮かんだのは志乃ちゃん。

でも、志乃ちゃんから作良くんの話を聞いたことは一度もない。

ふたりが話しているところも見たことがないし、違う人のことかな?

交友関係が広い七海ちゃんなら色んな人の恋バナを聞くだろうし。

そもそも、作良くんのことを好きな人が私以外にもいることなんて想定内だし、驚くようなことじゃないよね。


私はこれからも作良くんと同じ教室にいられることに喜んで、幸せだった誕生日のことを思い返すだけ。

それ以上は望んでいないんだから。

だけど、七海ちゃんと志乃ちゃんには私が作良くんを好きだってことを伝えておきたいな。

友達と恋バナをするのが憧れだったから。


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