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第六章 星の救済

第100話 そして歴史は続く

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「誰です。このちんちくりん?」
 目の前でもがいているマガツヒ。
 まだパワーは三割程度。最初から全開だと痛そうだからな。

「そうか、シルヴィ達。会うのは初めてか。こいつがこの世界の管理人。マガツヒ。言ってみれば、神の一柱だ」
「神? こいつが?」
 見えないだろうな。

「そろそろ、言う気になったか?」
「あがゃ。だれぎゃ。いうもにょか。もっと」
 炎呪の股から声が聞こえる。

「なんだかシュールだな。さて、順に上げていこう。五十パーセントだ」
 順にと言っておきながら、飛ばす。

「うきゃあ」
「自分で、おもしろがって創った作品だ。堪能しろ」
「自分で創った?」
「あん? 言ってなかったか? 俺はこの世界の人間じゃない」
 言った瞬間、皆が驚く。

 当然マガツヒも。
「ひんっ、きしゃま。んじぇおぼえて。んあっ」
「ちょっと色々あってな。封印が外れたときに記憶が戻った。さて六十パーセントプラス両手」
「うきゃあああぁぁあ」

「そしてまあ、こいつが、世の中の因果律という物をいじりやがってな。まあ、いじった原因は、あと数年で邪神が封印を解き。この世界を滅ぼして、その後何故か俺が元いた世界にやってくるという流れだから。まあ百歩譲って納得しよう」
 そんな事を聞かされ、さらに皆驚く。

 皆が握っているマガツヒの手足が色が変わってきた。
 話を聞いた皆が、力を込めたようだ。
「おい。力の入れすぎだ」
「かまいません」
 シルヴィが真顔で言うが、マガツヒは精神体だけではなく、受肉している以上。感覚は普通のはずだ。

「いや、こいつが壊れるから」
「大丈夫です」
 ラウラまで言い切る。
 そう言えばこいつらって、拷問にもなれているんだったな。

「まあ。そう言うなら、信じよう。それでまあ、向こうで事故を起こして、死んだ俺は、こいつの管理する所。時空の狭間へと導かれた。それでまあ、俺が強いもので元の肉体はつかえないし、創り直したんだ」
「うしょつき」
 マガツヒがぼそっと言ったな。鳴かねば撃たれまいに。

「一気に八十パーセント」
「うきゃーああっぁぁ」
「おっと、一気に反応が変わったな」
 わめきながら、何故かお尻をフリフリしている。

「もっと、上げてやってください」
 両側からの声がかぶる。感じてるのが許せないようだ。

「九十パーセント。そして、一〇〇パーセント」
「こんにゃもにょか」
「限界突破」
「うしょおおおぉぉ」
 あーうん。

 押さえられている手足が折れても、気がつかないんじゃないかという感じで、うねうねしている。

「これは対炎呪用のスペシャルだから効くだろう。魔力シールドで相手を包み。全身を優しく愛撫する。あたたかさに包まれたまま、こそばいのか気持ちいいのか分からなくなるらしく。それがある点を超えると、一気に快楽となるらしいぞ」
 すでに、聞こえちゃ居ないな。
 全身が、突っ張っている。
 あっ、弛緩した。また突っ張った。

 すごい勢いで繰り返している。

「っこれって、たまにお姉様がなっている状態ですよね」
「そうだな」
 もう、手足は放されている。

「どうだしゃべって、みろ」
「いい。いこーる。えむしー。にじょうおぉぉぉ」
 なんてことを口にする? まさかコードか? 入力する。
 エラーがでた。何だよ。

「今のは?」
 炎呪が何故か食いつく。こいつ強さには嗅覚が鋭いな。究極魔法など創られたら困る。
「物理法則の計算式だ。忘れろ」
 嗅覚は鋭いが、頭はそこまでではない。大丈夫だろう。変数の意味が分からなければ大丈夫。

「おい。せっかく受肉した体が壊れるぞ。いい加減言え」
 全部の動きをピタッと止める。
 これをすると、全身で揺り返しが来るそうだ。

「あががが。きゅうとであいらしいマガツヒさま。てんじょうてんげ、ゆいがどくそん」
 そりゃこっち側の言葉だろ。
 まあ入れてみよう。あっ通った。
 速やかに、パスワード変更。
 我が愛するこの星と人々を救いたまえ。
 実行。よしコード変更もできた。

「よし。通った。マガツヒお疲れ様。眠りなさい」
 一気に全刺激を復活させる。

「うきゃーああっぁぁ」
 全身がバウンドする。
 変わった反応だな。

 そして、向こうに帰れなくなったマガツヒは、勝手に住み着く。
 魔力の扱いに長け、以外と慕われているが、妙な教えを広めそうで監視をしている。
 たまに、やってくるが。
「ご主人様お情けをくださいませ」

 元を知っているだけあって、彼女達も扱いが困る存在。
 密かに、炎呪が会っているが、まだ究極魔法には行き着いていない。
 

 獣人族の平定はまだ掛かりそうだが、ゆっくりと進める。
 普通、人々の意識改革には三代掛かると言われている。


 邪神も、徐々に力を失っているし、このまま行けば大丈夫。
 世界の中心となったチトセの街で、全種族を纏め、平和な世界を創っていく。


 そして、時は流れる。
「おじいさまと、マガツヒ様は、どうして若いままなの?」
 そう。昔冗談でハイヒューマンと言ったが、実際にそうだったようだ。
 この体、年を取らない。

 政(まつりごと)は、子供達の代から孫の代へと移っているが、俺達は姿も変わらず。生きたままで、神と呼ばれるようになってしまった。

 魔人族は、寿命が長いのだが、シルヴィとテレザはすでに隠居状態。
 定期的に、黄色い実と赤い実を食べさせているが限界はある。

 ずいぶん、理を変えて延命をと思ったが、二人から拒否をされた。
 老けた体で、常識を越えて長生きはモンスターだと。

「あなたに救われ、奴隷からの解放。そして、普通なら見ることができない世界を見て。美味しいものも頂きました。輪廻なる考えも教えていただきましたし、今生ではあなたと此処で、お別れいたします。良い人生をありがとうございました」

 そう言って、……仲良し二人は、同時に息を引き取る。
 子供や孫に、見守られながら。



「…… よっ。目が覚めたか? 数時間ぶり」
「「えっあなた」」
「魂を探すのに、意外と時間が掛かった。すまない」
 驚く顔は、若く戻っている。魂だからな。

「ここは、時空の狭間。お前達本当に満足をしたのか? それなら輪廻の輪へ返すが、まだ共に生きるのなら、ハイヒューマンの体を創ろう。どうする?」
 意地が悪いが、一応聞いておく。

「とうぜん。共に」
 こっちが、シルヴィ。そう言って、抱きついてくる。
「若くて老いない体が欲しい。ずっと、エッチができる」
 そういうのが、テレザ。

 二人とも。嬉しいことに、俺に付き合って生きて行ってくれるようだ。
「丈夫な体を創って、世界中を世直し旅でもしようか?」
「「賛成!!」」


 まだまだ、楽しい時間は続くようだ。



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 だけど、話はここで終了します。
 ここまで、お読みくださり。ありがとうございました。
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