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アメリカ合衆国の排日論に対して大日本帝国、黒人の移民を受け入れるのこと。
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英米間に於いて外交に亀裂が走っている最中、大日本帝国でも大阪方面で一騒動起きていた。それは……。
「国鉄は全部の鉄道を領有するつもりか!」
~ 小林一三、箕面有馬電気軌道の廃線を下令されて曰く。
突如として、箕面有馬電気軌道に国から命令が来た。曰く、「そんな採算の取れないミミズ鉄道など作るなら国へもっと貢献する鉄道を作れ」。結果、どうにか運営にはこぎ着けたものの、その後国鉄の買い取りとなり以後小林の計画にあった有馬~鈴蘭台~湊川などの神有鉄道敷設は国鉄が担当することとなる。
だが、そんな小規模な騒動にかまけている暇は大日本帝国には存在しなかった……。
おいおい、勘弁してくれよ……。
「本当なのか、これは」
「イギリスからのタレコミです、嘘ではないでしょう」
「だと、いいが……」
いや、よくはない、か。
その報告書に書かれていたのは、アメリカ合衆国が再来月には日本人労働者移民の渡航制限をするだろうという報告書であった。そして、大日本帝国にとってそれは致命傷ではないものの、間違いなく反米感情を逆撫でする行為であり、イギリスからのタレコミという形で知れたものの、果たしてどう出るかによりある程度の覚悟が必要であった。
「何故、アメリカ合衆国は西からの移民を禁ずるのか!それは人種差別に他ならず、ならば此方も東の市場、即ち支那方面の機会をアメリカ合衆国に提供することは無い!」
~ 大日本帝国のある代議士、議会演説にて。
1907年11月16日に要請されたアメリカ合衆国の日本人労働者移民制限要請に対して12月25日より開催された帝国議会は予想以上の紛糾の様相を見せていた。そして、その議会の結果、アメリカ合衆国にとっては最悪の展開を見せることになる……。
1908年2月6日、大日本帝国はアメリカ合衆国に対して飽くまでも強硬な態度を譲らない表明を見せる。通称、「支那封鎖宣言」とされるそれは、飽くまでも大日本帝国なりの控えめなメッセージであったが、アメリカ合衆国はこの宣言を重く受け止めることとなる。双方の齟齬に基づくものであったが、欧州はこの事態を静観、戦争にならなかった原因とは日英同盟があったからだとすら言われている。だが、事態は思わぬ好転を見せることになる、それは……。
「首相、朗報です!」
「どうした、アメリカ合衆国で騒動でも起きたか!」
「よく御存知で!」
「何っ」
アメリカ合衆国で黒人一揆が発生、あわや第二次アメリカ内戦かとされたそれは、アメリカ合衆国の意識が大きく内向きになったことを意味する。そう、日本人の移民という少数の脅威よりも大多数いる黒人の権利を制限する方をアメリカ合衆国は優先しだした。だが。
「念のため、大日本帝国はどんな形であれ、人種差別を赦しはしないという態度を取れ」
「……如何なる意味に御座いますか?」
「アメリカ合衆国の黒人に、ビザを渡す!」
「……は?」
……そう、アメリカ合衆国のこの騒動を大日本帝国は重く見た。そして、黒人に公民権を与えないのならば日本に来ると良いというメッセージをつけた。それは、一種の高等な政治曲芸であった。即ち、この行為によって国際的に「大日本帝国が移民を受け入れたのに何故アメリカ合衆国は移民を受け入れないのか」というムードに持って行くことにしたのだ。
「しかし、宜しいので?」
「彼らには、満州に行って貰う。噂に寄れば、あそこには資源が眠っているらしいからな」
「はあ……」
「国鉄は全部の鉄道を領有するつもりか!」
~ 小林一三、箕面有馬電気軌道の廃線を下令されて曰く。
突如として、箕面有馬電気軌道に国から命令が来た。曰く、「そんな採算の取れないミミズ鉄道など作るなら国へもっと貢献する鉄道を作れ」。結果、どうにか運営にはこぎ着けたものの、その後国鉄の買い取りとなり以後小林の計画にあった有馬~鈴蘭台~湊川などの神有鉄道敷設は国鉄が担当することとなる。
だが、そんな小規模な騒動にかまけている暇は大日本帝国には存在しなかった……。
おいおい、勘弁してくれよ……。
「本当なのか、これは」
「イギリスからのタレコミです、嘘ではないでしょう」
「だと、いいが……」
いや、よくはない、か。
その報告書に書かれていたのは、アメリカ合衆国が再来月には日本人労働者移民の渡航制限をするだろうという報告書であった。そして、大日本帝国にとってそれは致命傷ではないものの、間違いなく反米感情を逆撫でする行為であり、イギリスからのタレコミという形で知れたものの、果たしてどう出るかによりある程度の覚悟が必要であった。
「何故、アメリカ合衆国は西からの移民を禁ずるのか!それは人種差別に他ならず、ならば此方も東の市場、即ち支那方面の機会をアメリカ合衆国に提供することは無い!」
~ 大日本帝国のある代議士、議会演説にて。
1907年11月16日に要請されたアメリカ合衆国の日本人労働者移民制限要請に対して12月25日より開催された帝国議会は予想以上の紛糾の様相を見せていた。そして、その議会の結果、アメリカ合衆国にとっては最悪の展開を見せることになる……。
1908年2月6日、大日本帝国はアメリカ合衆国に対して飽くまでも強硬な態度を譲らない表明を見せる。通称、「支那封鎖宣言」とされるそれは、飽くまでも大日本帝国なりの控えめなメッセージであったが、アメリカ合衆国はこの宣言を重く受け止めることとなる。双方の齟齬に基づくものであったが、欧州はこの事態を静観、戦争にならなかった原因とは日英同盟があったからだとすら言われている。だが、事態は思わぬ好転を見せることになる、それは……。
「首相、朗報です!」
「どうした、アメリカ合衆国で騒動でも起きたか!」
「よく御存知で!」
「何っ」
アメリカ合衆国で黒人一揆が発生、あわや第二次アメリカ内戦かとされたそれは、アメリカ合衆国の意識が大きく内向きになったことを意味する。そう、日本人の移民という少数の脅威よりも大多数いる黒人の権利を制限する方をアメリカ合衆国は優先しだした。だが。
「念のため、大日本帝国はどんな形であれ、人種差別を赦しはしないという態度を取れ」
「……如何なる意味に御座いますか?」
「アメリカ合衆国の黒人に、ビザを渡す!」
「……は?」
……そう、アメリカ合衆国のこの騒動を大日本帝国は重く見た。そして、黒人に公民権を与えないのならば日本に来ると良いというメッセージをつけた。それは、一種の高等な政治曲芸であった。即ち、この行為によって国際的に「大日本帝国が移民を受け入れたのに何故アメリカ合衆国は移民を受け入れないのか」というムードに持って行くことにしたのだ。
「しかし、宜しいので?」
「彼らには、満州に行って貰う。噂に寄れば、あそこには資源が眠っているらしいからな」
「はあ……」
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