7 / 17
【1話】無理に付き合うの止めるっ
揺れる気持ち
しおりを挟む
この日以降、保育園のお迎えの後に公園で毎日遊んでいたのを、2日に1回、3日に1回と徐々に減らしていった。
同時に、初菜が行くところへついて回るようにして、ママたちが集まる場所にいる時間はほぼなくなった。近くにいても、初菜と話すようにした。
悪いことはしていないけれど、佐奈子は罪悪感が募ってくる。
決してママたちは性格が悪い人ではないからだ。
ただ自分とは価値観や感覚が違うだけだ。そのせいで、一緒にいると疲れるのは自分の問題だと思っている。
だからこそ、わざと、そして徹底して疎遠になろうとしていることに心苦しさを感じてしまう。
本当にこれで良いのだろうか。家で愚痴りながらでも親しくしておくべきではないか。
佐奈子の思考は、常に、と言っていいほど、バイト中も、家事をしているときも、保育園の送迎のときも同じところをグルグル回り続ける。
時おり、お風呂に入りながら、初菜に保育園での様子を聞く。
何をして遊んだか、給食は残さず食べたかに加えて、よく遊ぶ友だちのこと、仲良くする相手が変わってないか、慎重に聞き出す。
佐奈子がママたちとのランチを断った後も、特に何かが変わったことはないらしい。
年長クラスには20人の園児がいる。遊ぶ相手もある程度、固定されているようだけれど、かなり流動的なようだった。
佐奈子はホッと胸を撫でおろす以上に、一生懸命、保育園のことを話してくれる初菜の楽しそうな様子に身も心も温めてもらっている。
同時に、初菜が行くところへついて回るようにして、ママたちが集まる場所にいる時間はほぼなくなった。近くにいても、初菜と話すようにした。
悪いことはしていないけれど、佐奈子は罪悪感が募ってくる。
決してママたちは性格が悪い人ではないからだ。
ただ自分とは価値観や感覚が違うだけだ。そのせいで、一緒にいると疲れるのは自分の問題だと思っている。
だからこそ、わざと、そして徹底して疎遠になろうとしていることに心苦しさを感じてしまう。
本当にこれで良いのだろうか。家で愚痴りながらでも親しくしておくべきではないか。
佐奈子の思考は、常に、と言っていいほど、バイト中も、家事をしているときも、保育園の送迎のときも同じところをグルグル回り続ける。
時おり、お風呂に入りながら、初菜に保育園での様子を聞く。
何をして遊んだか、給食は残さず食べたかに加えて、よく遊ぶ友だちのこと、仲良くする相手が変わってないか、慎重に聞き出す。
佐奈子がママたちとのランチを断った後も、特に何かが変わったことはないらしい。
年長クラスには20人の園児がいる。遊ぶ相手もある程度、固定されているようだけれど、かなり流動的なようだった。
佐奈子はホッと胸を撫でおろす以上に、一生懸命、保育園のことを話してくれる初菜の楽しそうな様子に身も心も温めてもらっている。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
狐狸の類
なたね由
ライト文芸
年に一度の秋祭り、神社に伝わるかどわかしの話。
ずっとずっと昔、いつだったか思い出せないほど遠くの昔に狐にさらわれた子供と、神様にされてしまった狐の二人暮らしのものがたり。
タイムリープ10YEARS
鳥柄ささみ
ライト文芸
麻衣は何の変哲もない毎日を過ごしていた。
仲良しな家族、大好きな友達、楽しい学校生活。
ありきたりな、誰もが各々に過ごしているはずの日々、日常。
しかし、10歳のときにあった交通事故によって彼女の世界は激変した。
なぜなら、彼女が目覚めたのは10年後だったから。
精神、学力、思考、すべてが10歳と変わらないまま、ただ時だけ過ぎて外見は20歳。
年月に置いてけぼりにされた、少女の不安と葛藤の物語。
※小説家になろうにも掲載してます
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~
海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。
そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。
そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。
灰かぶり姫の落とした靴は
佐竹りふれ
ライト文芸
中谷茉里は、あまりにも優柔不断すぎて自分では物事を決められず、アプリに頼ってばかりいた。
親友の彩可から新しい恋を見つけるようにと焚きつけられても、過去の恋愛からその気にはなれずにいた。
職場の先輩社員である菊地玄也に惹かれつつも、その先には進めない。
そんな矢先、先輩に頼まれて仕方なく参加した合コンの店先で、末田皓人と運命的な出会いを果たす。
茉里の優柔不断さをすぐに受け入れてくれた彼と、茉里の関係はすぐに縮まっていく。すべてが順調に思えていたが、彼の本心を分かりきれず、茉里はモヤモヤを抱える。悩む茉里を菊地は気にかけてくれていて、だんだんと二人の距離も縮まっていき……。
茉里と末田、そして菊地の関係は、彼女が予想していなかった展開を迎える。
第1回ピッコマノベルズ大賞の落選作品に加筆修正を加えた作品となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる