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アキラと姉!甲府の旅
はじめてのキス
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<エリーゼになったエリック視点>
「そっか。君はエリーゼちゃんじゃなくエリック君だったわけだ」
「そうなんです……」
「そして、本当は男だとアキラに言えずにいる。なるほどね」
完全に僕の悩みを涼子さんと共有してしまった。
怒られるかと思っていたが、案外冷静だ。
「それで、君はどうしたいのかなあ」
問いかけられる。
「女として生きていきたいのかな。アキラのパートナーになりたいのかな」
「それは……お恥ずかしながら……」
口を手で隠して軽くうなづく。
「だったら、君に必要なものは勇気だよ」
「勇気……」
同じ言葉を反芻する。
「君がやってきた世界で魔法使いに必要な資質3か条なんだったかな?確か、アキラの日記に書いてあったけど」
「古語、音楽、勇気」
「そうでしょ?三本柱のうちの一本が折れたままだと、いくら歌唱力が抜群でも魔法使いとしても半人前のままってことじゃないかな?」
「涼子さん……」
「ま、君とアキラの人生だよ。頑張りな。応援してるから。あ、あと、そのエリックくん、君の体に入ったエリーゼちゃんとも相談しなきゃいけないよ。話し合いが難しい相手でも、一応報告は大事だよ」
何か心の中のもやもやが晴れたような気持ちだった。
自分がやるべきことが見えたような感じだった。
そして、時は過ぎ、元来た世界に帰る時間がやってきた。
「エリーゼちゃん、アキラにいっぱいお土産もっていってね」
「ははは。こんなに持たせなくても」
音楽プレイヤーやCD,アルトサックスなど、音楽に関するものを中心にたくさん荷物を持たせられた。
向こうの世界に持っていけたらラッキーくらいの気持ちで。
「あいつ、バカだけど、私たちにとって大事な宝物なんだ。よろしく頼むよ」
「はい!涼子さん!」
次元の穴が開き、僕の体は吸い込まれていった。
目が覚めると、ミラヴェニア学園の男子寮の近くだ。
元来た世界に帰ってきたようだ。
見慣れた顔が、愛しい顔が僕の視力でぎりぎり見える範囲で歩いていた。
「アキラ!」
荷物を地面に置き抱き着く。
「エリーゼ、どうしたんだその荷物!甲府の実家に置いてきたものばかりじゃないか!」
「ただいま!あなたにいっぱい話したいことがあるの。言いたいことも、その前に……」
僕は、アキラの前で目をつむり、つま先立ちをする。
「アキラ……ただいまのキスしてほしい」
しばしの沈黙。
さすがに唐突すぎてしてもらえないかと思われたその時、僕の唇にぬれた感触が舞い降りた。
僕の咥内に舌の柔らかい感触が。
幸せすぎてとろけそう。
「エリーゼ。なんつー顔してるんだよ」
僕はどんな顔をしているのだろうか。
アキラの瞳に僕はどう映っているのだろうか。
僕はいつか男に戻る日が来るかもしれない。
それまでに、もう少しだけ、もう少しだけ、君のアニマでいさせて。
「そっか。君はエリーゼちゃんじゃなくエリック君だったわけだ」
「そうなんです……」
「そして、本当は男だとアキラに言えずにいる。なるほどね」
完全に僕の悩みを涼子さんと共有してしまった。
怒られるかと思っていたが、案外冷静だ。
「それで、君はどうしたいのかなあ」
問いかけられる。
「女として生きていきたいのかな。アキラのパートナーになりたいのかな」
「それは……お恥ずかしながら……」
口を手で隠して軽くうなづく。
「だったら、君に必要なものは勇気だよ」
「勇気……」
同じ言葉を反芻する。
「君がやってきた世界で魔法使いに必要な資質3か条なんだったかな?確か、アキラの日記に書いてあったけど」
「古語、音楽、勇気」
「そうでしょ?三本柱のうちの一本が折れたままだと、いくら歌唱力が抜群でも魔法使いとしても半人前のままってことじゃないかな?」
「涼子さん……」
「ま、君とアキラの人生だよ。頑張りな。応援してるから。あ、あと、そのエリックくん、君の体に入ったエリーゼちゃんとも相談しなきゃいけないよ。話し合いが難しい相手でも、一応報告は大事だよ」
何か心の中のもやもやが晴れたような気持ちだった。
自分がやるべきことが見えたような感じだった。
そして、時は過ぎ、元来た世界に帰る時間がやってきた。
「エリーゼちゃん、アキラにいっぱいお土産もっていってね」
「ははは。こんなに持たせなくても」
音楽プレイヤーやCD,アルトサックスなど、音楽に関するものを中心にたくさん荷物を持たせられた。
向こうの世界に持っていけたらラッキーくらいの気持ちで。
「あいつ、バカだけど、私たちにとって大事な宝物なんだ。よろしく頼むよ」
「はい!涼子さん!」
次元の穴が開き、僕の体は吸い込まれていった。
目が覚めると、ミラヴェニア学園の男子寮の近くだ。
元来た世界に帰ってきたようだ。
見慣れた顔が、愛しい顔が僕の視力でぎりぎり見える範囲で歩いていた。
「アキラ!」
荷物を地面に置き抱き着く。
「エリーゼ、どうしたんだその荷物!甲府の実家に置いてきたものばかりじゃないか!」
「ただいま!あなたにいっぱい話したいことがあるの。言いたいことも、その前に……」
僕は、アキラの前で目をつむり、つま先立ちをする。
「アキラ……ただいまのキスしてほしい」
しばしの沈黙。
さすがに唐突すぎてしてもらえないかと思われたその時、僕の唇にぬれた感触が舞い降りた。
僕の咥内に舌の柔らかい感触が。
幸せすぎてとろけそう。
「エリーゼ。なんつー顔してるんだよ」
僕はどんな顔をしているのだろうか。
アキラの瞳に僕はどう映っているのだろうか。
僕はいつか男に戻る日が来るかもしれない。
それまでに、もう少しだけ、もう少しだけ、君のアニマでいさせて。
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