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「次の文章が思い浮かばない」をどう乗り越えるか。
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書けない。次の文章が思い浮かばない。どう書けばいいのかわからない。
もう、毎日のようにぶち当たる難問である。
ここでは、よくある三つの原因を取り上げてみた。
一つ目は、どう描写すれば良いか分からない場合。
二つ目は、資料が足りない場合。
三つ目は、そもそも書きたくない場合。
こういった事態に遭遇した場合、具体的にどうすればいいのか。実際に考えてみよう。
※他にも「自分の真の実力を知るのが怖い」、「何のために書いているのかわからない」などの原因がある。が、以前の項目でふれたので、ここではふれないことにする。
●どう描写すればいいのかわからない。
オセロの攻略本が、全ての盤面を網羅しているわけではないように、小説の書き方本にも「次にあなたが書くべき文章」は載っていない。
では、どうすればいいのか。
①自分が持っている小説を開く。
②その中から、自分が書きたい描写や台詞に近い文章を探す。
③文章の構造だけをマネする。
以上だ。
こうすることで、情景描写や人物描写は大方解決する。小説の構成に著作権がないように、文章構造にも著作権はない。ガンガン真似していこう。
「パクりになるのでは?」と思う人もいるかもしれない。が、安心して欲しい。その心配はない。私達の脳を介した時点で、文の質は駄作以下にまで劣化する。
ただし、構造の模倣は「その小説の熱烈なファンにバレても大丈夫だろう」と思える範囲で行うこと。投稿後に自責の念にかられるのを防ぐためだ。
●資料が足らない。
理想とする文章が、そもそも自分の頭の中にない可能性がある。
例えば、鳥人を書こうとしているのに、鳥に関する知識が抜けているとき。羽づくろいの描写をしようとしているのに、そもそも羽づくろいが何のために行われているのかわからないと、次の文章を書けない。最低限の知識をネットで調べるか、鳥に関する本を読む必要がある。研究者のエッセイは、観察力がすさまじく、描写の参考になるのでおすすめ。
また「挫折から立ち直る話」を書きたいのに、「挫折から立ち直る方法や過程」を知らなければ書けない。この場合は、「挫折から立ち直った人」が書いたエッセイや、ビジネス書をあさるとよい。
少なくとも「鳥人が飛びたつ描写に説得力がない」、「挫折から立ち直る過程にリアリティがなく、シラける」と未来の自分につっこまれる心配はなくなる。
アイデアの項目でも述べたように、安定してアイデアが出ている状態が異常なのだ。資料を集めたのに書けなかったとしても、悲観することはない。我々非才にとっては日常茶飯事である。
●そもそも書きたくない。
これが一番やっかいだ。
書くことが思い浮かばない場合、そもそも自分が書きたくない可能性がある。特に「書きたい場面」と「書きたい場面」のあいだにある「つなぎの場面」は、どうしてもモチベーションが下がりがちだ。書きたくはないが、書かないと小説として成り立たない。
そんなときは、後回しにするに限る。そして、体力にも精神力に余裕がある休日を使い、一気呵成に書いてしまう。嫌いな食べ物を無理に飲み込む感覚に近い。雑だろうが何だろうが、書ききってしまえば後でいくらでも修正できるからだ。
一行一行書いていけば、必ずゴールにたどり着く。あなたは、なんだかんだいって、ここまで小説を執筆してこれたのだ。書けないはずがない。
根性論に聞こえるかもしれないが、根拠がある。
やる気がある状態とは、脳の側坐核からドーパミンが大量に分泌されている状態。ドーパミンは、「目標へ向けて行動」しているときや、「報酬への期待を感じる」と分泌される。よって、「強い感情と一緒に想像した未来の姿」を想像すると「未来と現実のギャップを埋めよう」とモチベーションが生まれる。
まず、私達は小説完成へ向けて執筆という「行動」をしている。しかも「完成した小説」を、感情を込めて何度もイメージしている。極めつけに、「書き上げたところで誰も読まない。完成度も駄作以下」と分かっていながら「それでも小説を完成させたい」という強烈な使命感もある。
我々はすでに、周囲の環境や他者評価に依存していない、究極のモチベーションを手にしているのである。なので、「目標に向かって行動」するために、ムリヤリ指を動かせば、割とどうにかなってしまうことが多い。
余談だが、脳は「目標があいまい」だったり「高すぎて現実味がない」と、うまくイメージできない。なので、脳がイメージしやすいように、目標は小さく具体的した方がよい。(具体的には「面白い小説を書く」といった目標ではなく、「次の一ページを書ききる」、「次の一行書く」といった目標のほうが、モチベが上がる)
●終わりに
やる気を出す最良の手段は、「目標へ向けて行動すること」である。「やる気があるから執筆する」のではなく、「執筆するからやる気がでる」。
我々にできることは、文章が思い浮かばずとも、まず文章作成アプリをひらき、タイプすることのみ……ではない。
最後に一番重要なことを述べる。
「頑張る」には「健康」という基盤が絶対に必要である。憂鬱で体調が悪いときよりも、生き生きと健康的なときの方が頭が回るに決まっている。執筆は長距離走だ。睡眠、食事、運動、どれか一つでも欠けていれば、短期的にはよくても長期的にはガタが来る。
ぶっちゃけ私自身、執筆モチベーション喪失のうち九割は、精神的・肉体的に健康が損なわれたことに起因していた。
才能あるプロの小説家であれば多少の不摂生は許されるのかもしれない。しかし、私達は才能の無いアマチュア小説書きだ。ただでさえ無価値で駄作以下の文章を、これ以上暴落させないためにも、健康には気を配るベきだ。
書けなくなったときは、まず身心の「健康」に目を向ける。これを大切にして欲しい。
●追伸
もし質問等があれば、感想欄へ書いていただければ返信します。
もう、毎日のようにぶち当たる難問である。
ここでは、よくある三つの原因を取り上げてみた。
一つ目は、どう描写すれば良いか分からない場合。
二つ目は、資料が足りない場合。
三つ目は、そもそも書きたくない場合。
こういった事態に遭遇した場合、具体的にどうすればいいのか。実際に考えてみよう。
※他にも「自分の真の実力を知るのが怖い」、「何のために書いているのかわからない」などの原因がある。が、以前の項目でふれたので、ここではふれないことにする。
●どう描写すればいいのかわからない。
オセロの攻略本が、全ての盤面を網羅しているわけではないように、小説の書き方本にも「次にあなたが書くべき文章」は載っていない。
では、どうすればいいのか。
①自分が持っている小説を開く。
②その中から、自分が書きたい描写や台詞に近い文章を探す。
③文章の構造だけをマネする。
以上だ。
こうすることで、情景描写や人物描写は大方解決する。小説の構成に著作権がないように、文章構造にも著作権はない。ガンガン真似していこう。
「パクりになるのでは?」と思う人もいるかもしれない。が、安心して欲しい。その心配はない。私達の脳を介した時点で、文の質は駄作以下にまで劣化する。
ただし、構造の模倣は「その小説の熱烈なファンにバレても大丈夫だろう」と思える範囲で行うこと。投稿後に自責の念にかられるのを防ぐためだ。
●資料が足らない。
理想とする文章が、そもそも自分の頭の中にない可能性がある。
例えば、鳥人を書こうとしているのに、鳥に関する知識が抜けているとき。羽づくろいの描写をしようとしているのに、そもそも羽づくろいが何のために行われているのかわからないと、次の文章を書けない。最低限の知識をネットで調べるか、鳥に関する本を読む必要がある。研究者のエッセイは、観察力がすさまじく、描写の参考になるのでおすすめ。
また「挫折から立ち直る話」を書きたいのに、「挫折から立ち直る方法や過程」を知らなければ書けない。この場合は、「挫折から立ち直った人」が書いたエッセイや、ビジネス書をあさるとよい。
少なくとも「鳥人が飛びたつ描写に説得力がない」、「挫折から立ち直る過程にリアリティがなく、シラける」と未来の自分につっこまれる心配はなくなる。
アイデアの項目でも述べたように、安定してアイデアが出ている状態が異常なのだ。資料を集めたのに書けなかったとしても、悲観することはない。我々非才にとっては日常茶飯事である。
●そもそも書きたくない。
これが一番やっかいだ。
書くことが思い浮かばない場合、そもそも自分が書きたくない可能性がある。特に「書きたい場面」と「書きたい場面」のあいだにある「つなぎの場面」は、どうしてもモチベーションが下がりがちだ。書きたくはないが、書かないと小説として成り立たない。
そんなときは、後回しにするに限る。そして、体力にも精神力に余裕がある休日を使い、一気呵成に書いてしまう。嫌いな食べ物を無理に飲み込む感覚に近い。雑だろうが何だろうが、書ききってしまえば後でいくらでも修正できるからだ。
一行一行書いていけば、必ずゴールにたどり着く。あなたは、なんだかんだいって、ここまで小説を執筆してこれたのだ。書けないはずがない。
根性論に聞こえるかもしれないが、根拠がある。
やる気がある状態とは、脳の側坐核からドーパミンが大量に分泌されている状態。ドーパミンは、「目標へ向けて行動」しているときや、「報酬への期待を感じる」と分泌される。よって、「強い感情と一緒に想像した未来の姿」を想像すると「未来と現実のギャップを埋めよう」とモチベーションが生まれる。
まず、私達は小説完成へ向けて執筆という「行動」をしている。しかも「完成した小説」を、感情を込めて何度もイメージしている。極めつけに、「書き上げたところで誰も読まない。完成度も駄作以下」と分かっていながら「それでも小説を完成させたい」という強烈な使命感もある。
我々はすでに、周囲の環境や他者評価に依存していない、究極のモチベーションを手にしているのである。なので、「目標に向かって行動」するために、ムリヤリ指を動かせば、割とどうにかなってしまうことが多い。
余談だが、脳は「目標があいまい」だったり「高すぎて現実味がない」と、うまくイメージできない。なので、脳がイメージしやすいように、目標は小さく具体的した方がよい。(具体的には「面白い小説を書く」といった目標ではなく、「次の一ページを書ききる」、「次の一行書く」といった目標のほうが、モチベが上がる)
●終わりに
やる気を出す最良の手段は、「目標へ向けて行動すること」である。「やる気があるから執筆する」のではなく、「執筆するからやる気がでる」。
我々にできることは、文章が思い浮かばずとも、まず文章作成アプリをひらき、タイプすることのみ……ではない。
最後に一番重要なことを述べる。
「頑張る」には「健康」という基盤が絶対に必要である。憂鬱で体調が悪いときよりも、生き生きと健康的なときの方が頭が回るに決まっている。執筆は長距離走だ。睡眠、食事、運動、どれか一つでも欠けていれば、短期的にはよくても長期的にはガタが来る。
ぶっちゃけ私自身、執筆モチベーション喪失のうち九割は、精神的・肉体的に健康が損なわれたことに起因していた。
才能あるプロの小説家であれば多少の不摂生は許されるのかもしれない。しかし、私達は才能の無いアマチュア小説書きだ。ただでさえ無価値で駄作以下の文章を、これ以上暴落させないためにも、健康には気を配るベきだ。
書けなくなったときは、まず身心の「健康」に目を向ける。これを大切にして欲しい。
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